ジョジョの奇妙な冒険 第5部外伝〜真実への探求〜   作:京都府南部民

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今回は初めての一人称視点です。
果たして、吉が出るか凶が出るか……

それでは、どうぞ


第4話 イタリアン・ラプソディ①

Bonito 

 

 

「え~と、確か改築費がこれだけだから、残りは次の事業の資金に充てて……」

 

電卓の作業は別段嫌いなものじゃない

紙に筆算で計算するよりかは楽だし早い

今、俺ことボニート・E・ゼルビーニは晴れて幹部に昇進し、新たな土地にて事務所を貰ったのだが、現在その改築に向けて予算を練り上げている

 

「今月の収入から色々差っ引いたとして……出来た」

 

電卓に映し出された数字を今度はパソコンを使い、キーボードで打ち込んでいき、予算案の原案を制作する

出来上がったのを何度も読み返し、誤字脱字が無いかを調べる

 

「うん、大丈夫だな」

 

Invioと書かれたキーボードを押し、椅子に深くもたれかかる

不意にカーテンを開き、外を覗く

町はいつもと変わらず陽気に過ごし、その平和を謳歌している

 

「良きかな、良きかな」

 

俺もその平和を謳歌しよう

そうだオペラを聞きながら昼寝をしよう

そんな事を考えながら、簡易ベッドに寝転ぼうとすると……

 

 

 

ジリリリリリリリリリリリ!

 

 

 

「蛸は待っちゃくれねぇか…」

 

上司(ポルポさん)の電話はどうにも断れない

 

 

 

 

~3時間後~

 

「はい、これ。この前言ってた予算案です」

 

「ん」

 

ポルポさんは、いつもと変わらず刑務所内の一室に寝転びながらスナック菓子を食べていた

牢屋の壁に穴が開き、そこから資料を渡す

 

「ちょっと多くないかい?」

 

「あんたらがちゃんと管理してたらこんな額にはなりませんよ!」

 

俺は怒号をまき散らしながら、ポルポさんに勢いよく詰め寄る

しかし防弾ガラスが邪魔をして、顔を押し付けるだけになってしまう

ポルポさんは、そんな様を見て少し鼻で笑った

 

「仕方がないじゃぁないか。あそこは元々我々の土地では無かったんだよ?それに警察との癒着関係が記者どもに嗅ぎつけられてね……それで急遽、あのボロ事務所を買ったんだよ」

 

「ボロ事務所!?それ分かってて、俺を派遣したんですか!?」

 

「私の自費で買ったんだよ?200万と安かったがね」

 

「俺も刑務所暮らしがしてみたい…」

 

もうこれ以上反論しても誤魔化されるだけなので、諦めて肩をがっくりと落とす

 

「まぁ、この予算は何とかして通してみるよ。あまり高望みしないほう良いと思うけどね」

 

「言われなくても分かってますよ…」

 

「拗ねるな拗ねるな」

 

ガラス越しだがポルポさんが背中を叩いてくれるのが分かる

何でこういう細かいとこだけ気を遣うんだろう

もうちょっと他の事に気を配りゃあ良いのに

体重とか

 

「……あ、そうだ」

 

ポルポさんは何に閃いたのか、クローゼットの小物入れを開き中をあさり始めた

 

「はい、これ」

 

俺に渡されたのは写真だった

写真には金髪に青い服をきた少年が移っている

髪型も特徴的だが、何より写真からでも伝わる独特の風格が視神経を通して刺激される

 

「新入りですか?」

 

「うん。名を『ジョルノ・ジョバァーナ』」

 

「名前に太陽がつくたぁ……よろしい事で」

 

なるほど髪型もさることながら、名前も大層なもんだ

しかし……

 

「で、こいつがどうかしたんですか?」

 

