超電磁砲の看病   作:神納 一哉

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過去に創作板に書いたものを加筆・修正しています。


3 お見舞い

美琴(深呼吸して…)スーハー

 

プルルルルル…プルルルルル…

 

上条「もしもし?」

 

美琴「アンタ今ちゃんと寝てるんでしょうね?」

 

上条「…トイレくらいは行かせてくださいよ御坂センセー」

 

美琴「うぇ!?そ、そうね!生理現象は仕方ないわね」カァッ

 

上条「で、どうしたのですか?」

 

美琴「アンタの部屋だけど、勝手に開けて入るから気にしないでベッドに横になってなさいって言っておこうと思って」

 

上条「は?御坂センセー、犯罪者ですか!?」

 

美琴「違うわよ!アンタが辛いだろうからベッドから出なくていいようにするだけよ」

 

上条「扉壊すのはやめて!玄関くらい開けるから!」

 

美琴「アンタ、私の能力舐めないでよね。鍵くらい壊さないで簡単に開けられるんだから」

 

上条「え?どういうこと?」

 

美琴「…こういうこと」ビリビリ

 

カチャ

 

上条「!!」

 

美琴「お邪魔します~」カチャ

 

上条「え?鍵かけてなかったっけ?」

 

美琴「電磁力でちょろっとね~。台所ってそっち?」ヨイショ

 

上条「あ、ああ、そうだけど」

 

美琴「とりあえず色々買ってきたから、入れておくね」ガチャ

 

上条「お、おう。サンキュー」

 

美琴「…これまた見事になにも無いわね」

 

上条「貧乏学生が倒れたらそれは悲惨ですよ」トホホ

 

美琴「アンタお粥しか食べてないって聞いたけど、普通のご飯食べれる?」

 

上条「良くぞ聞いてくれました御坂センセー。小萌先生もインデックスも『病人はお粥』の一点張りでお粥しか食べさせてもらえなかったのですよ!」

 

美琴「アンタ良く生きていたわね…」

 

上条「定期的に差し入れられる海苔の佃煮と梅干が上条さんの生きがいでした」

 

美琴「じゃあ、普通のご飯炊いていい?」

 

上条「よろしくお願いします」

 

美琴「あ、そうだ。アンタ、喉渇いてない?」

 

上条「結構渇いてるかも」

 

美琴「じゃ、これでも飲んで」ポイ

 

上条「…ゲコゲコーラ?」

 

美琴「ゲコ太ボールペンが欲しくって買っちゃった。6本」エヘ

 

上条「お徳用ボトル1.5本分を500mlボトルで!?」モッタイネー

 

美琴「だ、だって欲しかったんだもん!あと5本は冷蔵庫入れとくから!」

 

上条「…まあいいけどさ」プシュ

 

美琴「で、ついでにゲコ太ストラップも欲しかったからカップ麺も買ったの…9個」

 

上条「9個!?」

 

美琴「正確には3個セットを3個。カップ麺はどこに入れておけばいいの?」

 

上条「…なんか御坂センセーから後光がさして見えるんですけど」ジワッ

 

美琴「カップ麺ぐらいで大げさなこといわないでよ」

 

上条「…よっと。ちょっとそっち行くぞ。片付ける場所教える」

 

美琴「ああ、うん。よろしく」

 

上条「お礼を言うのはこっちだって…!!」

 

美琴「…どうしたの?」

 

上条「そ、その卵は…」ブルブル

 

美琴「ん?アンタ一人暮らしだから6個入りでいいよね?」

 

上条「!!御坂センセー…それは!?」

 

美琴「え?普通にスーパーで適当に買ってきたんだけど…。冷蔵庫の中になにも無いみたいだったし」

 

上条「いやいや、高かっただろそんなに」

 

美琴「ん?一万ちょっと(正確には15784円)だし、そんなでもないでしょ?以外と安かったわよ」

 

上条「そ、そうですか…」(さすが常盤台のお嬢様。金銭感覚が違う。一万円って言ったら上条さん家の二週間分の食費(含む居候分)ですよ)

 

美琴「で、カップ麺はどこに?入れるのよ?」

 

上条「ああ、カップ麺はその食器棚の下の扉の中」

 

美琴「今日はステーキ焼くから、これは出しておいて…病人のアンタに頼むのはなんだけど、これ片付けてくれるかな?」

 

上条「わ、わかった」

 

美琴「…あっ、ゲコ太は貰っていいよね?」

 

上条「ああ」

 

美琴「お米どこ?」

 

