ポケットモンスターoriginal   作:Mr,J

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ホウエン地方に旅立った筈のセレナ、気が付くと病室のベッドの上にいた彼女…
一体セレナに何が起きたのか?


第1話

樹木の丸太をそのまま繋ぎ合わせて作られた建物ログハウス。長閑な丘の上にひっそりと佇み、深い深緑に包まれた森林と何処までも続く広大な山岳を背景に置いた風景、まるで中世の世界がそのまま現代に蘇ったかのようにも思えてしまう景色の中、セレナは小さな病室の窓から外の景色を眺めていた。

 

窓ガラスがあり、陽射しを遮る薄く半透明の生地のカーテンが風に靡いている。セレナは室内に目を向けると、天井には照明器具があり室内が明るく灯されている。ベッドの周囲には外から見られ無いようにする為の白いカーテンが設けられているが…今はカーテンが引かれていない…。

 

自分が何故、今この様な場所にいるのかセレナは分からなかった。とりあえず起きて、部屋を出ようと思い、身体を起き上がらせよとした時、全身が激しい激痛の悲鳴を上げる。

 

「イタタ…」

 

まるで全身が鉛のように重く感じ、何も出来ずにそのままベッドの中に沈み込んでしまった。少し身体を動かしただけだが、ハアハア…と息切れをしてしまう。

 

意識が朦朧として、少し休もうと夢うつつの中、ふと…気付いて外の景色を見ると真上にあった陽射しは傾き、辺りにオレンジ色の輝きを放っていた。

 

知らないうちに時が過ぎている事を感じたセレナは、自分の身に何が起きたのか、これまでの出来事を頭の中で整理して思い出す。

 

少し前にセレナはホウエン地方の空港に着いた。空港内にあるインフォメーションセンターで近くのポケモンセンターの位置情報を聞き、ポケモンセンターへと向かい、そこで一夜を過ごした。

 

翌日、ポケモンセンターでホウエンで開かれるポケモンコンテストの情報を得て、隣街にあるポケモンセンターで登録手続きが行えると知り、隣街へと向かう事に決めて出発した。

 

その後…森の中を歩いている頃、陽が沈み、さらに雲行きが怪しくなり次第に雨が降り出し、次第に大粒の豪雨になり慌てて走り出すセレナは目の前視界が良く見えない状態で走り続け、視界不良のせいで崖から転落したのだった。それ以後の記憶がセレナには無かった。

 

「私…助けられたんだ…」

 

自分の現状を把握してセレナは、命が救われたと分かって自然と涙が溢れて来た。自分がどの位の時間眠っていたのか…、自分の身体や顔は無事なのか?誰が自分を助けてくれたのか?気になる部分を挙げればキリが無かった。

 

部屋のドアが開く音が聞こえて誰かが入って来た。セレナはそちらに視線を向ける。目の前に現れた人物は、背丈が高く肌が少し地黒で、黒い短い髪の中年の男性だった。

 

彼はセレナが目を覚ましているのに気付くと嬉しそうに笑みを浮かべてセレナに近付く。

 

「気が付いたんだね、良かったよ」

 

「あなたが助けてくれたのですか?」

 

「まあ…助けた…と言うか、治療を施したのは僕で、君を見付けたのはこの子なんだ」

 

そう言って男性は自分の側にいる茶色白の毛皮がトゲトゲした模様のポケモン『ジグザグマ』だった。

男性がジグザグマの頭を優しく撫ぜるとジグザグマも嬉しそうな表情を浮かべる。

 

「この子が川辺で倒れている君を見付けたんだ。もし…発見が少し遅かったら命の危険さえあったかもしれない状態だったんだよ君は…」

 

「そうでしたか、命を救ってくれてありがとう…ジグザグマもありがとうね…」

 

ジグザグマは嬉しそうに答える。

 

「君に付いて色々聞きたい事があるのだけど、いいかな?」

 

「ごめんなさい…私…少し疲れたみたいです。お願い…少し休ませて…」

 

そのままセレナは、瞳を閉じて夢の中に入ってしまった。

 

 

どれだけの時間が経過したのか不明だった。再び目を覚ますと、少し景色が違っている様に感じた。窓ガラスの側に花瓶に入った綺麗な花が置かれている。ベッドの横には可愛らしいポケモンのヌイグルミが置いてあった。耳を済ませるとドアの向こうで人の話し声が聞こえた。

 

腕を見ると、前の時よりも包帯のが少なく、身体も少し軽い感じがした。セレナは自分の顔の確認が見たくて、ベッドから少し離れた位置に置いてある自分のバッグを見付け、ベッドから降りて取りに行こうとした。

その瞬間、ベッドから降りたセレナは立ち上がれず、床に倒れてしまった。

 

(あれ?おかしいな…何で立てれないの…私?)

 

腕や足に思うように力が入らない。それどころか身体全体が上手く動かない、僅か数歩の距離がセレナには、物凄く遠く感じた。

 

「ハアハア…」

 

汗が流れ出し息切れが激しかった。全身に激痛が走り、耐えきれない状態で、半分パニックに陥っていた。

 

(とにかく、ベッドに戻らなくては…)

 

そう思ってベッドのシーツを掴んでベッドに戻ろうとしたが、身体が震えて指が動かなず、掌で掴んだシーツがスルスルとベッドから抜けてセレナの上に落ちて来た。

 

(お願い…誰か助けて…)

 

掠れる程の声でセレナは助けを求めた。

 

「あなた何をしてるのですか?」

 

後ろから声が聞こえて顔を見上げると白衣に身を包んだ女性の姿があった。

救いの手が届いた事に安堵したセレナは、そのまま気を失う。

 

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