Muv-Luv〜wing of white steel〜   作:lancer008

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第二十三話

黒鉄は、もしもの場合に備えて準備をしていた。相手は人なので標準装備で調整を行っていた。だが、黒鉄は何か胸騒ぎがしていた。場所は、北米でBETAが出る筈もないし、相手は人だ。何も問題はないと。だが、こういう時の黒鉄の予想は当たってしまうことが多かった。

 

整備も終わり、報告を待つことにした。

 

数十分後

 

呼び出し音がかかり、急いで艦橋へ向かう。

 

黒鉄「どうしたんですか⁉︎」

 

艦長「ユーコン基地周辺に光線級が確認され、アメリカの爆撃機部隊が全機落とされた」

 

黒鉄「光線級⁉︎なぜ?」

 

艦長「わからん」

 

通信士「艦長!全チャンネルでユーコン基地からテロリストによる放送が行なわれています」

 

艦長「放送を繋げろ」

 

通信士「わかりました」

 

回線を繋げると放送が流れた。

 

「我々は、RLF。難民解放戦線だ。我々は今日、全世界に訴える。BETA戦争勃発以来。ユーラシア難民に対する各国の非道と無慈悲を。

今や難民救済組織は、汚職や横領、暴力や薬物汚染、飢餓、兵役強制など。難民キャンプは無法地帯となっていながらも先進諸国は、国連と共謀し、戦術機開発という金のなる木に群がり莫大な予算を貪っている。

我々は要求する。汚職の一掃を、難民の人権保証を。RLFはいかなる圧力にも屈しない。

先刻、アメリカは、卑怯にも空爆部隊を差し向け中性子爆弾で我々を排除しようとした。我々、民間人もいるこの基地を空爆から回避する為、アメリカの極秘研究施設にいた。光線級を解放しこれを退けた。アメリカの非人道的行為はこれにとどまらない。先程、ソ連高官から入手した更におぞましい事態を世界に告発する。

北米絶対防衛戦"レッドシフト"。これは侵攻してくるBETAに対しての実在する防衛措置だ。この防衛戦にある一定数のBETAが集まると大陸を横断するように地中に埋まっている水爆が爆発し人工の峡谷が出来る。そして、この爆破はソ連国民の全滅を意味する……………」

 

この先も長々と話しが続いた。

 

 

黒鉄「レッドシフトにBETAの研究施設か……。これはまた面倒な物を設置しましたね」

 

艦長「水爆か。あんなものが発動したら人類同士で戦争が起こるぞ」

 

黒鉄「そうですね。ですが、アメリカはこの襲撃を知っていたんじゃないんですか」

 

艦長「何故かね?」

 

黒鉄「明らかに爆撃部隊の展開が早過ぎます。それにあのアメリカがテロリストを自分の領土に簡単に入れますかね。観測士、レーダーの出力を上げろ何処かにアメリカの部隊が隠れている筈だ」

 

観測士「了解しました」

 

黒鉄「予想的にはあいつらしかいないと思うですがね」

 

艦長「あいつらとは?」

 

観測士「居ました!数は4、機体はF-22 ラプターです」

 

黒鉄「所属はアメリカの教導部隊だが、裏は特殊任務を受けた殺し屋といったところですね。この混乱に乗じてアメリカの脅威となるものを排除しようということですね」

 

艦長「決定だな。帝国には私が伝える。黒鉄少佐、これより20分後に出撃してくれ、目標は邦人の救出並びにBETAの殲滅だ。編成は任せる」

 

黒鉄「了解しました。これより緊急のブリーフィングに入ります」

 

艦長「総員、第一種戦闘配置。20分後にMS部隊を降下させる」

 

艦内に放送が響き渡った。艦内が慌ただしくなる。

 

黒鉄はブリーフィングを行うため、各部隊長、分隊長を呼び出した。モニター前に黒鉄が立ち説明を始めた。任務内容を説明し、出撃する部隊を編成した。

臨時編成のため、二個分隊からなる7機編成、計14機と別働隊で4機が出る事になった。

出撃部隊は、第1部隊から全機、第2部隊から10機、第3部隊から4機となった。第4部隊は居残りとなった。加えて黒鉄が出撃する事になった。

 

説明を終え解散しようとした際備え付けの電話がなった。黒鉄は、受話器を取り電話に出た。するとモニター近くにいたパイロットに指示し、艦橋に繋げるようにと伝えた。モニターが切り替わりユーコン基地の映像が出た。そこには怪しげなオーラを出す戦術機と1機のMSがいた。

 

黒鉄は、言葉を失っていた。

 

黒鉄は、そのMSを知っていた。それは何度も相棒として一緒に戦った機体だった。その機体はEx-Sだった。

 

一瞬、裏切ったのかと思いきや、同じ様なオーラを出し始めた。そして隣にいた戦術機を真っ二つに切り裂いた。

 

暴走したのだ。

 

正確に言うとALICEが暴走したのだ。

 

続けざまにビームスマートガンを撃った。その方向にはユーコン基地があった。完全に暴走し全てを破壊する為に撃ち続けていた。

 

黒鉄は叫んだ。

 

黒鉄「全隊に通達する!レッドシフト前に防衛戦を構築しろ。1匹も通すな!」

 

全員「了解‼︎」

 

黒鉄「第1部隊長!全隊の指揮権を与える。全員、生きて戻れ!」

 

全員「了解‼︎」

 

黒鉄「俺は先に降り、あいつを足止めする。お前らは念のため、アンチビーム爆雷を投下しながら降りろ。何か質問は?」

 

1部長「ありません」

 

黒鉄「5分後には降下を開始しろ。では、解散!」

 

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