上条「お米はレンジの下」

 

美琴「了解~」

 

上条(高級自然卵に黒豚、赤鳥、天然物の魚介類、国産の野菜、それに机の上におわすのは黒毛和牛!)ガクガク

 

美琴「アンタ寒いの?震えてるじゃない!」

 

上条「御坂センセー!ありがとうございます!!」ドゲザ

 

美琴「な、なんで土下座!?」ビクッ

 

上条「買いたくても買えなかった食材をこんなにたくさん」ドゲザ

 

美琴「んー。まあアンタにはお世話になったからね…。気にしないで」

 

上条「太っ腹!」

 

美琴「ああ、ほらほら、いいから早く片付けて、とっとと布団に入る!」

 

上条「了解です!御坂センセー」

 

美琴(感謝されちゃった)ニヤニヤ

 

----------

 

美琴「~♪」コトコト

 

上条(なんだろう、この状況は?御坂が俺の部屋に来て、料理をしてくれている。これってかなり凄いシチュエーションなのではないでしょうか?)

 

美琴「ねえ?調味料はどこ~?」

 

上条「コンロの下に一通り入ってる」

 

美琴「ん、あった。ありがとう」

 

上条(お礼を言うのは俺の方なんだけどな)

 

美琴「~♪」

 

上条「…」

 

----------

 

高熱が出て倒れたのは四日前。カエル顔の医者のところに行ったらインフルエンザと診断され、薬を出されて自宅療養としてもらう。

 

感染力が強いため、インデックスは小萌先生に預かってもらうことになり、俺はきちんとした療養をするため、久しぶりにベッドで眠ることになった。

 

朦朧とする意識の中、それでもインデックスの匂いのする布団類を使う気にはなれず、それらを外して浴槽に敷いて使っていた自分の布団を敷く。インデックスが使っていた布団類はとりあえず畳んでベッドサイドに積んだ。

 

コトコト コトコト

 

上条「…」

 

インデックス「小萌、これはなにをしているんだよ?」

 

小萌「シスターちゃん、病気の時は体が弱っているから、こうやってご飯を柔らかく煮て、お粥にして食べさせるのですよ~」コトコト

 

インデックス「あまり食べ応えなさそうかも!」

 

小萌「ふふ。身体に負担をかけないようにする食事ですからね~」コトコト

 

インデックス「でも、とうまは病気だからこれしか食べられないんだよ?」

 

小萌「そうですね~。海苔とか梅干とか添えて食べるんですよ~」コトコト

 

インデックス「海苔とか美味しそうかも!」

 

小萌「とりあえず、私も学校がありますから、翌日の朝と昼の分を一緒に作っておきましょうね~」コトコト

 

インデックス「三食分でこれだけしかないんだよ!?足りないんだよ!?」

 

小萌「上条ちゃんは病気だからこのくらいしか食べられないんですよ~」

 

インデックス「そうなんだ。私なら耐えられないんだよ!」

 

小萌「上条ちゃんが治るまでは、シスターちゃんは私の家に来るんですよ~」

 

インデックス「こもえ、こもえ。ご飯はたくさん欲しいんだよ!」

 

小萌「シスターちゃんはいっぱい食べますからねえ」

 

インデックス「みんなが食べなさすぎなんだよ!」

 

小萌「うふふ」

 

そんな会話を、聞いたような気がする。

 

そしてそれからの四日間は『お粥スパイラル』と命名されるトラウマとして、上条当麻の記憶に刻み込まれることとなったのであった。

 

----------

 

上条(ようやく…お粥スパイラルから抜け出せるのか…)ジワッ

 

美琴「~♪」トントン

 

上条(しかも、女の子の手料理が食べられるなんて)ジワッ

 

美琴「~♪」カチャカチャ

 

上条(夢、じゃないよな?)

 

----------

 

美琴「おまたせっ」

 

上条「おお、美味そうだな」

 

美琴「うふふ。そう?」ニコッ

 

上条「じゃあ早速頂こうと思うんですけど、箸はどこでしょうか?」

 

美琴「こ・こ」スチャ

 

上条「!」

 

美琴「はい、あーん」スッ

 

上条「あ、あーん」///

 

----------

 

上条(な、なんちゃって!なんちゃって!!)ゴロゴロ

 

美琴「…アンタなに転がってるのよ?」

 

上条「!!」ギクッ

 

美琴「まあいいわ。お盆ってどこにあるの?」

 

上条「お、お盆なんて上条さん家にはありませんよ」

 

美琴「今までどうやってご飯食べてたのよ」

 

上条「普通にその机で」

 

美琴「じゃあその机でいいかしら?」

 

上条「なにが?」

 

美琴「アンタは病人。だからベッドの上で食事するのが普通でしょ?」

 

上条「いや、別に机で食べればいいだろ?」

 

美琴「駄目よ!」

 

上条「そ、そうか…」

 

美琴「そうよ!」(「あーん」ができないじゃない!)

