Muv-Luv〜wing of white steel〜   作:lancer008

35 / 91
第三十四話

アクロススカイは、フォールドを使わず、慣性航行にて地球への帰途へついていた。

理由は、早急に統合軍本部との会議をしなければいけなかったからだ。

 

「まさか、作戦指令書があったとはな」

 

「どうしますか?」

 

「こちらとして伊藤少佐が来るまではなんとも言えんな」

 

すると伊藤が入室してきた。

 

伊藤「申し訳ない。遅れた。それでその指令書の内容は何ですか?」

 

上総「月の制圧だそうよ」

 

伊藤「月なぜだ?」

 

上総「もし降下作戦中に上から来られたらたまったもんじゃないと言うことよ。簡単にいうとね」

 

伊藤「全くあいつもよく考えやがる」

 

「ではどうするので?」

 

伊藤「やるしかないでしょう。この軍での初めての実戦だ。基地直轄防衛部隊とブラボー大隊第1部隊スカイ隊第3分隊は残りその他の部隊は全機、宇宙に上がります。それでいいですか?」

 

「そうなるとアクロススカイには搭載しきれませんよ」

 

伊藤「搭載部隊は、前線基地に残って頂けませんか?その分、地上にいる部隊を降下ポットとアクロススカイにて運びますので」

 

「ならそうしましょう。急ではありますが全衛士に待機命令を出します」

 

伊藤「お願いします。アクロススカイはどのくらいで到着できますか?」

 

「これからフォールドを行いますので、半日ほどで到着します」

 

伊藤「統合軍のドックはまだ出来てないので、国連軍の横浜基地へ降りて下さい話は通してあります。一応、ステルスモードで降下して下さい」

 

「わかりました」

 

会議は解散となった。

 

伊藤は一旦、自室に行き唯依にユウヤたちの迎えが行けなくなったことを伝えた。ユウヤたちには船で来てもらうことになった。

そして、基地内にいる全部隊長、分隊長を集めての会議を開き月への降下順や今回使用する兵装を決めた。主に使っているのは実弾兵装だが、今回の部隊は宇宙のため全機に荷電粒子系の武器が装備された。

装備が完了した機体から順に降下ポットに搭載された。ナイトメア隊がいるアルファ大隊は全機アクロススカイに搭載されることになった。

 

 

 

後日、国連軍横浜基地内には見たこともない程の巨大な船が停泊していた。その船からは多数の物資が降ろされトレーラーに積み込まれ何処かに運ばれていた。

 

その頃、伊藤は出撃の準備をしていた。荷物を整理していると背後に人の気配を感じた。振り向くと帝国情報省の鎧衣がいた。

 

伊藤「どこから入って来たんですか?」

 

鎧衣「普通にメインゲートからですが」

 

伊藤「まあいいや、用はなんですか?」

 

鎧衣「あなたにお会いしたいと言ってる人がいましてね。今からお会いできませんかね?」

 

伊藤「今は無理だ。見てわからないのか出撃前だぞ」

 

鎧衣「それがもうメインゲート前にいましてね」

 

伊藤「はぁ〜〜。わかりました。通して下さい」

 

数分後、鎧衣とともに数名の警備員に連れられ2人の女性が歩いて来た。1人は若く、もう1人は歳をとっていた。伊藤は見た感じ少し高貴な女性だと思っていたがそれは違った。

 

伊藤「あのう、すいません。この方は?」

 

歳をとっていた女性が

 

「無礼であるぞ。煌武院悠陽殿下であらせられるぞ」

 

伊藤はまだ誰だかわからない顔をすると鎧衣が、

 

鎧衣「伊藤少佐は、日本帝国国務全権代行政威大将軍殿下を知らないのかい?」

 

伊藤は、一瞬止まり

 

伊藤「失礼しました。日本帝国陸海空統合軍アルファ大隊隊長伊藤響少佐です。先程は失礼しました」

 

殿下「よい。伊藤とやら私も今回の作戦、私も連れってくれないか?」

 

伊藤「へ?一体どこからその話を?」

 

伊藤は困惑していた。つい半日ほど前に決まったことがすでに殿下が知っていたからだ。帝国には演出のため宇宙に上がるとしか言っておらず今回のことは秘密にしといたからだ。

 

伊藤「ご冗談を。艦内見学ならまだしも今は作戦前です。また後ほどということは出来ませんか?」

 

殿下は首を横に振った。

 

伊藤「ならこの基地で観戦して下さい。リアルタイムで戦闘の様子を見ることができますし、基地防衛部隊もいますので。今回はこの軍としての初めての作戦ですのでお願いします」

 

伊藤は頭を下げた

 

殿下「まあ、いいでしょう。また、今度ということで。他に人を連れて来ても大丈夫ですか?」

 

伊藤「はい、大丈夫です」

 

殿下は立ち上がり、退室した。部屋を見渡すと鎧衣もいなくなっていた。

 

伊藤が格納庫へ行くとアルファ大隊全員が待機していた。

 

伊藤「全員準備は出来たか!」

 

「完了しました!」

 

伊藤「では全機出撃、横浜基地にいるアクロススカイに着艦しろ」

 

「了解!」

 

全パイロットが自身の機体に走っていき分隊ごどに出撃していった。伊藤は全機が飛び立ったのを確認し飛び立った。ブラボー大隊はアクロススカイが離陸した後に出るためまだ基地内残っていた。

伊藤がアクロススカイに着く頃には全ての機体が着艦していた。伊藤自身も着艦し、機体から降りると整備員が駆け寄ってきて

 

「国連軍から呼ばれていますよ」

 

伊藤「わかった。場所は?」

 

「士官室です」

 

ノーマルスーツのまま向かった。入室すると以前、勧誘した神宮司まりも軍曹ともう1人の女性が座っていた。階級からにして大尉だった。伊藤はなんとなく予想がついていた。

 

伊藤「今日はどういった用件で?」

 

まりも「この間の返事を返す前に1つ要望がありまして」

 

伊藤「なんでしょうか?」

 

まりも「私も連れってもらえないでしょうか?」

 

伊藤「それは観戦という形ですか?」

 

まりも「いいえ、戦闘という形で」

 

伊藤「覚悟はありますか?これから戦闘を行う場所は宇宙です。もしベイルアウトしても方向感覚を失えば生きては帰れないでしょう。それでもやりますか?」

 

まりも「はい。行きます」

 

伊藤は、まりもの隣に座る女性を見て

 

伊藤「あなたはどうしますか?横浜基地司令部直轄特殊任務部隊A-01隊長の伊隅みちる大尉」

 

伊隅「私は今回、副司令の命令で貴方に交渉に来ましたが、既に知っていましたか?」

 

伊藤「予想はついたさ。どうする参加するかしないか?」

 

伊隅「します」

 

伊藤「なら、残りの部隊員も連れて、直ぐにシミュレーターを行ってくれ。機体は用意する」

 

まりも・伊隅「ありがとうございます」

 

伊藤「ではよろしく頼む」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。