最強のキャスター呼んだら最強の人形師がやって来た 作:雪希絵
いやもう……時間なさすぎて書いてる時間がありませんでした……
ようやく片付いたので、つぎは早めに投稿したいです
心の底から驚いた。
あらゆる可能性を頭の中で考慮したが、まさか目の前の少女がサーヴァントであるとは思わなかったからだ。
「えっ……ほ、本当に俺のサーヴァントなの?」
「ええ」
「キャスターの?」
「ええ」
さも当然というように、素っ気なく答える。
「右手の甲に、その証があるでしょう?」
言われてから初めて気がついた。
たしかに、俺の右手の甲にはサーヴァントととの契約の証である、令呪が刻まれていた。
「どうやら、接続に問題もないようね」
「? そうなのか?」
「ええ」
「ふーん……」
サーヴァントと契約しても、案外変わらないものだな。
もっと大量に魔力が喰われるものだと思ってたよ。
(しっかし……キャスターかぁ……)
正直、先行きが不安になってきた。
キャスターのサーヴァントといえば、一般に『最弱のサーヴァント』などと呼ばれるクラスだ。
というのも、『三騎士』の称号を得ているセイバー、ランサー、アーチャーのクラスは、強力な魔術耐性があるのだ。
そのため、真っ当にキャスターをやっているサーヴァントでは攻撃が通じない。
ただ、キャスターの中には自分自身で戦わないものもいるらしく、そういったサーヴァントは充分に戦えるらしい。
そういう『真っ当ではないキャスター』であることを、とりあえず祈っておこう。
「えっと、キャスター……でいいんだよな?」
「呼び名のこと?」
「ああ。真名を明かすわけにもいかないし」
「だったら、それでいいわ」
「わかった。じゃあキャスター、俺は『美月 薫』だ。よろしくな」
「ええ」
「じゃあ、ちょっとついてきてくれ」
俺はそう言い、部屋の扉を開けて彼女を通し、自分も出ていった。
「片付けなくてもいいの?」
途中、キャスターがそう訊いてきた。
「ああ、気にしなくていいよ。元から散らかってるし、どうせすぐにここをたつ」
「そう」
納得したのか、それ以上は何も言わなかった。
(本当に口数が少ないなぁ……)
コミュニケーションとか大丈夫かな。
まあ、心を開いてくれるまで、気長に待つとするか。
一階のリビングは、月明かりに照らされている。
工房と同様、父さんのこだわりで、月明かりが入りやすいようになっているのだ。
(いい月だ。これなら明かりはいらないかな)
俺はキッチンに入り、戸棚を開いて中を覗く。
「そこの椅子に座ってくれ。それと、紅茶は好き……」
「好きよ」
言い切る前に答えられた。
どうやら相当好きらしい。
まあ、それなら良かった。
これでコーヒー党だとか言われたら、戦争になりかねない。
陶磁器のポットを用意し、同じデザインのティーカップと一緒に温める。
(あ……水のストックあったっけ……)
冷蔵庫の一番上の棚を見ると、どうやらまだ余裕があるようだ。
汲みたての超軟水の方が美味しいということで、母さんが常備しているのだ。
「良かった」
水を取り出し、鍋に入れて沸騰させる。
いくつかの茶葉を棚から取り出し、自分なりの配合で混ぜ合わせる。
茶葉をポットに入れ、沸騰した水を勢いよく注ぐ。
そしてすぐに蓋をし、蒸らす。
「これでよし」
「……随分、本格的な道具を持っているのね」
「まあな。母さんが紅茶好きでさ。その影響で俺もやるようになったんだ」
「気が合いそうね」
「そう言ってくれると嬉しいよ」
まあ、今日はお客さんに出すわけだから、いつもより気合い入れてるけどな。
普段飲む時はもう少し雑。
お湯沸かすのに電気ケトル使ってるし。
と、そろそろかな。
ポットを開き、匂いを嗅いでみる。
「ん、よし」
ティーカップに注ぐと、赤い綺麗な色が出ている。
うん、いい感じ。
「どうぞ。砂糖とミルクは?」
「いらないわ」
「やっぱり?」
俺もストレート派だ。
紅茶の味が楽しめるからな。
「クッキーもどうぞ」
「いただくわ」
そう言い、ティーカップを傾けて上品に紅茶を啜る。
「……美味しい」
「本当に?良かった」
彼女は一度頷き、再び紅茶を啜る。
うん、顔は無表情のままだけど、雰囲気が柔らかくなった気がする。
これなら、話せそうだな。
「ねえ」
「えっ?あっ、なに?」
こっちから話しかけようとしたところで逆に話しかけられ、ついうろたえる。
紅茶の力で心を開いてくれたのだろうか?
「これからどうするの?」
「すぐに冬木に向かうよ。母さんと妹が拠点を確保してるはずだ」
「妹?養子には出さなかったの?」
「母さんが『養子に出したら死んでやる』って言ったらしい……」
「……個性的な人ね」
「オブラートに包まなくていいよ……。普通に変人だから」
などと言ったせいだろうか。
まさか、
「おーい!薫ーーー!」
母さんがいきなり飛び込んで来るとは思わなかった。
「ん?あら、可愛い子つれて!なに?彼女!?親がいないからって、連れ込んでるの!?」
「だーもー!うるせぇぇぇぇぇ!!」
急にやって来て早速暴れる母親に、それを怒鳴りつける息子。
そんなカオスな光景を前にしても、キャスターは動じず紅茶を啜っていた。
ちなみに作者は紅茶派です
というか、コーヒー苦くて飲めません
無糖と微糖の違いがわかりません、どっちも苦いです
コーヒー牛乳あたりがボーダーラインです
それ以上のコーヒー飲料は飲めません
ブラック飲める人とかかっこいいんですけどね……