 

上条「わかった」

 

美琴「わ、わかればいいのよ」///

 

♪ゴハンガ タケマシター♪

 

美琴「じゃあ、今日のメインディッシュを焼いてくるから、体起こして」

 

上条「お、おう」

 

美琴「こうして、机をベッドの上に置いて…と。うん。これで準備OK」トテトテ

 

上条「…」

 

美琴「とりあえず、軽くお腹に入れておいて。はい、スープ」コトン

 

上条「おお、美味そうだな!」

 

美琴「じゃあ、ちょっと待ってね」トテトテ

 

上条「…」コクリ

 

美琴「~♪」ジュワアアアア

 

上条「美味い」ゴクン

 

美琴「ねえ?焼き加減は?」ジュー

 

上条「は、半生?」

 

美琴「…ミディアムね。了解」ジュー

 

上条「…」ゴクゴク

 

美琴「~♪」カチャカチャ

 

上条「…」

 

美琴「お待たせ~」コトン、コトン、パタパタ

 

上条「うわ、すげ…」ゴクリ

 

美琴「ジャジャーン!メインディッシュの登場~」コトン、コトン

 

上条「!!」ジュルリ

 

美琴「食べやすいように切ってきちゃった」

 

上条「御坂センセー!上条さん耐えられません!早く箸を!」

 

美琴「…ど、どれから食べるの?」ドキドキ

 

上条「そりゃあもちろんお肉ですよ!」

 

美琴「…はい」スッ

 

上条「…え?」キョトン

 

美琴「あ、あーん」ドキドキ カァッ

 

上条「…」(ま、まさか本当にあーんされるとは…)カァァッ

 

美琴「さ、冷めちゃうよ?」

 

上条「…」パクッ モグモグ

 

美琴(あ…。食べてくれた)///

 

上条「なんじゃこりゃああああ!!」

 

美琴「!」ビクッ

 

上条「お肉が、お肉が口の中で蕩けていくんですけど!?こんなの初めて!」

 

美琴「そ、そう?ステーキってそういうものじゃないの?」

 

上条「こ、これはご飯だ!御坂センセー、ご飯の上にお肉を載せてください!」

 

美琴「う、うん。わかった。…こうかな?あーん」

 

上条「…美味い!美味いよ御坂!」モグモグ

 

美琴「…」パアアアア(褒められちゃった)

 

上条「御坂センセー、お願いがあるんですけど」

 

美琴「え?な、なに?」

 

上条「自分で食べたいのでお箸を渡してもらえますか?」

 

美琴「…」

 

上条「正直『あーん』は憧れてましたけど、折角の美味しい料理、冷めないうちに食べたいのです」

 

美琴「わ、わかったわよ」コトン

 

上条「サンキュー」ガバッ! ガツガツ ムシャムシャ

 

美琴「そ、そんな慌てて食べない!」

 

上条「御坂の料理が美味いのがいけないんだ!」ガツガツ ムシャムシャ

 

美琴「そ、そう。スープ盛って来るね」

 

上条「サンキュー」ガツガツ ムシャムシャ

 

美琴(美味しいって言ってくれた)ニヘラー

 

上条「うおっ、このソテーも美味っ」パクパク

 

美琴「ふふ。ふふふ…」ニヘラー

 

上条「御坂センセー、ご飯おかわりいいですかー?」

 

美琴「は、はーい」パタパタ

 

上条「悪いな」

 

美琴「病人が余計な気を使わない!ほら、スープ」コトン パタパタ

 

上条「サンキュー」

 

美琴(あっ…)///

 

上条「どうした?」

 

美琴「…」ドキドキ

 

上条「御坂?」

 

美琴「…ご飯粒、ついてる」ソッ

 

上条「え、ああ、悪い」カァッ

 

美琴「…」パクッ

 

上条「え?」///

 

美琴「あ…」///

 

上条「…」///

 

美琴「ご、ご飯盛って来るっ」/// パタパタ

 

上条「お、おう」///

 

美琴(や、や、やっちゃったーーーーーっ!)ドキドキ

 

