Muv-Luv〜wing of white steel〜   作:lancer008

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第三十三話

国連軍横浜基地メインゲート

 

「身分証の提示をお願いします」

 

「統合軍の伊藤響少佐ですね。どうぞお通り下さい」

 

伊藤は1階級上がり少佐となった。

主に統合軍の大多数を占めるブラボー大隊(心神部隊)のパイロットを勧誘するため帝国にある多くの基地を回っていた。今日を訪れたのは他軍基地だが基地司令からの許可をもらい勧誘にきていた。

伊藤は帝国軍の軍服を着て、基地内を回っていたため注目の的となっていた。まず訓練兵を見に行った。

そこには、男女合わせて6人の訓練兵がいた。

 

伊藤「あの男のほう、本当に訓練兵か?他と比べて動きが違い過ぎるぞ。あいつも一応、リストに入れておくか。それにしてもあそこにいる教官どこかで見たことあるな」

 

伊藤は思い出し、

 

伊藤「富士教導団の写真に写っていた人か。確か大陸にも行っているはずだな」

 

伊藤は訓練をしている最中だったが、話をかけることにした。

 

伊藤「すいません。後ででいいので少し話をしたいことがあるんですがよろしいでしょうか?」

 

「今は、訓練中なので休憩の時でよろしいでしょうか?」

 

伊藤「ええ、構いません。ではあの辺で待たせてもらいます」

 

伊藤は近くの建物で待つことにした。

数十分後、休憩に入ったのかこちらに向けた歩いてきた。

 

伊藤「お時間を取らせて申し訳ない。自分は日本帝国陸海空統合軍アルファ大隊隊長を務めている伊藤響少佐です」

 

⁇?「国連軍横浜基地衛士訓練学校の教官をやっています神宮司まりも軍曹です。ご用件は何でしょうか?」

 

伊藤「単刀直入に言わせてもらいます。統合軍ブラボー大隊に来てくれませんか?」

 

まりも「その前に1つ、統合軍とは何です?」

 

伊藤「統合軍とは、当初、帝国空軍として発足しましたが主な任務が多用途に渡ることや特殊な機体も使うことから独自の権限をもつ軍として再編成されたものです。現在、統合軍にはアルファ大隊、ブラボー大隊、デルタ大隊があります。この中でデルタ大隊だけには、独立部隊としての行動権限が与えられています。………」

 

まりも「すいません。統合軍についてはわかりましたがそれで何故、私のスカウトを?」

 

伊藤「あなたは、一時期大陸にいましたね。それから富士の教導団にも。簡単に申し上げますと経験です」

 

まりも「経験ですか?」

 

伊藤「ええ、先程も説明した通り、統合軍では特殊な機体を使います。その機体を乗りこなすには新兵からでは遅すぎるためベテランのパイロットを集めています。まあ、その部隊ごとに例外はありますが」

 

まりも「少し考えさせてもらっても?」

 

伊藤「いいですよ。11月の最初ですかね部隊とともにまた訪れると思うのでその時に返事を聞きます。お忙しい中ありがとうございました」

 

伊藤は、そう言いその場を立ち去った。

伊藤は今日の訪問許可のお礼と基地内の滑走路使用許可をもらうため、司令官室に来ていた。

 

伊藤「2日間ほど滑走路をお借りしてもよろしいでしょうか」

 

「どうぞ、使ってください。但し、コード991が出た場合はこちらでは対処できなくなるためその間の防衛はお任せします」

 

伊藤「ありがとうございます。我が隊が24時間、警備します」

 

伊藤は部屋を後にした。

次にシミュレータールームに行き、各衛士の動きを見ていた。対人戦をしている真っ最中だった。だがどうにも動いているシミュレーターの数が少なかった。

伊藤は不思議に思った。この基地も極東の最前線に位置する基地だというのに明らかに強化服をきた衛士の姿が殆ど見受けられなかったのだ。

伊藤は近くの衛士に話を聞いた。

 

伊藤「すまんがここのシミュレーターはいつもこんな感じなのか?」

 

「ええ、でもいつもよりは動いている方ですよ」

 

伊藤「他の衛士はどうしているんだ?」

 

