最強のキャスター呼んだら最強の人形師がやって来た   作:雪希絵

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先週はお休みして本当に申し訳ありません

設定とあらすじの復旧が出来たので、また投稿を再開します

今後とも、よろしくお願い致します


最後のグレートスリー

程なくして、橋の巨人は崩れた。

 

怒涛の勢いで繰り出される魔弾攻撃に耐え切れず、バラバラになって崩れ去ってしまった。

 

「宝具相手にこれかよ……!」

 

結局、あれから様々な手段で攻撃を仕掛けたが、一撃どころか掠めることも出来なかった。

 

魔弾の扱いだけでなく、格闘術にも秀でているらしい。

 

父さん直伝の格闘技が、まるで通用しない。

 

たぶん、正式に格闘技を学んだわけではないんだろう。

 

ただ、そのセンスが異常だ。

 

全て感覚でやっているだけ、全て生まれながらの才でやっているだけにも関わらず、とんでもない強さをしている。

 

「……キャスター!」

 

橋の巨人が崩れると、キャスターも不意に体勢を乱した。

 

即座に駆け寄り、肩を掴んで支える。

 

「大丈夫か!?」

「……なんとか」

 

やっぱり、キャスターも消耗している。

 

「ごめん、キャスター。無理ばかりさせてる」

「……私は貴方のサーヴァント。無理をするのも、させるのも当然だわ」

「それでも……ごめん」

 

若干非難するような目をしているキャスターにそう言うと、息を薄く吐いて目を逸らしてしまった。

 

(また怒らせちゃったか……?)

 

「ちょっと。対戦相手ほったらかしてイチャつくとか勘弁してくれない?」

「イチャっ……!?」

「冗談は行動だけにして頂戴、青子」

 

酷い言い様だな……。

 

なんだかこの二人、ただの知り合いというわけでもないし、かといって友達同士みたいに仲が良さそうにも見えない。

 

互いに良く思ってはいないけど、交友関係を続けているかのような、そんな歪な雰囲気。

 

詳しくわかるわけじゃないけど、そんな気がする。

 

「身体と魔術は成長しても、何も変わらないのね。青子」

「そっちこそ、サーヴァントになっても全然変わらないじゃない。有珠」

 

お互いにそう言うと、青子さんは盛大にため息をつく。

 

「っていうか、今ので分かったでしょ?私には『橋の巨人(テムズトロル)』は通用しない。『月の油(フラットスナーク)』なんて、対処法が分かってるやつも無駄。だとしたら、やることは一つでしょ」

 

真紅に染まる綺麗な髪を掻きながら、青子さんはそう言う。

 

「私を倒した事のあるプロイ、私に勝ちうるプロイを持ってきなさいよ。あるでしょ、グレートスリーの中にさ」

 

たしかに、それは間違いないだろう。

 

グレートスリーは究極のプロイキッシャーだ。

 

今のところ使っているのは、『月の油』と『橋の巨人』のみ。

 

残る一つ、最後のグレートスリーがあるはずだ。

 

「……『薔薇の猟犬(ワンダースナッチ)』ね」

「そ。十回中百回殺されるような目に遭ったわ。今でも忘れやしない。どうしたのよ、あいつは」

「ワンダー……スナッチ……って、いうのか」

 

とにかく、最後のグレートスリーの名前が分かった。

 

なら、それさえ使えば勝てるはずだ。

 

とにかく青子さんに勝たないと、恐らくこの夢は終わらない。

 

「キャスター、魔力は充分か?……無理をさせることにはなるけど、」

「…………ぇないのよ」

「発動すれば、なんとか勝て………えっ?」

「……使えないのよ。『薔薇の猟犬』を」

「はぁ!?」

 

俺より先に反応した青子さんが、キャスターに向かって叫んだ。




お読み頂きありがとうございました

また来週、お会いしましょう
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