茶碗を台の上に置くと、両手で胸を押さえる。

 

美琴(落ち着け、落ち着け、わたし)ドキドキ

 

炊飯器を開けてしゃもじを手にするが、手が震えて上手く持つことができなかった。

 

美琴(か、か、か、間接キスだよねっ!?)カァァァッ

 

心臓の音が煩い。顔が熱い。

 

美琴(やっちゃったあああああああっ!!)ドキドキ

 

----------

 

上条(な、なにが起きた…!?)ドキドキ

 

少女の指が唇の端に触れ、その指が少女の唇へ。

 

上条(間接キスってやつだよな…あれ)ドキドキ

 

茶碗を持って台所へと消えた少女の顔は真っ赤に染まっていたように見えた。

 

上条(いや、まさか…な)ドキドキ

 

----------

 

上条「いやー、食べた食べた。ごちそうさまでしたっ」オジギ

 

美琴「お粗末様でした」

 

上条「すっかり生き返った感じだ。食事ってこんな美味いものだったんだな」

 

美琴「大げさすぎよ」

 

上条「いや、御坂センセーも四日間ずっとお粥食べてみればわかる」ガクガク

 

美琴「え、遠慮しておくわ」アハハ

 

上条「…」デスヨネー

 

美琴「あ、もうこんな時間!?やばっ、門限!」アタフタ

 

上条「だ、大丈夫か御坂?」

 

美琴「黒子に頼んでそこまで迎えに来てもらうから大丈夫よ。片付けは明日の朝にするから、アンタは薬飲んでさっさと寝なさい」

 

上条「え?」

 

美琴「…乗りかかった舟だし、アンタが治るまで、ご飯作ってあげるわ。じゃ、またね」バタン

 

上条「御坂…」

 

美琴(し、自然に言えたよね!?)グッ

 

扉の前でガッツポーズをした後、足早に男子寮の階段を降りながら携帯電話を弄る。液晶画面に表示された時間は、門限の時刻をとっくに過ぎていた。

 

男子寮の前の道でルームメイトに電話をかける。

 

美琴「あ、黒子?お願いがあるんだけど?」

 

黒子「夕食も差し迫っているのにどこにいるんですかお姉さまぁ~!?…わかりました。今すぐお迎えに上がりますわ」シュンッ

 

美琴「これでよし、と。あとは夕食の後にどう切り出すか…ね」パタン

 

黒子「お待たせしましたお姉さま~!」シュンッ!

 

美琴「早っ」ビクッ

 

黒子「あたりまえですのっ!寮監に見つからないうちに一刻も早く戻りますの!」

 

美琴「…」コクッ

 

黒子「…」シュンッ

 

----------

 

黒子「それで、お姉さまは明日の朝も私に先ほどの場所まで連れて行けと仰るのですか?」

 

美琴「お願い!黒子!」コノトーリ

 

黒子「…あの場所は、私の記憶が正しければ男子寮だったと思うのですけれども?」

 

美琴「…アイツが熱出して倒れてるのよ。ほっとけないのよね」アハハ

 

黒子「ちょっとお待ちくださいお姉さま…。アイツってあのツンツン頭の殿方のことですか?」

 

美琴「…う、うん」カァッ

 

黒子「!!」(なぜ赤くなるんですの!?)

 

美琴「わたしの作った料理を美味しいって言ってくれたの…」ニヘラー

 

黒子「あ…あ…」(お、お姉さま…まさか…)ワナワナ

 

----------

 

類人猿「サンキュー美琴。お前の飯は最高だったぜ」ニコッ

 

美琴「喜んでもらえて嬉しいわ。当麻」ニコッ

 

類人猿「デザートはあるのか?」

 

美琴「デザートは、…わ・た・し」ウインク

 

類人猿「うっひょー、いっただきまーす」ガバッ

 

美琴「ああーーーんっ」///

 

----------

 

黒子(な、なんてことになっていたら…)ワナワナ

 

美琴「黒子ってば!聞いてるの?」

 

黒子「な、なんですのお姉さま」ハッ

 

美琴「だから明日の朝は6時によろしく」ニコ

 

黒子(し、し、し、しまったああああああああっっ!!妄想に囚われている間に連れて行く約束しちゃってますのおおおおおっっ!?)ガビーン

 

美琴「黒子?」

 

黒子「なんでしょう?お姉さま」

 

美琴「目覚まし、5時30分にセットしておいてね。…忘れたりしないように、今すぐ」ニコ

 

