ソードアート・オンライン ある少年の歩んだ軌跡 作:アゲハ蝶
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楽しんでいただけると幸いです。
第1層
鈍色に光る剣尖が、オレのすぐ隣を通り過ぎた。
同時に、背中をひんやりとした不快な汗が流れる。
敵が再度攻撃するよりも早く、オレはバックステップを踏み、距離を取った。
正直な所、オレはどうも近接戦闘があまり合わないらしい。
出来るには出来るが、やはり合わないのは合わないのだ。
仕方がない、オレより強い奴がいるしソイツと交代すべきだろう。
「キリト、スイッチだ!オレは後方から援護する!」「おう!」
それと同時に、まずはキリトが自慢の片手剣で攻撃を仕掛ける。
左から右に剣を振りぬく。だがそこで止まらず、今度は右から左肩に向けて切り裂く。仕上げに回転し
ながら右から真横に一直線に薙ぎ払う。水平4連撃ソードスキル、《ホリゾンタル・スクエア》。
計四回の連撃により、モンスターの頭上に表示されているHPバーを一気に半分以上削った。
しかし、これではまだ倒していない。
なので、オレは相棒であるこの弓で矢を放つ。
狙いを定め、十分に引き絞る。
狙いは急所である心臓!!
「はっ!!」
オレの気合と共に放たれた矢は、寸分違わず敵の急所である心臓に一直線に向かった。
長い断末魔を撒き散らしながら前に倒れていく緑色の巨躯が、あまりに不自然な角度でぴたりと静止し―――。
ガラスが砕け散るような大音響と共に、微細なポリゴンの欠片となり、消滅した。
ふと時刻表示を見ると、既に午後3時を回っていた。そろそろ迷宮を後にしないと、街に帰る前に日が暮れてしまう。
「帰るとするか、キリト」
「そうだな、ナオト。もうくったくただ」
1日分の《攻略》の終わり。
今日もオレ達はどうにか死神から逃れられた。
しかし、ねぐらに戻り、短い休息を取れば、すぐに次の戦いが待っている。
いかに安全マージンを取っていても、こんな危ない橋を渡り続ければ、いつかは運命の女神とやらに愛想をつかされる時が来る筈だ。
問題は、その時が来るまでに、この
確かに、生きる事を最優先にするならば、安全圏である街に引きこもり、誰かがクリアするのを待てばいい。
しかしそんな事をせず、こうして最前線で戦い続けるあたり、オレは大馬鹿野郎であるに違いない。
だが、そんな事をしている大馬鹿野郎はオレの近く、というか隣にもう一人いる訳である。
そんな割とどうでもいい事を、オレは親友でもあり、戦友でもあるヤツと一緒に迷宮区の出口を目指して歩き始めながら、考えていたのであった。
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