Muv-Luv〜wing of white steel〜   作:lancer008

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仕事が忙し過ぎて書けません。
週一ペースになると思いますが、これからもよろしくお願いします。


第十四話

BETA群は、入水を開始しカムチャッカ半島に迫りつつあった。その為、伊藤の第1小隊と第2小隊は少しでも数を減らすためミサイルによる攻撃を開始した。

ナイトメア早期警戒部隊第1小隊と第3、第4小隊は基地に帰投していた。燃料の補給と対潜ミサイルを積みこんでいた。

 

ブリーフィングルーム

ブリーフィングに参加しているのは、ソ連軍、全試験小隊だ。

 

イブラヒム「昨晩、哨戒任務を行なっていたナイトメア隊より連絡があった。師団規模のBETA群が接近中との事だ」

 

ルーム内が騒つく。

 

イブラヒム「現在、BETAはカムチャッカ半島西沿岸部に向けて侵攻中だ。先程までナイトメア隊が迎撃をし、現在は帰投し補給を行なっている。

これに対し、我が軍は、大規模BETA群の上陸阻止を任務とするソ連軍部隊に随行し第1回実戦試験を行うものとする。尚、アルゴス試験小隊には極東ソ連軍精鋭のジャール大隊が同行する。その指揮官を紹介しよう」

 

「総員起立‼︎」

 

扉が開かれ指揮官が歩いてくる。中央には、スポットライトが当たっていた。

 

中央に止まり隊員を見た。

 

「総員敬礼‼︎」

 

ラトロワ「ジャール大隊を預かる、フィカーツィア・ラトロワ中佐だ。演習期間中、諸君らを護衛させて頂く。たっぷりと地獄を満喫していくがいい」

 

戦域がモニターに映し出される。

どこに試験小隊が配備されるのかが書いてあった。アルゴス試験小隊は、後方中央区画に配置となった。だがその配置は一部でも突破されると即、包囲され全滅の配置だった。

 

ラトロワ「作戦概要を話す。第1段階は水上艦による爆雷攻撃 。第2段階、水上艦、陸上支援砲撃による陸上での面制圧。第3段階、ある程度のBETAが上陸したらナイトメア隊による航空での面制圧を行う。第4段階、機甲部隊、戦術機部隊による直接攻撃による敵個体数の低減。さらに第5段階、残敵数が少なくなったことを確認し、BETAを意図的に引き込む各試験小隊はこの個体群相手に評価試験を行なってもらう。以上が諸君に安全な戦争をして頂く為の段取りだ」

 

最後列に座っているソ連兵士が笑う。

 

ラトロワ「最後に派遣衛士諸君に言っておかなければならない、邪魔をするな。以上だ」

 

試験小隊員のほとんどがイラついている。

そこに手挙げ発言を求めた者がいた。

 

ラトロワ「なんだ?」

 

伊藤「ナイトメア隊隊長、伊藤中尉といいます。我々の隊は、自由にしても?」

 

ラトロワ「好きにしろ」

 

伊藤「ありがとうございます。以上です」

 

イブラヒム「戦況の変化に伴って試験項目の変更を切り上げ、柔軟に行う。各自データリンクにて確認しておけ。解散」

 

 

唯依は、自分の部屋で荷物をまとめていた。そこに伊藤と上総が入ってきた。

 

伊藤「唯依どうした?ブリーフィング中、全然集中してなかった様に見えたんだが?」

 

唯依「え⁉︎」

 

上総「伊藤は、わからないと思うけどあれよね?」

 

唯依「何⁉︎」

 

上総「恋よね」

 

唯依は、顔を赤くしながら

 

唯依「バッ⁉︎何言ってんのよ!」

 

上総「図星よね」

 

伊藤「お相手は?」

 

上総「いつも喧嘩してた人よ」

 

伊藤「ああ、なるほど。まさかあんなにも硬かった人がこうなるとはねえ」

 

唯依は、黙っている。伊藤と上総は少しいじめ過ぎたかと思い、話を変える事にした。

 

伊藤「唯依、俺の機体は、こっちに置いといてくれ」

 

唯依「わかった」

 

上総「あんた自分の機体乗らないの?」

 