黒子「りょ、了解したですの!!お姉さま」ピピッ

 

美琴「じゃあ、わたしお風呂入る」トテトテ

 

黒子「は、はい」ズーン

 

美琴「…黒子」

 

黒子「はい、お姉さま」

 

美琴「その、ありがとね」ニコ

 

黒子「…」パアアア

 

----------

 

チャポーン

 

美琴(そういえばアイツ、寝込んでるんだし、お風呂とか入ってないよね。その割に変なにおいしなかったけど…)

 

湯船に浸かりながらそんなことを考えてみる。

 

美琴(病気のとき、ママに身体拭いてもらったの、気持ちよかったなあ)

 

小学生のとき、母親にしてもらった看病を思い出す。

 

美琴(そうだ、アイツの身体も拭いてやれば…)

 

----------

 

美琴「どう?気持ちいい?」フキフキ

 

上条「…ああ、暫く風呂に入ってなかったから、凄い気持ちいいぞ」

 

美琴「アンタ、結構がっしりしてるのね」フキフキ

 

上条「誰かさんに追い掛け回されてるからかな?」

 

美琴「なんですってっ!?」フキフキ

 

上条「それが、今はこうやって身体拭いてもらってるなんて、運命って不思議だよな?」

 

美琴「う、う、運命!?」カァッ

 

上条「ああ、御坂に会えてよかったよ…」ニコッ

 

美琴「ば、ばかっ」カァッ

 

-----------

 

美琴「ないない!絶対無い!」ブンブン

 

お湯をすくって顔を洗いながら首を振る。

 

美琴(アイツがそんなこと言うはずない!)カァッ

 

ポチャン

 

美琴(アイツってわたしのこと、どう思ってるのかな…)カァ

 

のぼせたわけでもないのに頬が熱い。

 

美琴(わたしは、アイツのこと…)///

 

考えただけで鼓動が早くなる。

 

上条当麻の笑顔、自分に向けられた言葉、そして掴まれたときの掌の感触。

 

胸が締め付けられる、嫌じゃないけど苦しい感覚。

 

美琴(わたしは、アイツが…好き)///

 

----------

 

美琴「…片付けは明日の朝にするから、アンタは薬飲んでさっさと寝なさい」

 

御坂はそう言っていた。それからご丁寧に電磁力で鍵を閉めて去っていった。

 

上条「わっかんねえな…」ヨイショ

 

ベッドの上からテーブルを下ろし、テーブルの上の食器類を持って台所へ向かう。

 

洗い桶に水を張り、そこに食器を漬けていく。コンロに火を入れて、フライパンに熱を通して冷え固まった油を溶かす。

 

上条(さすがにフライパンくらいは洗っておかないと、焦げつきやすくなるからな)

 

鍋に残っているスープは明日の朝食分くらいあるので、蓋をしておく。洗い桶に油が入らないようにフライパンを流し、スポンジで洗う。

 

そして、鍋の前に小皿がちょこんと置かれているのに気がついた。

 

上条「あー、味見用…か!?」ドキドキ

 

ゆっくりと手に取り、まじまじと見つめる。うっすらと残るスープの跡。

 

上条「…御坂」

 

そっと唇に小皿を近づける。

 

上条(お、俺はなにをしているんだ!?)ドキドキ

 

唇の端に触れた少女の指先。その指が少女の唇へと真っ直ぐに向かっていき、少女の唇がその指を咥える。

 

上条(俺は、御坂と…)ドキドキ

 

ポチャン

 

軽く首を振って小皿を洗い桶の中へ落とすと、上条当麻はコップに水を汲み、居間へと戻る。

 

上条(御坂の指、柔らかかったな)カァッ

 

カプセルを取り出し、口に含むとコップの水を一気に飲み干す。

 

上条「うし、寝るか」

 

布団に潜り込み、電気を消す。暗闇の中でやけに自分の鼓動が大きく聞こえる。

 

上条(御坂…)

 

目を閉じて、浮かんでくるのは少女の顔だった。

 

上条(御坂…)

 

元気で我の強い、常盤台のお嬢様中学生。

 

学園都市第三位の超能力者『超電磁砲』

 

上条「御坂…美琴」

 

少女の名前を呼んでみる。

 

上条(やっべ…。俺、アイツのこと…)ドキドキ

 

意識すればするほど、鼓動が早くなり、息が苦しくなる。薬が効いてきたわけでも、病状が悪化したわけでもない。

 

上条「好き…かもしれない」ドキドキ

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