ジョジョの奇妙な冒険 第5部外伝〜真実への探求〜 作:京都府南部民
見直して怖くなってきました(笑)
「全くあの時は本当にビックリしましたよ」
「何を言う、おかげで君がいるんじゃあないか」
イタリアのネアポリスにある公衆電話で藍色を基調とした迷彩色のスーツを着た男性が自分の上司にあたる人物に電話をしている
スーツの男は『ボニート・E・ゼルビーニ』
電話の相手の上司は『ポルポ』
この二人は世間で言う「ギャング」の仕事をしている
所属組織は『パッショーネ』
イタリアの言葉で情熱を意味しているこの組織だが、麻薬や強引な地上げなどで運営資金を貸せでいる為、ある意味情熱とはかけ離れている事をしている
「ははは、違いねぇ……そういや、この前頼まれた仕事終わりましたよ」
「ブふぅ~、報告を聞こう。どうだった?」
「結果から言うと成功ですが、見積もってた以上に金を使いましたね…ざっと3000万」
ボニートは今まで二次組織からの麻薬購入の交渉にあたっていたのだ
麻薬の売価というのは変動しやすく、買えるときに買わないとそれこそ大損をこく場合もある
その交渉によりおよそ500kgの麻薬が手に入る事が確約されたのだが、向こうが金額を渋り始めたので仕方なく自分のポケットマネーを出したのだ
組織としては笑顔ホクホクだがボニートからすれば損な話である
「分かったよ、上と話をつけて君の口座に振り込んでおくよ。……そう言えば、この前君宛に請求書が2通ほど来ていたが?」
「経費で落としといてください」
不意に後ろを見ると人が3人程並んでいた
公衆電話だから3人とも分かっているのか不満のある顔はしていないが時計を何度も確認している者がいる
「あ~ポルポさんすいません。人並んでるんで続きは事務所からで良いですか?」
「ん?あ~分かった分かった。だが早くしてくれよ、刑務所は安全だが不自由な面もあるからねェ~、まったくサービスを上げてもらいたいものだよ」
「へいへい、体重減らしたらサービス上がるんじゃないンですか?」
「3000万は私が癒着しておこう」
「え!?ちょっと待って……」
ガチャン
電話の切れる音がしてボニートは鞄を持ちうなだれながら公衆電話を後にする
彼の貯金からして3000万はさほど痛い出費ではないが蓄財家のボニートにとっては頭を悩ませる
その総資産何と1億
マフィアと言うのは法外な取引で大金を得る事もあれば、大損する事もある
一般人より上の生活もできれば下の生活を送ることもある
ボニートはどちらかと言うと1億の財産を持ってはいるがマフィア全体で見ると中の上ぐらいである
幹部クラスのポルポは十数億の資産を持っている
「そういや最近減りが早くなってきたな…(一か月食費抜き生活始めるか)」
二度言おう、ボニートは蓄財家である
別に金が全てだとか第一だという思想は持っていないが蓄財家である
ただ単に使うべき時が来た時の事を考えて必要以上の出費をしないだけで、「貯めるだけの吝嗇家ではない」とボニートは語っている
ホームレス時代の苦々しい経験から金を上手くやりくりしないと生き残れないという思想なのだ
現にポルポの部下で経理係だった者が適当な数字で売り上げを報告しに行った時、彼が経理の事務所に怒鳴りこみ正確な数字をポルポに提出している
「仕方がない……サイドビジネスで賄うか」
ボニートに限らず多少の収入のあるマフィアは本職とは別の副職をしている
ある者はレストランを経営しているし、またある者は塗装業を営んでいる者もいる
ボニートは不定期ではあるが運送業を営んでいる
自分でデザインした「bonito」の文字を描いている10tトラックで運搬している
「無いとは思うが……」
事務所への道から銀行の道へと切り替える
この地点から銀行に行くのは少々遠いが彼にそんなものは関係ない
~数分後~
「ウソ!あった!3000万あった!」
周りの人物から奇異の視線で見られている事などお構いなしにボニートは喜びの声を上げる
彼がいるこの銀行は、そこいらの民間人が出入りしているような銀行ではなく、小さな会社の社長や大手企業の部長クラスの人間が出入りしている銀行なのでボニートの「3000万」の単語は聞きなれているのか自動ドアの前で電話をしている者もいれば、適当な雑誌を読んでいる着飾った女もいる
「(ポルポさん事だから半ば諦めかけていたが…ついてるぜ)」
ニヤニヤしながら彼は通帳を鞄の中に入れる
周りを見渡して時計を見る
時間は「10:00」を示している
「(時間もあるし、トイレ行ってくっか)」
鞄を腕に抱えトイレの個室に入る
この時点では彼は「ギャング」・「マフィア」と呼ばれる類とは言えない
しかし彼はまぎれもない、れっきとした、誰が何を言っても、正真正銘の、折り紙つきの「マフィア」・「ギャング」である事には変わりは無いのだ
~地下水道~
「よし、今より作戦を決行する」
「同志諸君、健闘と生還を祈る」
「「「「「Credere!obbedire!combattere!」」」」」
「イタリアは何度でも復活する
ファシストは何度でも復活する
戦争は何度でも復活する
国家に命捧げる兵士諸君
『ローマ進軍』まではまだ遠い
現在は資金を優先的に確保するのだ」
ただ一人の指導者によって黒シャツを着た兵士たちは銃器を掲げ、自分達の「祖国」の旗を掲げる
「正義の為には法律を犯すことも許される。そのとき暴力は武器となり、正義となるのだ。」
――――ベニート・ムッソリーニ――――
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