美琴「お邪魔しまーす」ガチャ
上条「いらっしゃいませ。御坂センセー」オジギ
美琴「…なにお辞儀してるのよアンタ」ガチャ
上条「お辞儀は挨拶の基本ですよ!?御坂センセー」
美琴「そ、そう?」
上条「あれ?常盤台ってお辞儀とか教わらないの!?」
美琴「そんなわけないでしょ!教わるわよ!」
上条「じゃあ改めて…いらっしゃいませ、御坂センセー」オジギ
美琴「あ、お、お邪魔します…って、アンタとわたしの仲でそんな挨拶なんていらないと思うんだけど?」
上条「そ、そうか。…御坂さんのこと、そういう風に見ていいのでしょうか?」
美琴「そ、そういう風ってなによっ!?」カァッ
上条「ん?…お辞儀しないでいいような仲?」
美琴「なによそれ?」
上条「…と、とりあえず、友達?」カァッ
美琴「んー。まあそうね。じゃあ友達ってことで」ニコッ
上条「お、おう」///
美琴「じゃあ、シチューを作らないと。バゲット買ってきたけどご飯の方がいい?」
上条「…バゲットってなんでしょうか?」
少年は首を傾げた。それを見て少女は手に持っていた紙袋から細長いものを取り出し、少年の前で左右に振る。
美琴「これよ、バゲット」
上条「ああ、フランスパン」
美琴「ふーん。そうとも言うのね。4cm厚くらいに切って、軽くオリーブオイルで炒めたのをシチューに浸して食べようかと思ったんだけど」
上条「それ、美味そう」
美琴「ふふ。じゃあバゲットでいいかな?…えーっと、それで、今日はわたしも食べていい…かな?」
上条「ん?それはもちろん構わないけど、門限は大丈夫なのか?」
美琴「外出許可取ってきたから大丈夫」ニコ
上条「…なんか、悪いな」
美琴「気にしないで。わたしがそうしたいだけなんだし」
上条「御坂…」
美琴「それより、調子はどう?」オタガイノ オデコニ テノヒラ アテル
上条「っ!!」カァッ
美琴「うーん。まだ熱っぽいのよねえ…」フムフム
上条(近づきすぎですよ、御坂センセー)///
美琴「うん。アンタは料理ができるまで寝てなさい」
上条「一日中寝ていたのに!?」
美琴「はいはい、病人はおとなしく寝てなさい!」
上条「だいぶ調子良くなってるんだけどな。喉も痛くないし」
美琴「そこで気を抜いたらぶり返すのよ。はい、布団被って」
上条「わかった、わかりましたから!自分で被るって」カァッ
美琴「わかればよろしい」
上条「御坂センセー、結構良いお母さんになれるな」
美琴「そ、そう?」///
上条「おう。上条さんが保障します」
美琴「ふふ。じゃあ、おとなしくしていなさいよ」トテトテ
上条「へいへい」
美琴「~♪」
お米を研いで炊飯器のタイマーをセットする。
美琴「~♪」トントン
鍋を火にかけ、大きめに切った野菜を次々と放り込んでいく。
美琴「~♪」ジュージュー
玉ねぎと鶏肉をフライパンで炒める。
美琴(いいお母さんになれる、か…)
沸騰した鍋に炒めたものを放り込んでゆっくりとかき混ぜる。
美琴(子供…かあ)
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男の子「やだやだやだやだ~!!」ジタバタ
美琴「こら!我儘言わないの!」
男の子「だってまだ眠くないんだもん」ジタバタ
美琴「遅くまで起きていると、消滅の手がアンタを消しに来るぞ~」
男の子「そ、そんなの迷信だもん!」ビクッ
美琴「ママもそう思っていたんだけど…、消滅の手はママの能力も消しちゃうんだぞ」
男の子「ほ、ほんと!?」ビクッ
美琴「本当よ。だから早く寝ないと…」
男の子「…お、おやすみなさい!!」ガバッ
美琴「はい、おやすみなさい」ニコ
部屋の明かりを消し、廊下に出て扉を閉める。居間に戻ろうとして、彼女は足を止めた。
美琴「おかえりなさい。あなた」ニコ
上条「ただいま。美琴。…なんだよ、消滅の手って」
美琴「嘘は言ってないでしょう?」
上条「まあ、そうだけど」
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美琴(なんちゃって!なんちゃって!なんちゃって!!!)///
我ながらすごい想像力。
美琴(やっぱり結婚したら『あなた』って呼ぶわよね?うん!)ニヘラー
まだ結婚できる年齢じゃない、けど、夢見ることは自由だ。
美琴(アイツと…かあ)///
いつかはそうなれたらいいな。自然にそう考えている。
美琴(まだ付き合ってもいないのに、なに考えてるんだろう、わたし)カァッ
つい先ほど、知り合いから友達に昇格したばかりだというのに。
美琴(でも、考えるだけならいい…よね)カァッ
アイツのことを考えるだけで胸が熱くなる。
アイツの傍にいるだけで、心が満たされていく感じがする。
美琴(好き、なんだもん)///
だから、このくらい想像しても、いいよね?
