その日、ハルヒは可愛かった   作:神納 一哉

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過去に創作板に書いたものを加筆・修正しています。


2 ハルヒ「おはよう」ムスッ

 

キョン「ハルヒ。おはよう」ニコ

 

ハルヒ「おはよう」ムスッ

 

キョン「…どうした?元気ないみたいだけど」

 

ハルヒ「別に、なんでもない」ムスッ

 

キョン「…」

 

ハルヒの奴、なんか機嫌悪いな。

 

キョン「…なあ、谷口」

 

谷口「おう、どうした?キョン」

 

キョン「ハルヒって機嫌悪いのか?」

 

谷口「は?涼宮はいつもあんな感じだろ?」

 

キョン「そうか」ショボン

 

谷口「おいおい、なんだよ。喧嘩でもしたか?」

 

キョン「いや、なんでもない」

 

谷口「そうか。まあ、がんばれ」ニヤリ

 

キョン「…ああ」

 

元の世界に戻ってしまったのか…。

 

はぁ…。

 

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授業中

 

キョン「…」ハァ…

 

ハルヒの奴。可愛かったなあ。

 

あの上目遣いは反則だ。うん。

 

キョン「…」チラリ

 

ハルヒ「…なによ?」ムスッ

 

キョン「…なんでもない」

 

ハルヒ「あ、そう」

 

ハルヒはそのまま窓の外に視線を向け、グラウンドの真ん中当たりを意味も無く眺めている。

 

俺をキョン君と呼んで半歩後ろからおずおずと付いて来たハルヒ。

 

谷口に『麗しの涼宮』と呼ばれていたお淑やかなハルヒ。

 

そんなハルヒは、ここにはいない。

 

キョン「…」ハァ…

 

お淑やかなハルヒはそれはもう可愛いかった。

 

それはもう反則的なぐらいに。

 

朝起きてから学校に来て、元の世界に戻っていることに気がついたとき、がっかりした。

 

あの世界では、俺はハルヒと付き合うことになっていたのだから。

 

…まあ、俺がハルヒのことを好きだということに改めて気がついてしまったわけなんだが。

 

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昼休み

 

ハルヒ「キョン。ちょっと…」グイッ

 

キョン「なんだよ、引っ張るなハルヒ」

 

ハルヒ「うるさい。黙って付いて来る」グイッ

 

キョン「へいへい…」ポリポリ

 

チャイムが鳴るや否や、ハルヒは俺の腕を引っ張って教室を出ると、そのままずんずんと進んでいく。

 

階段を上り、屋上の扉の鍵を開け、屋上に出る。

 

そこで俺はやっと牽引ハルヒから解放された。

 

やれやれ、一体なんだっていうんだ?

 

ハルヒ「…」オイデオイデ

 

キョン「?」

 

ハルヒは俺を手招きする。すぐ目の前に立っているのにもかかわらずだ。

 

キョン「なんだよ…」テクテク

 

ハルヒ「…」トンッ

 

キョン「!」

 

…え!?

 

ハルヒが俺の胸に顔を埋めてきた。

 

ハルヒ「…馬鹿」ボソッ

 

キョン「なんだよ、いきなり」

 

ハルヒ「朝のことよ。微笑みかけるのは反則でしょう?あたしたち付き合ってるのばれちゃいけないんだから」ムスッ

 

キョン「!」パァァァ

 

やばい。顔がにやける。

 

俺たち付き合うことになってるのはそのままなんだ。

 

ハルヒ「…なによ、にやけて」

 

キョン「スマン。嬉しくてな」ニコッ

 

ハルヒ「!な、なによ急に」カァッ

 

キョン「…いいだろ?ふたりきりだし」

 

ハルヒ「…それはそうだけど…」カァッ

 

キョン「屋上って穴場なんだな」

 

ハルヒ「うん」

 

キョン「そっちにいれば誰か来てもすぐには見つからないしな」

 

ハルヒ「あ、そうね」

 

キョン「とりあえずそっちに行くか」

 

ハルヒ「うん」ニコッ

 

キョン「…」ズキュゥゥゥン

 

おいハルヒ、その微笑みは可愛いすぎるぞ。

 

ハルヒ「でね、約束のお弁当、持ってきたよ」

 

キョン「楽しみだ」ニコッ

 

ハルヒ「ふふ。感謝しなさい」エヘン

 

キョン「めっちゃくちゃ嬉しいぞ。ハルヒ」ニコッ

 

ハルヒ「えへへ」ニコッ

 

キョン「じゃあ、いただきます」

 

ハルヒ「はい。召し上がれ」

 

キョン「…」モグモグ

 

ハルヒ「…」ジー

 

キョン「うん、うまい!」ニコッ

 

ハルヒ「…」パァァァッ

 

キョン「うまいうまい」パクパクモグモグ

 

ハルヒ「…よかった」ニコッ

 

キョン「ハルヒも食べないと」

 

ハルヒ「うん。いただきます」

 

キョン「うまいぞ~」パクパクモグモグ

 

ハルヒ「…えへへ」ニコッ

 

キョン「ごちそうさま」ニコッ

 

ハルヒ「おそまつさまでした」

 

キョン「…」ジー

 

ハルヒ「…」モグモグ

 

キョン「…」ジー

 

ハルヒ「…そ、そんな見ないでよ」カァッ

 

キョン「スマン。可愛くてな、つい」

 

ハルヒ「ば、馬鹿」カァァッ

 

キョン「ははは」

 

ハルヒ「…見られてると、食べられないじゃない」カァァッ

 

キョン「気にするな」ニコッ

 

ハルヒ「…もう」

 

…やばい。可愛い。

 

キョン「…あー、ハルヒ」

 

ハルヒ「…なによ」モグモグ

 

キョン「早く食べてくれ」

 

ハルヒ「むー。無茶言うな」モグモグ

 

キョン「それでも、がんばって食べてくれるところが可愛いぞ。ハルヒ」ニコッ

 

ハルヒ「…」カァッ

 

キョン「…」

 

ハルヒ「んぐ、んぐ…。ごちそうさまっ」

 

キョン「おお、頑張った」

 

ハルヒ「まあね」エヘン

 

キョン「あー、それでだな、ハルヒ。ものは相談なんだが」

 

ハルヒ「なによ?」

 

キョン「俺としてはデザートが欲しいんだが」

 

ハルヒ「え?じゃあ購買で何か買ってくる?」

 

キョン「…わからないか?」

 

ハルヒ「だって甘いもの欲しいんでしょ?」

 

キョン「…あー、その、多分甘いものならあるんだ。…俺にとっては」

 

ハルヒ「は?」

 

キョン「…お前の唇」ボソッ

 

ハルヒ「は?はあああああっっ!?」カァァァァッ

 

キョン「いや、甘そうだなって思ってな」カァァッ

 

ハルヒ「な、何言ってるのよ!馬鹿キョン!!」カァァッ

 

キョン「うん、ちょっと調子に乗りすぎた。スマン」ショボン

 

ハルヒ「そうね。罰が必要だわ!歯を食いしばりなさい!」スッ

 

キョン「へいへい…」ギュッ

 

ハルヒ「…」チュッ

 

キョン「!」

 

ハルヒ「へへ。あたしが甘いもの貰った」ニコッ

 

キョン「…自分だけずるいぞ」

 

ハルヒ「…じゃあキョンもデザート、食べる?」

 

キョン「…ああ。いただくとするか」

 

ハルヒ「…はい」スッ

 

キョン「…」チュッ

 

ハルヒ「…」チュッ

 

キョン「…ハルヒ」

 

ハルヒ「…なに?」

 

キョン「…好きだぞ」

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