伊藤「今はナイトメアに乗ってるからな。もしあの機体が暴走したら誰も止められないだろうしな」

 

京都防衛戦での戦いの後、ALICEが使えなくなってしまったからだ。強制起動しようとしたところ勝手に動いたのだ。

 

唯依「わかった。あなた達はいつ出撃するの?」

 

伊藤「ここから出撃して、終わったらこの基地に戻るよ。隊全体に疲労の色が出始めているからな。この作戦が終わったら、機体の完全点検と隊員の休息にするよ」

 

唯依「わかったわ」

 

伊藤と上総は部屋を出ようとした時、上総が

 

上総「伝えたい事があったら、早く伝えた方がいいわよ」

 

唯依「ちょっと、上総!」

 

上総は逃げる様にして部屋を出た。

 

 

作戦当日

 

伊藤「全機スーパーパックに換装、攻撃時刻に合わせて作戦区域に突入する。全員コクピット内で待機しろ」

 

「了解‼︎」

 

 

作戦区域にナイトメア隊以外の部隊が展開を完了していた。その中には、ユウヤの様にエースパイロットでありながら実戦に出たことが無いものもいた。

ユウヤは、緊張していた。その時、ソ連軍衛士がオープン回線で話しをしていた。

 

「やけに静かだけどよ、お客様達はお寝んね中ですか?」

 

ソ連軍衛士が笑う。

 

「あいつ今回が初陣らしいよ。ビビって声も出ないじゃない?」

 

ソ連軍衛士は、数々の暴言を吐き捨てていた。それをアルゴス小隊は聞き流していた。ユウヤが突っかかった所でアラートがなった。

 

ステラ「BETA群、距離4000まで接近。水上艦、爆雷攻撃を実施中。支援砲撃まで残り30秒」

 

ユウヤ「(まだか、まだか)」

 

タリサ「落ち着けって、アルゴス1」

 

VG「まあ、カウントダウンてのは緊張するわな」

 

ユウヤ「お前ら」

 

ステラ「支援砲撃まで残り10秒」

 

カウントダウンが進んでいく。

 

ステラ「支援砲撃開始」

 

支援砲撃が開始された。多数の砲弾がBETAに向かって飛んでいった。BETAには、命中したがあまり数を減らしていなかった。ユウヤ達の後方から凄まじい音が鳴り響いていた。ナイトメア隊がアフターバーナーを焚き、向かって来ていた。

 

伊藤「全機、速度合わせ。フォーメーション、アローヘッドワン。ミサイル発射後、上空にて攻撃を開始する」

 

上総「攻撃開始まで残り5秒」

 

伊藤「全機攻撃開始‼︎」

 

ナイトメア8機によるマイクロミサイルでの面制圧が行われた。威力は少ないものの突撃級の進行速度低下や戦車級の掃討を行なった。

だが、既に前線が突破されていた。最前列にいる戦車の数が足りていなかったのだ。機甲部隊は次々にやられていった。

 

ユウヤ「アルゴス1よりジャール1へ、機甲部隊への直接支援の要を認む」

 

ジャール1からの応答がない。

 

ユウヤ「おい聞こえているのか⁉︎このままだと機甲部隊が」

 

ラトロワ「数が足りない程度で喚くな坊や。ジャール1より大隊各機へ、機甲部隊の後退を支援する。直掩の機体は荷物番だ。あまりうろちょろさせるな。お客さんたちに本物の戦いをお見せしろ。国連の各試験小隊に告ぐ、貴様達は勝手にするがいい。但し邪魔だけはするな!」

 

ユウヤ「おい!」

 

ステラ「中隊規模のBETA群が接近中、数は150。構成は突破級、要撃級」

 

VG「来たぜ、クソッタレどもが」

 

ステラ「焦らないの。アルゴス1を中心にサークル1で攻撃開始」

 

攻撃を開始した。

時間が経つにつれて、喰われる機体が出始めた。1機の戦術機がやられるとドミノ倒し状態で次々にやられていった。

ユウヤは、援護できることがないかと電磁投射砲をBETAに向けて構えたが味方が射線に入り攻撃は出来なかった。

その時、レーダーに新たなBETA群の情報が入った。

機甲部隊を挟撃する形で戦域に突入しようとしていた。

 

