最強のキャスター呼んだら最強の人形師がやって来た   作:雪希絵

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もうすぐテストです

勉強しないといけないのはわかりますが、どうしてもやる気が出ないのが人間というものです

……どうしましょう


決着

キャスターの猛攻は止まらない。

 

傍から見れば棒立ちしているだけだが、膨大な魔力でこの空間とクリーチャーを維持しているはずだ。

 

現に、俺自身も魔力が削られているのを感じる。

 

だが、その見返りはかなり大きい。

 

鉄塊のゴーレムがランサーに近接攻撃し。

 

その隙に鉄パイプのゴーレムが遠距離攻撃で畳み掛ける。

 

次々と、ランサーの頭部などの露出している部分に狙撃されていく。

 

魔力による強化でもされているのか、ランサーはその全てを回避するか迎撃している。

 

「─────っ」

 

しかし、あまりの手数に手を焼いているようだ。

 

一方、俺たちの方も手出しが出来ない。

 

塞がったとはいえキャスターは即死レベルの重傷だったわけだし、俺も実はそこそこの火傷を負っている。

 

さっきまでは感じなかったが、キャスターが無事なことに安心した瞬間に痛み出した。

 

(とりあえずポーション飲むしかないな……)

 

ポーションを抜き取り、中身を呷る。

 

しかし、やはり宝具による怪我のせいか、どうにも効き目が弱い。

 

なんとか動かせないかと、身体のあちこちを調べていると、

 

「薫……!」

 

重々しい金属音と共に、背後から声がかかった。

 

「その声、セイバーか!?」

 

大急ぎで振り返ると、そこには酷い姿のセイバーがいた。

 

輝かんばかりに綺麗だった金髪はところどころが焦げ、嫌な匂いを発している。

 

甲冑も背中を中心に焼け焦げており、おそらくはその下の皮膚も火傷を負っているのが見てわかる。

 

どう見ても、佐伯さんを庇ったことによって負った傷だろう。

 

「セイバー、大丈夫か!?」

 

何よりも治療が先決だと判断し、母さんに調整してもらったポーションを差し出す。

 

「すまない……助かるよ」

 

震える手でそれを受け取り、飲み干す。

 

「佐伯さんは?」

「呼びました?」

「うおう!?」

 

姿が見えないのでセイバーに聞いたのだが、まさか後ろから出てくるとは思わなかったので、変な声を上げてしまった。

 

佐伯さんは、どうやら大丈夫そうだった。

 

煤が付いていたり、服が焦げたりはしているが、それ以外は異常はなさそうだ。

 

「セイバーが庇ってくれた上に、元々物陰に隠れていたのが効いたんだと思います。私はとりあえず平気です」

「そっか……良かった」

 

俺と違って佐伯さんには身を守る魔術が少ないみたいだったからな。

 

とりあえず無事で良かった。

 

「それにしても……凄まじいね。キャスターは」

「───ああ」

 

キャスターによる波状攻撃はなおも続いている。

 

鉄塊ゴーレムも金属の板で武装をしていたり、単純に強度が上がっていたりと、目に見えて強化がされていた。

 

「炎よ─────!」

 

さすがに焦れたのか、ランサーは槍を大振りに振るう。

 

軌道に合わせて莫大な熱量の炎が生まれ、鉄塊ゴーレムを次々と焼き払う。

 

さらに神速とも言える速度で踏み込み、縦横無尽に槍を振るってゴーレムを消し炭にしていく。

 

「真の英雄は目で殺す!!」

 

飛来してきた鉄パイプを薙ぎ払い、ビームでその発射元であるゴーレムも破壊。

 

真っ直ぐに、こちらに突っ込んで来た。

 

「僕が迎え撃つ!」

 

それに対し、セイバーが剣を構えて突撃しようとするのを、肩を掴んで止める。

 

「やめろ!その怪我でこれ以上やったら、本当に死ぬぞ!」

「ならどうしろって言うんだ─────!」

 

などど言い争っている内に、ランサーはあっという間に距離を詰める。

 

「「このっ────!」」

 

セイバーと同時に踏み込み、俺が蹴りで、セイバーは剣で、ランサーの槍を受け止める。

 

「ぐっ……!」

「い……っ……!」

 

だが、手負い二人ではどうしても押し負ける。

 

ここに炎なんか付与されたら───。

 

嫌な予感は的中し、ランサーは槍に力を込める。

 

「やばっ────」

 

片足が吹っ飛ぶイメージがありありと浮かぶ。

 

塚の部分から登ってくる炎に、俺の脚とセイバーの剣が触れる直前、

 

ヒュンッ

 

と短い音を鳴らして赤い閃光が、ランサーの脇腹を通り抜ける。

 

「しまっ……」

 

ランサーが呟くとほぼ同時、さらに二閃三閃と光が貫いていき、その度に小さな音が鳴る。

 

「……キャスター本人に、気を配らなさ過ぎたな」

 

腹部抑えながら、ランサーは飛び下がる。

 

鎧には小さな穴が空き、とめどなく血が流れていく。

 

そんなことは気にもせず、ランサーは続ける。

 

「マスターから撤退の命令が出た。この場はこれて収めることにしよう」

 

そして、ランサーはその槍を地面に叩きつける。

 

炎と煙が大量発生し、視界が奪われた。

 

(あっつ……)

 

顔を覆い、目に入らないように目を瞑る。

 

再び目を開けたその時、そこには当然のようにランサーはいなかった。




お読みいただきありがとうございました!

……令呪で結界からの脱出って出来るんでしょうか

ガバガバな設定ですみません……
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