バカと愚者と答えの無いテスト   作:夢の鷹

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この小説で使用できる科目。
 基本的にはこの小説が投稿された時点でのセンター試験に準拠した形で設定します。
 国語……現代文・古文・漢文の三つに分割
 数学……数学ⅠA・ⅡBの二つに分割。ⅢCについては、対応科目は日本史・世界史・地理・倫理政     経のうち、第二回答科目に対応。
 英語……特に特徴は無し。
 理科……物理・科学・地学・生物(文理問わず二科目選択)
 社会……日本史・世界史・地理・倫理政経(文系は二科目・理系は一科目選択)
 保健体育……変更点なし。
 家庭科……使用可能
 
 また、テストの形式も二通り用意
 第一方式……情報処理重視の問題形式。時間は二時間で、一問あたりの点数は高くない代わりに、       難問奇問の類は無い。普通の学生はこちらを回答する。
 第二方式……研究型の問題方式。時間は四時間で、一問あたりの点数が高い代わりに、出題される       内容も狂気の極み。Aクラスどころか、教師も敬遠する内容がデフォルトで出題され       る。

 基本的に、全科目で300以上とればAクラスレベルはある。270でB、200でC、150でD、100でE、それ以下がF。BとCの時点で大きな差が在るのが特徴的。



きずなのかたち(割と重要な設定、在中)

Aクラスに試召戦争を仕掛けるか……」

 紀伊國が無表情な顔の上に、複雑そうな表情を浮かべた。神崎も、困惑しているといった表情だ。しかし、ここで折れる訳にはいかない。

 「確かに荒唐無稽に聞こえるかもしれない。しかしだ!お前たちが居れば妥当Aクラスも夢じゃない!」

 思わず話に熱が籠る。戦力的に考えて、どうしても神崎の力は必須だ。Aクラスには翔子を始め、姫路や木下優子、久保利光が控えている。その壁を突破するのに、純粋な力が必要だ。

 「頼む、この通りだ!」

 止めにと、頭を下げる。神崎は押しに弱いと聞く。ここまですれば、神崎は墜ちると踏んでの事だ。……やった後で後悔した。これは一種の暴力行為のようなものだ。断れば、この場の人間から人間性を疑われることになる。そうなると、選択肢は――

 「わ、解りました!解りましたから、顔を……」

 受け入れるしかない。ゆっくり顔を上げる。そこには、完全に狼狽した神崎の顔があった。……思わず、らしくない発言をしてしまう。

 「すまない、無理を言って――」

 だが、これで神崎は――

 

 

 「ふん。本能的に理詰めで行動し、後になってその行為を人間らしく後悔する、か。確かにお前は普通の人間だな、坂本雄二」

 

 

 ……突然、横合いから邪魔が入った。

 「紀伊國……」

 紀伊國は皮肉気に口を歪め、睥睨するように俺を見ていた。

 「人として正しくない行為と正しい感情を抱え込むか……つくづく話通りの人間だな、お前は」

 「何じゃと、もういっぺん言うてみよ!」

 「……仲間への侮辱は許さない」

 「き、紀伊國君!?」

 「あ、えと……」

 秀吉とムッツリーニはあからさまに敵意を見せ、明久と神崎は突然の事態に狼狽し始めた。しかし、それらを全て手で制す。

 「待て、お前ら」

 「し、しかしじゃな……」

 尚も、まだ言い足りなさそうな秀吉を言い止める。

 「いいから、ここは俺に任せてくれ」 

 「わ、解ったのじゃ……」

 「……了解した」

 ふう、やっと落ち着いてくれたか。仲間思いなのは友達冥利に尽きるが、今回に限って言えば不味い。

 目を、紀伊國に戻す。

 「で、話の続きだ。仮に俺がそんな人間だとしてだ、それで何か問題があるか?」

 今、ここで怒りに任せて殴っても益は無い。寧ろ、完全に協力が得られなくなる。そもそも、紀伊國が俺達に良い感情を抱いていない可能性だってあるんだ。去年の俺達の噂を聞いていれば、それも頷ける。自分の身から出た錆だ。それは受け入れるしかない。だが、明久達に対する侮辱は許さない。返答によっては……

 

 

 「いや、寧ろ合格だ。ここで良心の呵責を憶えないような奴なら、即座に見限っていた所だ」

 

 

 ただじゃおかない……!って、ちょっと待て!

