最強のキャスター呼んだら最強の人形師がやって来た 作:雪希絵
これで何度目でしょうか……常習犯ですね<(_ _)>
しかも原因が寝ていたからという……やってしまいました、寝坊です
本当にすみませんでしたぁぁぁ!
「
青子さんが詠唱を続ける。
真正面から受けるつもりなのか、キャスターは微動だにしない。
本当にキャスターは負けず嫌いらしい。
「……循環良し、射角良し、術式安定、おおまか良し」
今この時、青子さんの身体は一つの銃身になっている。
魔力を蓄え、魔力を練り上げ、魔力を発射する。
そのための銃身へと、己の身を一時書き換えていく。
「
その最中、魔力を込めた腕を瞬間的に振るう。
真紅の髪の一部が切れ、赤く輝く細い髪が大気に舞う。
「三層展開!全術式、連結起動──────!」
青子さんがそう叫んだ直後、その髪はぐるりと円を描いて魔法陣を描く。
青子さんの右手を中心に、まさしく大砲の如く砲身となった。
(そうか……!魔力で砲身を作って、それを使って魔弾を撃つ気か……!)
女性の魔術師にとって、髪は最高のマジックアイテムだ。
長い間伸ばし続けて来た髪は、本人の魔力の篭った最強の魔道具になるため、召喚術や契約などにも使われる。
それを利用し、青子さんは魔弾の道筋を作ったのだ。
「ぶっ飛べぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
盛大な破裂音と共に、爆風と暴風、そして閃光が辺りを埋め尽くす。
今までの常識外れの威力の魔弾が、もはやただの遊戯にしか見えないレベルの代物。
「かつて『月の油』をぶっ壊した、この一撃!どうよ!!」
苦悶に顔を歪めながら、それでも彼女は口を歪ませるように笑った。
それほどの自信、それほどの威力。
だが、それでもキャスターは揺るがない。
「…………喰らい尽くして」
ただ、そう命令するだけ。
それだけで、『薔薇の猟犬』は全てを実行する。
「──────────ッッッッッ!!!」
声なき声で吠え、大口を開き、
バツンッッッ────!!!
と、魔弾を全て喰らい尽くした。
薔薇の猟犬は止まらない。
魔弾を食らっても、そのスピードは衰えることがない。
まっすぐに、青子さんの方へ突っ込む。
魔力を急激に使ったせいか、青子さんは動けていない。
青子さんならすぐに動けるようになるのだろうが、もうこの距離では間に合わない。
大口を広げ、薔薇の猟犬が迫る。
「…………そう。それでいいのよ」
微かに聞こえた呟きは、薔薇の猟犬の口内収まったことで掻き消えた。
その瞬間、
「あ……れ……?」
視界が真っ白に染まる。
気が遠くなっていき、ついには何も聞こえなくなった。
───────────────────────
目が覚めた。
場所は、俺とキャスターが寝た位置のまま動いていない。
「か……帰ってこれたのか……」
身体の様子を見るが、どうやら外傷などはないようだ。
ただ、身体がとてつもなく重い。
(青子さんの言っていたことは本当だったのか……)
ため息をつき、ひとまずキャスターの様子を確認しようとすると……
「………んぅ」
俺の脚に持たれるようにして、青子さんが眠っていた。
「……え?」
数秒後、俺の絶叫が屋敷内にコダマした。
お読みいただきありがとうございました!
それでは、また来週お会いしましょう!