長くこの業界にいて分かるが、この手の奴はゴロゴロいる

自分を大きく見せたいと思っているのかは分からんが、他人とはちょっと変わっていますよとアピールしている若者は沢山いる

何度かポルポさんの採用試験の合格者を見た事がある

どいつもこいつも中々の曲者だった

合格者は正真正銘の『曲者』だった

このジョルノという少年も『曲者』なのだろう

マフィアと言う仕事もさることながらスタンド使いである以上、相手の特異性は見ただけで分かる時もある

 

「監視だよ」

 

「監視?」

 

「うん。最近の若者がどのようにして採用試験を通ってくるか見てみたくなってね……」

 

「黒服連中に任せりゃいいじゃないですか……」

 

「いやいや黒服達は別の用事があってね、席を外しているんだよ」

 

黒服達と言うのは、ポルポさんが独自に雇っている連中だ

俺の次にポルポさんが『信頼』している連中だ

……少々、根暗だが

 

「そういう訳で君にやって貰いたいんだよ」

 

「………………」

 

「一応、給金は出すよ」

 

「そいつはどこにいるんですか?」

 

 

 

 

 

~~

 

「(最近アクション映画のやりすぎの様な気がする)」

 

ジョルノ・ジョバァーナ追跡の為に、建物の屋上を飛び移りながら監視する

双眼鏡に写るのは件の青年『ジョルノ・ジョバァーナ』とポルポさんのスタンド

『ブラックサバス』

どうやら戦闘をすでに始めているらしく、ブラックサバスの回転蹴りがジョルノを襲っていた

案の定だとは思っていたが、ブラックサバスの攻撃に反応している限りジョルノもスタンド使いだというのが分かる

 

「相変わらず悪趣味なスタンドですこと……」

 

影から現れて影に消える

ライターさえうまく扱えば、暗殺・窃盗なんでもござれ

それが『ブラックサバス』

 

「やっぱりあれか……本体の性格に似るのかな」

 

ぼやいているとジョルノの動きに変化が見られた

いや避けている事には変わりないのだが、ブラックサバスの動きを見定めているように見える

 

「そろそろ動きだすかな?」

 

予想的中

ジョルノの背後より揺らぎが生じ彼のスタンドであろうものが現れる

その姿は正にてんとうむしを彷彿とさせる

ブラックサバスはジョルノのスタンドを視認したのかバックステップで距離を取った

なるほど見事な洞察力だ

ジョルノはブラックサバスの能力を理解したのか建物の影から離れるようにしている

しかし……

 

「影からは逃げられんぜジョルノ君」

 

カラスだ

カラスの影からブラックサバスが現れ、ジョルノの首を絞めようとした

何とかかわしたようだが、その際に良い蹴りを一発貰ったのか腕を抑えている

 

「…………」

 

興味深い

非常に興味深い

焦りと冷静を同時にこなしているように見える

単なる冷や汗か覚悟の汗か

非常に興味深い

 

その一瞬だった!

 

「ブラックサバスが浮いた?」

 

いや、浮いていない

あれは『持ち上げられている』ッ!

木が生えている!猛烈なスピードで木がブラックサバスを持ちあげているんだ!

持ち上げられたブラックサバス。ブラックサバスは日光に弱い!

ジョルノはそれに気付いたのか!

 

「手に汗握るたぁ正にこの事。良いね良いね」

 

ここまで昂ぶったのは久しぶりだ

やはりこの『仕事』は止められない

しかしもうそろそろ終わりだろう

スタンドの弱点がばれた以上、戦いは長く続かない

 

―――アァァァァァァァアアアアアア!―――

 

ブラックサバスの断末魔だ

仕事が終わったので屋上から撤退する

 

「ジョルノ君、入団おめでとう」

 

 

 

 

 

 

 

ようこそ『パッショーネ』へ…………

 

 




誤字脱字・おかしな表現がございましたら、感想にてご報告下さい。


ちなみにサブタイトルは特に考えていません。
頭の中で「語呂がいいな」と思ったものを書いているだけです。
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