最強のキャスター呼んだら最強の人形師がやって来た 作:雪希絵
これで時間に間に合うタイミングがわかりました!
これからは今日と同じ時間から書き始めたいと思います!
では、ごゆっくりどうぞ!
住宅街を抜け、近代的な駅前までたどり着いた。
喫茶店のあった辺りは本当に家しかないらしく、せいぜい柳洞寺というお寺があるくらいだそうだ。
反面、駅前は本当に栄えている。
俺たちはそんな街中を佐伯さんの案内で回り、今はベンチで休んでいるところだった。
もう、辺りはすっかり暗い。
「佐伯さん、コーヒーで良かった?」
「はい。ありがとうございます」
自販機で買った飲み物を三人に配り、俺もベンチに座る。
ちなみに、セイバーは佐伯さんの横に立っていて、その佐伯さんの隣がキャスター。
その隣に俺という配置だ。
「甘っ……」
「缶の紅茶なら仕方ないわ」
自販機で買ったホットの紅茶を一口飲むと、練乳と砂糖による凄まじい甘さが口に広がる。
とはいっても、炭酸とかコーヒーは苦手だし、自販機で水を買う気にもならないのでこれしか無かったのだが。
おしるこかコーンスープを話しながら飲むってのも嫌だしな……。
「というか、二人とも本当に紅茶が好きなんですね」
「まあ、母さんので影響でな。下手すると水より飲んでるかも」
「薫の血は紅茶で出来てるんだね」
「いやそれはないだろ……」
ため息をつき、また一口。
やはり甘いが、よくよく考えると疲れた体にはちょうどいいかもしれない。
「さて、これからどうするか……」
「私はひとまず、セイバーの回復に務めたいです」
「ああ、まだ怪我してるのか」
「戦えなくはないけどね。やはり万全にしておくべきだから」
「それなら、マスターのお母様にお願いしたらどうかしら?」
「ああ、なるほど……」
母さんは薬を作る魔術を習得している。
その腕は恐るべきもので、完成度の高いポーションなら、全治半年の怪我でも一週間で治る。
「たしかに、母さんならサーヴァントの治療薬も作れそうだな。頼んでみるか」
「すみません、ありがとうございます」
「共闘するって決めた以上、セイバーの回復は俺たちにも関係あるからな。ひとまず、これでも飲んでくれ」
俺はポケットから試験管を二本取り出す。
中に収まった緑の液体は、俺用のポーションだ。
「サーヴァント用に調整されてはいないだろうが、飲まないよりはマシだろう」
「助かるよ。ありがとう」
そう言い、セイバーはコルク栓を抜き、なんの迷いもなく飲み干した。
「……毒とか疑いもしないんだな」
「今日の交流だけで、君がそんなことをする人ではないことがわかっているからね」
「そーかい。信頼してくれてどうも」
なんだか照れくさくなり、肩を竦めてそっぽを向く。
「セイバー、調子はどう?」
「すこぶる良くなったよ、マスター。だいぶ体が軽くなった」
「なら良かった。帰り道に家によってくれれば、もう少しいいやつが……」
そう言おうとした時、キャスターがくいくいと袖を引っ張った。
「ん?どうしたキャスター」
「偵察用のプロイが帰って来たわ。サーヴァントを見つけたみたいね」
「!」
どうやら新たなサーヴァントを見つけたようだ。
「どこだ?」
「向こうにある、大きな公園よ。しかも、二騎いるわ」
「戦闘中……ということですか?」
「恐らく」
そういえば、これはバトルロイヤルみたいなものだった。
この街の中で出会ったサーヴァントとマスター同士が争い、最後まで勝ち残る。
自分たちが当事者ではない戦闘も当然起こる。
「薫さん、どうしますか?」
「……行こう。なるべく見つからないようにして、探れるだけ情報を探る」
「そうだね。情報を手に入れるまたとないチャンスだ」
「行きましょう!」
そうして、俺たちは公園へと向かった。
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「……いた」
大きな公園の広場にて。
幾ばくかの距離を開けて、二騎のサーヴァントとが対峙している。
そのどちらも、マスターの姿は見えない。
一人は、長い白髪に巨大な大剣のような形をした槍を持つ男性サーヴァント。
もう一人は、昨日見た黒いバーサーカーだ。
「バーサーカーと……あれは、ランサーか?」
「だと思います」
そのランサーは、バーサーカーを鋭くも冷静な瞳で見続ける。
バーサーカーの方も、ほとんど動く様子がない。
「何やってんだ、あれ」
「恐らくバーサーカーは本能で、ランサーは理性的に理解しているんだろう。お互いが卓越した技能を持っていることを」
「で、牽制しあってるってわけか」
たしかに、二人の様子はそんな感じだ。
とりあえず、そのまま棒立ちだと見つかりそうなので、四人で固まって藪の中へ。
すると、セイバーは剣を取り出し、その風を解放。
その風は霧散することなく、俺たちの周りを漂いながら結界のように囲んでいく。
「セイバー、これは?」
「
「……便利だな、それ」
俺も欲しいなー、などと思いつつ、対峙する二騎を観察する。
よくよく見ると、ランサーは金色の鎧に全身を包まれている。
見るだけでわかる。
あの鎧も、そして恐らくあの槍も、どちらも宝具だろう。
さらに時間が経ち、本当は静止画何じゃないだろうかと思ったころ。
「……バーサーカー。よもや、理性を失った者が、恐れているなどということはあるまい。そちらから斬りかかっておいて、何故なにもしないのか」
不意に、ランサーがそう言った。
どうやら、すでにバーサーカーが攻撃していたらしいな。
「…………」
しかし、バーサーカーは無言。
まあ、バーサーカーなら喋れないのが当然なんだろうけど。
「まあいい。オレはただ、マスターの命に従ってお前を仕留め、そして帰ればよいだけだ」
淡々とそう言い、ランサーは槍を構える。
それを見て、バーサーカーも手に握る剣を構える。
ランサーから溢れ出る、破格の魔力。
嫌な予感が、頭をよぎる。
「……マズイ!三人とも、防御しろ!」
「「!」」
「やってるわ」
俺が言う前に、キャスターは『黄金のヴェール』を起動。
広げ、前方に展開。
カーテンのような黄金色の壁が必要最低限のサイズで現れる。
その直後、俺たちの視界は真っ赤に燃え上がった。
以上です!
着々とサーヴァントが集まって来てますね
私の好きなサーヴァントも多いので、書いていて楽しいです
では、また来週!