ユウヤ「アルゴス1よりCPへ、後退中の右に新たなBETA群が接近。このままだと包囲殲滅されてしまう。至急、ジャール大隊を後退させてくれ。射線が通れば電磁投射砲で援護できる」

 

「こちらCP了解。指示を待て」

 

部隊が後退しない。ユウヤには焦りの色が出てきた。

ユウヤは、覚悟を決め。

 

ユウヤ「アルゴス1からジャール1、頼む応答してくれ!ラトロワ中佐‼︎」

 

ラトロワ中佐「なんだ貴様!邪魔をするなと言ったはずだ」

 

ユウヤ「敵の増援だ。このままだと機甲部隊が全滅してしまう。後退して、上空からの支援砲撃を…」

 

ラトロワ「後退命令は、出ていない」

 

ユウヤ「あんただってわかってんだろ。命令を待ってたらどういうことになるのか。頼む、今ならまだ間に合う」

 

ラトロワ「(この状況で航空支援も撤退命令もないか。司令部の豚どもめ。あの新型砲を邪魔するために我らを生贄にするきか)ジャール大隊各機へ、これより戦場を2分する。各機、指示座標に後退」

 

「CPよりアルゴス1へ、ジャール大隊が要請を受託。直ちに攻撃を開始せよ」

 

ユウヤ「こちらアルゴス1了解」

 

「CPよりセイバー01へ、電磁投射砲による砲撃を開始するため、前線の戦術機部隊が後退します。その間、後退中の機甲部隊を援護して下さい」

 

伊藤「セイバー01了解。全員聞こえたな、機甲部隊を全力で援護しろ。全機full fire‼︎」

 

ナイトメア隊は、一斉射撃を開始した。

 

ユウヤは、砲撃体制に入りBETA群に向けて構えた。砲撃準備が完了し、砲撃を開始した。

物凄い連射力と弾丸のスピードは、突撃級の殻をいとも簡単に貫いていった。

ユウヤは、機体を動かしBETA群を全滅させた。

 

その場にいるものは、呆然としていた。モニターを見ている人たちも同じ状態だった。

 

伊藤「えげつねえ〜」

 

戦闘が終了し、全機帰投した。

 

前線基地では、整備員が祝福を挙げていた。

でも、ユウヤは納得がいかなかった。いくら一網打尽にしたところで前線で体を張り続けたのは、ジャール大隊なのだから。

 

夜、基地では祝勝会が行われていたがそこには、ユウヤはいなく。ユウヤは、格納庫で不知火の前に立っていた。

 

唯依「なにをやっているだこんな所で?」

 

ユウヤ「別に」

 

唯依「主役がいなくては、盛り上がらんだろう」

 

ユウヤ「主役は、ソ連軍が用意した。ただ酒で充分でしょう。中尉、次はあのレールガンなしでやらせてくれ。近接格闘戦の実戦テストを前倒ししたいんだ。

この実戦は、99型の運用テストだとわかっているが、心神を完璧な機体に仕上げるにはどうしても近接戦の経験実績が必要なんだ。中尉のTYPE-00と戦った時、手応えを感じたんだ。あれをものにするには、実戦しかない。自分をギリギリまで追い込んだその瞬間にならないと掴めない。そんな気がすんだ」

 

唯依「ブリッジス…」

 

ユウヤ「中尉、頼む!」

 

ユウヤは、唯依に向かって頭を下げた。

 

ユウヤ「頼む、次BETAが来た時は、近接戦をやらせてくれ。こいつを日本の戦術機として完成させるには、俺が変わらなきゃいけないんだ」

 

 

一方、伊藤たちは、休息をとっていた。連日の出撃により疲弊しきっていて、横になっているものもいた。

 

伊藤「そのままの態勢で全員聞け、明日から3日間のアラート待機は、俺と上総が担当する。その間、お前たちはたっぷり休め。以上」

 

伊藤は、自分の機体の所に向った。整備員が整備を行っていた。

 

伊藤「明日の正午までには、スーパーパックで待機させといてくれ」

 

「わかりました。2機ともですか」

 

伊藤「ああ、頼む」

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