 「うん?何かおかしな事でも言ったか?」

 「「「おおありだ(じゃ)!!」」」

 「なんで前半と後半で内容がガラッと変わってんだよ!」

 「……酷い誤解をした」

 「見抜けなかった、じゃと……!?」

 目の前の人物を改めて見る。やはり、皮肉気に笑っていることに変わりは無いが、その眼は穏やかで、不思議と邪気は感じられなかった。

 「いや、だから聞いた通りの話だと言っているだろうが。頭の回転が速く、情にほだされない実行力がありかつ、人としての真っ当な感性を備えた人物だと。欠点を挙げるとすれば怒りの沸点が低いところだが、それさえも魅力になる不思議な人物と」

 ……………………。長い沈黙が流れた。「明久、神崎と一緒にオランジーナ買ってきてくれ」全員唖然としている中、寂しく紀伊國の声だけが響き渡った。

 「なあ、紀伊國」

 「友康と呼べ。下の名前の方が気に入っている」

 「……友康。お前、ひょっとして俺達の事を嫌ってはいないのか?」

 話し方から、こいつは去年の俺たちの行為を聞いて嫌っているのではと考えていたのだが。

 「は?ああ、お前達に流れていた噂の事か。………馬鹿が。何を言っているのだか……。なぜ、見た事のない相手を風評だけで判断しなければならん。俺は自分で見聞したこと以外信じん」

 「は、はは………」

 思わず、口から狂人のように笑いが洩れる。勘違いは俺の方だった。勝手に自分たちを貶めて、勝手に傷つく。本当に馬鹿じゃないか。それを満足げに見ながら、紀伊國はよく通る綺麗な声で言葉を紡いだ。

 「この数分でよく解った。お前たちは、

 

 

  仲間想いなだけの、ただの馬鹿どもだよ」

 

 

 喋っている内容は辛辣なのに、なぜか一切の嫌味を感じなかった。いつもの皮肉気な笑いがなりを潜め、代わりに穏やかな、まるで孫を見る老人のような落ち着いた笑みを浮かべていたからかもしれない。あるいは……

 「俺には、どれ程望もうが決して決して手に入らない輝きだ………絶対に捨てるな」

 一瞬だが、酷く寂しげな表情を見てしまったからだろう。

 ……しかし、これだけははっきり言っておかなくちゃいけねえ。

 「何を言っているんだかな。なあ、秀吉」

 「おうじゃとも。とっくに手に入れているというのに、気付かんとは……とんだバカじゃな」

 「……理解不能」

 全員、やれやれと言った風に溜息をつく。この場に明久もいれば、俺達と同内容の事を言っただろう。

 「……正気か?俺の厄介な性格を考慮して、そのうえで友人と言うか?」

 いつものニヒルな表情に、初めて見せる表情、戸惑いをかすかに塗って応じる。

 「残念ながらわしらはバカなんじゃ。これと信じたものは、そう簡単には揺るがんわい」

 男らしく、秀吉が胸を張る。

 「……俺のテストの点を期待しているのか?だったら他をあたることを勧める。科目によっては、このクラスに相応な点数しか取れておらん」

 「……俺の事を言っているのか?」

 ムッツリーニが手を差し伸べる。

 「……だが、俺は協調性など皆無だぞ?」

 「安心しろ。このクラスに限ってはそれで正解だ」

 俺も手を差し出す。

 「わし等と一緒に、一年バカ騒ぎするのも面白いかもしれんぞ?」

 そして、秀吉が手を差し伸べた。後は――

 「拒否権は、無い様だな。――良いだろう。俺も、そのバカ騒ぎに付き合ってやる。……迷惑をかけたな」

 そう言うと、最後に友康が手を差し伸べた。 

 『お待たせ~。って、なんか凄いことになっているね』

 『ほ、本当だ……』

 「おう、明久に神崎。お前たちも早く来い。……打倒Aクラスの前夜祭だ」

 

 

 

 ここに六つの手が重ね合わされた。

 

 

 

 「これより、対Dクラス・宣戦布告の使者を決める!須川、お前の出番だ」

 あの日から三日後、僕たちはDクラスに試召戦争を挑むことになった。当然、死者(*誤字にあらず)には居なくなっても問題の無い人が(というか、作戦上障害になりそうな人物)が選ばれる。

 「い、嫌だ!下位クラスからの宣戦布告の使者は酷い目に会うんだろ!?」

 「安心しろ。Dクラスは美少年好きの――」

 「須川亮、行きます」

 雄二の話を最後まで聞かずに、須川君はドアの向こうに消えて逝った。

 「――ホモが多い」

 ちょ!?嘘でしょ!?一気に吐き気が込み上げてきた。クラスのみんなも顔が青ざめている。

 「冗談だ、明久。適当に出任せを言っただけだ」

 「な、なんだ驚かさないでよ……」

 HAHAHAとクラスの至る所から笑いが洩れる。

 「……明久」

 「あれ、紀伊國君。どうしたんだい、顔を真っ青にして」

 苦い顔をしながら、こっそり紀伊國君が僕にだけ聞こえるような声で喋ってきた。

 「坂本の言った内容、本当だ」

 「……マジ?」

 「昨日、敵情視察に行ったら襲われかけた。……男に」

 

 

 

 「どうしたのじゃ、明久。いきなりトイレに駆け込んで」

 「さあな、それより作戦を説明するぞ。全員聞け」

 

 

 

 「まあ、と言っても美少年に限るがな。奴らの守備範囲もそう広くは無いだろう。恐らく須川程度なら『アーー!』坂本お!作戦変更だ!!」

 

 事態は急展開を迎える……のかな?




次は戦闘シーン。あまり、過度な期待はしないで下さい。絶対だよ。絶対ですよ!!
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