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ベッドの傍にあるテーブルの中央にバゲットの山を置き、鍋敷き代わりによくコンビニで立ち読みをする雑誌を持ち主の許可をもらって机の上に置いて、鍋を載せる。
美琴「あとはサラダと、美味しそうだったからデザートにりんごも買っちゃった」コトン
上条「あれ、上条さん布団から出てもいいのでしょうか?」
美琴「…食べさせて欲しいならベッドの上に机を置くけど?」ニヤニヤ
上条「う…。上条さん悩んでしまいます」カァッ
美琴「はい?」ドキ
上条「御坂に『あーん』してもらうのも魅力的なんですよ」カァッ
美琴「そ、そう」///
上条「まあ、でも、御坂も食べるんだから、素直に机の前に座ります」
美琴「ふふ。じゃあよそるわね」
上条「お願いします」
美琴「いっぱいあるからたくさん食べてね」
上条「ありがとうございます」
美琴「じゃあ…」
上・美「いただきます」
美琴(ハモっちゃった)///
上条「御坂センセー。とっても美味しいです!上条さんのフランスパンに対する考え方が変わってしまいましたよ」
美琴「ふふ。シチューをたっぷり含ませると美味しいわよね」
上条「しかし、このカリカリのまま食べるのも捨てがたい!」
美琴「チーズ載せてオーブンで焼くとまた美味しいわよ」
上条「オーブンレンジでよかった!」
美琴「じゃあ、チーズ載せて焼いてくる?」
上条「お願いしちゃっていいですか!?」
美琴「2個くらいでいいかな?わたしもひとつもらおうっと」
上条「御坂センセー。ありがとうございます」
美琴「はいはい」トテトテ
上条「このサラダに載ってるカリカリした細長いものはなんでしょうか?」
美琴「あ、それベーコン。カリカリに焼いたやつを細切りにしたの」
上条「大変美味しいです」
美琴「口にあってなにより」
上条「美味い美味い」
美琴(よかった)ニコ
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美琴「おまたせ。チーズ載せバゲット。熱いから気をつけてね」
上条「いっただきまーす」
美琴「あ、シチュー空っぽじゃない。おかわりは?」
上条「いただいてよろしいのでしょうか?」
美琴「まだたくさんあるから大丈夫よ」
上条「上条さん感激です」
美琴「大げさね。…はい、どうぞ」
上条「サンキュー」
美琴「…」
上条「御坂センセー、いいお嫁さんになれますよ」
美琴「!!」カァッ
上条「いや、ホント。上条さんが保障します」ニコ
美琴「あ、アンタに保障されてもねー」アセアセ
上条「はは、それもそうか」
美琴「…でも、悪い気はしないわね」///
上条「そ、そうか」///
美琴「うん…」///
上条「…」
美琴「…」
上条(き、気まずい)
美琴(実際にあんなこと言えないっ)///
上条「…」
美琴「…あ、あのさ」
上条「お、おう」
美琴「…りんご食べる?」
上条「そ、そうだな。いただこうか」
美琴「はい、あーん」///
上条「!!」カァッ
美琴「あーん…して欲しかったんでしょ?」
上条「…あーん」///
美琴「…もう一つ、どう?」///
上条「…もらう」///
美琴「はい、あーん」///
上条「…あーん」///
美琴(ご、ごまかせたかな?)ドキドキ
上条「…おかえし。あーん」
美琴「う、うにゃ!?」カァッ
上条「あーん」
美琴「…あ、あーん」///
上条「…」ドキドキ
美琴「け、結構恥ずかしいわね。食べさせてもらうのって」カァッ
上条「そ、そうだな!」
美琴「…でも、アンタにされると嬉しいかも」///
上条「え?」
美琴「な、なんでもない!片付けてくるっ」タタタッ
上条「お、おう」
美琴(まずかったかな?)ドキドキ
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上条(さっきの御坂の言葉…)
小さく呟いた御坂美琴の言葉の意味を、上条当麻は測りかねていた。
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美琴「…でも、アンタにされると嬉しいかも」///
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上条(俺にされると、嬉しい…か)///
そう言った少女の頬が赤くなっていたと思うのは自意識過剰だろうか?
上条(参ったな…。完全にいかれちまったらしい)カァッ
少女のことを考えているだけで、なんともいえない気持ちが胸の奥からこみ上げてくる。
上条(しかし、どう説明したものでしょうかね…)ハァ
自分が抱える問題をどう伝えるべきか。
上条(でも、説明しないと始まらないし…)
自分に上手く伝えられるだろうか?
上条(ひかれたりしないだろうか…)
嫌われたくない。そう思ってしまう。
上条(ええい、男は度胸だ!)
片付けが終わり、テーブルの上を拭いている少女を見て、上条当麻は覚悟を決めた。