第一話 俺と女神(天然女)の狂詩曲
幸せな夢を見ている気がする…体全体が優しく包み込まれている夢で、安心できた。
ふと、体を動かそうとしたらなんという事でしょう!全くと言っていいほど動かない。
そんなことをしていると、上下左右の感覚がない空間である多分上の方から声が聞こえてきた。
「さぁ、目覚めなさい。」
なんとまぁお決まりなセリフだ。どこかの某RPGでも使い古された言葉であろう言葉を聞いてしまったらやることは決まっている・・・俺も形式に則るとしよう
「こ、ここはどこなんだ!?」
そう、敢えて乗ってやることだ・・・さぁ、どうかえしてくるんだ?
「ふふっ、ここはあなたの精神世界ですよ。」
なんだかすごく嬉しそう…で精神世界ってなんだ?これは夢だろ?俺疲れてんのかなぁ…
「え~っと、精神世界ってなんすか?」
「ここはあなたの…識名文菜(しきなふみな)君の作り出した夢の一部です。」
つまり夢ってことだろ?じゃあ恰好つけて精神世界なんていう必要なくね…?というより
「なんで俺の名前知ってるんだよ!」
こいつ、さらりと俺の名前を言いやがった…まぁ夢だから出来ないこともないんだろうが念のためだ
「それは当然ですよ、私女神ですし!」
うっわ、自分の事女神とか…痛いやつだな…かかわらない方がいいかもしれない
「そうですか、ソイツは素敵ですね。ではもうひと眠りしてくるんでこれで…」
「ちょっと!露骨に避けようとしないでよ!本当なんだから!」
「はいはいわかってますよ~女神さまぁ~」
「わかりました!証拠!証拠見せますからぁ~!待ってくださいよぉ」
なんだ、いやに食いついてくるな…そこが逆に怪しい
「いいだろう、なら見せてみたまえよ。」
「はい!ありがとうございます!文菜君!」
あれっ?上下関係逆転してね?まぁいいか
「では、文菜君のプロフィール紹介でも致しましょう。」
「いや、なんで俺が自分の紹介を聞かなくちゃいけないんだよ!」
「識名文菜君(16)独身。南奈月学園の高等部の1‐2に所属予定、成績は中の下運動はそこそこできるが得意ではない…」
おいおい…本当に始まっちまったぞ!それにまんま俺だし…
「両親は幼いころに交通事故により他界、現在はアパートで妹と二人暮らし。食費や家賃はアルバイトと保険金で賄っている。」
「わかったよ!認めてやるからそれ以上言うな!」
「はいっ!それは何よりです!」
こいつ天然の類か?人の傷口平気な顔でえぐってきやがって…