最強のキャスター呼んだら最強の人形師がやって来た 作:雪希絵
ですので、もしかしたら来週投稿出来ないかもしれないです……
本当に申し訳ありません……
「……行ったか」
完全に気配が消えたのを感じ、思わずその場に座り込んだ。
疲労に怪我、魔力の損耗も合わさって、かなり身体が重たい。
「────っ」
すると、キャスターがぐらりと揺れる。
「やべっ……!」
無理やり体を起こし、急加速してキャスターの元へ。
ギリギリで受け止めることに成功したが、スライディングのせいで怪我が重傷化した。
「ぐおぉぉぉぉぉ……」
皮膚を引き攣るような痛みに思わず悶絶していると、腕の中のキャスターがかなりぐったりしていることに気がついた。
「お、おい、キャスター!」
「………はっ……ひゅっ……」
「なんで……こんな急に……!」
明らかに呼吸の仕方がおかしい。
さっきまでは多少余裕があったはずなのに、どうしていきなりこんなことに……!
「すみません、ちょっと見せてください!」
すると、佐伯さんが不意に駆け寄ってきた。
佐伯さんはキャスターの胸の中央に手を当て、目を閉じる。
「佐伯さん……何がわかるのか?」
「マスターの専門は『治癒』だからね。こういったことは得意なはずだよ」
「治癒?じゃあ、なんでセイバーは……」
「マスターは病気の治療が得意だからね。怪我は専門外……というわけじゃないが、薫の持っているポーションの方がいいんだよ」
「な、なるほど」
だが、そういうことなら任せよう。
佐伯さんなら、絶対大丈夫なはずだ。
しばらくして、佐伯さんは目を開き、キャスターから手を離した。
「さ、佐伯さん……?どうなんだ?」
「────はっきり言いますと、魔力が枯渇してる状態です」
「魔力が枯渇……?」
「宝具の使用、傷の強引な回復、性能の高いプロイキッシャーの召喚……魔力を短時間に使い過ぎました。今、そのせいで傷の治療が出来なくなっています。薫さんとの
そこで一旦切り、きつく目を閉じて、覚悟を決めたかのように続ける。
「……それも、今の状態を乗り切らなければ無理です。どうにかして、傷を治すしかありません」
思わず絶句する。
つまり、今この場でなんとかしない限り、
「キャスターが……消える……のか?」
「直接的な表現をすれば、そうなります」
思わず、歯を食いしばる。
不甲斐ないこと、この上ない。
俺には薬を作ることも、治癒魔術を使うことも出来ない。
俺はキャスターのマスターなのに、出来ることは何もない。
「薫さん、諦めるのは早いです」
「え……?」
しかし、佐伯さんは何も諦めていなかった。
その瞳は力強く、そして何より頼もしい輝きを宿していた。
「単刀直入に言います。キャスターとキスしてください」
「……………………………………は」
そして、真剣極まりない表情でとんでもないことを言い出した。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
少し遅れて、絶叫が廃工場に木霊する。
「叫んでる場合じゃないです。詳しく説明するので、落ち着いてください」
「落ち着いていられるかっ!?いきなり何を言────!?」
「セイバー、薫さんを抑えてください」
「了解、マスター」
「うぎゃあぁぁぁぁぁぁ!」
いつの間にか、セイバーに羽交い締めにされていた。
「失礼します!」
そう言って、佐伯さんは唐突に俺の口に指を突っ込んだ。
「むぎゃあぁぁぁぁぁぁ!」
思わず叫ぶが、どうやら全く持って佐伯さん気にしていないようだ。
「とりあえず説明します。今から、薫さんの口の中に短時間の付呪をします。ですから、その後で薬を口に含んでください。すると、薬と付呪が反応して、効果と薬の周りを早くします」
口の中をもごもごと弄りながら、佐伯さんが説明する。
「ですので、付呪の効果が切れる前にさっさと口移しでキャスターに飲ませてください」
「しゃえひはん、ひゃらぶれぶれれしゅけろ!?(訳:佐伯さん、キャラブレブレですけど!?)」
そんな無茶を言って、佐伯さんは指を引っこ抜く。
「では、どうぞ」
「どうぞじゃないよ!?」
唐突なゴーサイン。
目の前には、今にも呼吸が止まりそうなキャスター。
どうすりゃいいのさ……!?
お読みいただきありがとうございました!
また来週(できれば)お会いしましょう!