「寝てるじゃないんですか」

 

その返答は完全に緩みきっていた。位置的には最前線にあるものの基地内の感じは完全に後方基地そのものだった。しばらく見ていると古参とも言える衛士が入っていくのが見えたが腕が落ちているように感じられた。

事前に仕入れた情報ではもっと腕のたつ衛士がいると言われていたのだが伊藤はこの惨状にびっくりし同時に怒りを覚えてきた。

伊藤はヘッドセットだけをつけシミュレーターの中に入り現在基地内で動いている全てのシミュレーターに向けて通信を送った。

 

伊藤「手前らの鼻へし折ってやるから全機でかかって来いよ!」

 

すると一気に30もの機体がレーダーに映し出された。

その数分後、伊藤はシミュレーターから降りてきた。勝敗は完全勝利となった。被弾箇所はゼロだった。

 

伊藤は昼食をとってから基地内を出た。

次に向かった先は帝国の技術工廠である。そこでは心神の共同開発の存続か否かを決める話し合いが起こっていた。

伊藤は、ある部屋を訪れた。ドアをノックし入室した。そこに居たのは唯依だった。

 

唯依「伊藤、久しぶりね。どうしたの急に」

 

伊藤「予定より早く終わったもんで、少しよってみようかなと。んでどういう状況だ?」

 

唯依「どうもこうもないわ。どんな提案をしてもダメだ。反対だの繰り返しよ」

 

伊藤「さっさと再開して、ユウヤに会いたいのにな〜」

 

唯依「そうね。…⁉︎」

 

唯依は顔が赤くなり

 

唯依「何言わしてるのよ。邪魔しに来たのならさっさと帰って」

 

伊藤「いやいや、俺もこの会議に言いたいことがあって来たんだ」

 

唯依「え?」

 

休憩が終わり、会議が再開された。

 

「何故ここに伊藤少佐がいるのかね?」

 

伊藤「私が2つ提案したいことがあるので途中ではありますが参加しているだけです」

 

「提案とは何かな?」

 

伊藤「では1つ目ですが、開発試験をここ日本でやったらどうですか?この日本は極東での最前線だ。やろうと思えばいつでも実戦ができる」

 

「それはいい案だな。パイロットも日本人でやるならその案を飲むぞ」

 

伊藤「それでは意味がないです。あの開発試験は誰でも使いやすくするためにパイロットデータを取って居たのでまた、新たな人でやると最初からになり実戦配備が遅れます。ただでさえ、激震も耐用年数ギリギリでありながら今なお最前線に立ってる状態です。そんな中また最初からではいつ戦線が崩壊するかわかったもんじゃないですよ」

 

「君の隊の心神は実戦配備になってるじゃないか、あれはどういうことかね」

 

伊藤「デルタ大隊所属の黒鉄少佐が半分ほど作ったデータに各パイロットのデータを入れ動かしている状態なんです。簡単に言うと量産機ではなく個人の専用機になってるんです」

 

「そういえば、2つ目を聞いていなかったな」

 

伊藤「(話を変えやがったな)現在、限定的に国連軍に配備されている94式不知火を全国連軍衛士に使えるようにしてくれませんか?」

 

「なんだと⁉︎」

 

「ふざけるな!」

 

伊藤「ふざけていませんよ。国連軍の機体の殆どがF-4ファントムだ。今後、大規模な反攻作戦をやると足並みが揃わず、作戦に遅れを取り、被害がでることが予想されます。そうなる前に機体を解放し少しでも被害を抑えることが今やるべきことなんじゃないんですか?違いますか!」

 

「だがこの日本にも不知火は配備が間に合ってない状況で国連軍に完全に明け渡すなど」

 

伊藤「だから、さっさと心神の試験を再開して直ぐに実戦配備させるんです。すでに機体は完成しており、残るはパイロットデータのみ何です」

 

「………わかった。その案を飲もう。早速手続きを取ってくれ。但し、護衛をつけさせろ」

 

伊藤「わかりました」

 

会議は終了し、

 

伊藤「唯依、後は頼んだ。あいつらの迎えはこちらで用意するから」

 

唯依「わかったわ」

 

伊藤「日にちが決まったら教えてくれ」

 

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