最強のキャスター呼んだら最強の人形師がやって来た   作:雪希絵

18 / 49
魔法使いの夜をやり直してみたら、まだやっていないストーリーがあることに気が付きました

なんと勿体ないことを……

課題の合間を縫ってちょっとずつ進めてます

これでネタが降りてくると、さらに嬉しいんですけども


形勢逆転

「くっ……」

 

顔をほんの少し歪め、ランサーは距離を取る。

 

間違いない、確実に当たった!

 

「ったく、本当にすげえや。俺のサーヴァントは!」

「本当に大したものだ。まさか、あの鎧すら貫通するなんてね」

 

俺もセイバーも関心しつつ、攻撃の手は緩めない。

 

主に刃を交わすのはセイバー。

 

ダメージを受けながらも、ランサーは炎を纏わせた槍を振るい、広範囲を焼き尽くすような攻撃を放ってくる。

 

セイバーはそれをジャンプすることで回避し、金色の衝撃波が見えるほどの斬撃を繰り出す。

 

ランサーの作り出した炎すら弾き飛ばし、セイバーの斬撃がランサーに迫る。

 

しかし、炎をくぐり抜けたことで勢いが落ちたのか、ランサーに回避されてしまった。

 

回避後の隙に潜り込みたいところだが、炎が激しくて俺では近づけない。

 

さっきまでは局所的だからどうにかなっていたが、この範囲攻撃はどうしようもない。

 

だが、俺には何も出来なくとも、行動を取れる奴はいる。

 

「さあ────ごっこ遊びをしましょう」

 

今しがたプロイキッシャーを呼び出した、キャスターだ。

 

造形の細かい赤色のマスケット銃のトリガーを引くと、銃口から無数の細い光が飛び出す。

 

コースを変えることもなく真っ直ぐ飛んでいくその光は、大部分が見事にランサーに直撃していく。

 

今の弾は散弾型だろう。

 

一発一発の威力は高くないが、加害範囲が広い上に貫通力はそれなりにある。

 

加えて、防御をすり抜ける性質が加われば、相当な威力になる。

 

「ぐぅ……!」

 

ランサーの太陽の鎧は威力を減らしてはいるようだが、いくらかはダメージが通る。

 

赤憐のマスケットの弾は魔力。

 

供給元は、魔力A++のキャスター。

 

加えて、前線を務めるのは最優のサーヴァント、セイバー。

 

「……やべぇ。負ける気がしない」

「……全面的に同意です」

 

ひとまず佐伯さんの傍に行ってそう呟くと、同意してくれた。

 

というか、これもう俺いらなくね?

 

「はぁ!」

「……っ!」

 

セイバー渾身の上段斬り下ろしを、ランサーは苦悶の表情を浮かべながら受ける。

 

しかし、セイバーはなおも押し込もうと力を込める。

 

このままでは不味いと思ったのか、ランサーは片目を光らせ始める。

 

「!?」

 

予備動作を察知し、セイバーは首を無理やり捻る。

 

しかし、それは囮。

 

本命は槍から放たれる炎の方だった。

 

ギリギリでそれに気がついたセイバーは、魔力放出を増加。

 

生成される炎にぶつけて中和しながら、剣と槍をぶつけ合う。

 

最終的に鍔迫り合いになった二人。

 

そこへ、キャスターの放った弾丸が飛来する。

 

銃の腕があるとは聞いていないが、例えランサーが回避してもセイバーには当たらない、そんな絶妙な位置に撃っている。

 

一点集中の大きな弾が、ランサーに迫る。

 

今までの攻撃で防御は通用しないとわかったのか、ランサーは回避体勢を取る……かと思いきや。

 

「武具など無粋……真の英雄は目で殺す!」

 

なんと、さっきのビームを放って来た。

 

「囮じゃなくて、本当に溜めてたのか!?」

 

どうやら、ランサーはこうなることを予見していたようだ。

 

そして、赤憐のマスケットの性質にも気づかれた。

 

あのプロイは、あくまでも防御という概念をすり抜けるだけだ。

 

回避や、遠距離攻撃による相殺は、無効化する事が出来ない。

 

「─────!」

 

決定的な一撃を防がれ、キャスターの動きが少しだけ止まる。

 

「ふっ……!」

 

その開にふセイバーを弾き飛ばし、ランサーは一回二回と大きく飛び下がる。

 

あんなの一体どうすればいいんだよ……!

 

セイバーと同レベルの武術に、桁違いの性能を持つ宝具、おまけに赤憐のマスケットすら決定打にならない。

 

(このままジリ貧か……?)

 

そんなことを考えている時だった。

 

「ランサー」

 

どこからかわからないが、若い男の声がした。

 

「どうした、我がマスター。戦闘は全て俺に任せるのではないのか?」

 

なるほど、ランサーのマスターか。

 

しかし、声は聞こえても姿が見えない。

 

どこまで用心深いんだ?

 

その声、ランサーのマスターは、ランサーの答えが気に入らなかった良かったのか鼻で笑うような声を出すと、

 

「お前がグズグズしているから、少々いら立ってな。ランサー、宝具を使え」

 

と、やけに冷徹な声で告げる。

 

 

「……ここでは人が多すぎる」

「そんなことは関係ない。今すぐ使え」

「…………」

「そうか」

 

拒否し、いつまでも使おうとしないランサーに業を煮やしたのか、マスターは落胆のため息をつく。

 

そして、俺が恐れていたことを言い放った。

 

「……令呪をもって命令する。宝具を使え、ランサー」

「……!?」

「て、てめえ!自分が何言ってるか分かってんのか!?」

 

思わず反論するが、ランサーのマスターからは何も言ってこない。

 

そんな横暴な命令に、ランサーはほんの少しだけ躊躇うような素振りを見せ、

 

「仰せのままに、マスター」

 

と言って、槍を構え始めた。

 

(やばっ─────!!)




魔法使いの夜の映像化とかはないんですかね……

ぜひやって欲しいんですけど
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。