Muv-Luv〜wing of white steel〜   作:lancer008

49 / 91
第四十八話

休暇1日目

 

黒鉄は自身の機体を磨いていた。隊のメンバーは帰省するなりして既に基地にはいなかった。隊の格納庫は黒鉄の機体があるだけで他の3機は整備や乗っていくなどして機体もなくなっていた。

黒鉄は久しぶりにデルタカイの装備を全て外し細部まで磨いていた。戦闘での傷は取れないのでフレームを変えずある程度削り遠目から見えない程度に仕上げていった。ただし、大きい傷などは大気圏降下時に異常が出ると悪いのでそれはフレームごと交換していた。

それでも半日ほどで終えてしまいやる事も特にない為、伊藤の教導様子を見に行くことにした。

 

 

伊藤も基地司令から命令で明日から4日間の休暇を言い渡せられていたため教導の調整に手間取っていた。本当は、この4日間で終わるはずだった教導も終われなくなり自分達の隊の訓練も出来なくなる可能性が出てきたからだ。

伊藤が頭を悩ませていると室内の電話が鳴った。出ると黒鉄だった。

 

黒鉄「差し入れ持ってきたから中に入りたいんだけど」

 

伊藤「今、迎えをやるから待っててくれ」

 

数分後、黒鉄が入室してきた。黒鉄の手などに沢山の袋を持って入ってきた。

 

伊藤「お前らしくもない。どうした?」

 

黒鉄「やる事がなくて暇なんだ。部隊員は全員帰省したし」

 

伊藤「そうか」

 

黒鉄「今何してるんだ?」

 

伊藤「シミュレーターを使っての対BETA戦闘だ。BETAは今まで相手してきた全ての戦闘データが入れられている」

 

黒鉄「それは、面白そうだな。混ざっても?」

 

伊藤「どうぞ、どうぞ」

 

シミュレーターの前ではブレイド隊と伊隅ヴァルキリーズの面々が話をしていた。伊藤が作った対BETA模擬戦闘プログラムはウェーブごとに強さと数が増えていくのだ。1から10までは光線級無し。10以上は光線級有り。現在のところ15まで行き、あと一歩のところまで行くが全滅してしまう状態だった。

 

上丘「ウェーブ13まで無傷で行けませんか?」

 

伊隅「無理です。ただでさえあれだけの数の光線級を殲滅しなければいけません。無傷で行くのは不可能です」

 

上丘「ですが………」

 

黒鉄「上丘、無茶を言うな。全員がお前らみたいに強くは無いんだ」

 

全員が黒鉄の方を見た。ブレイド隊全員は黒鉄に向け敬礼をした。

 

上丘「お久しぶりです。黒鉄中佐」

 

黒鉄「また、無茶なことを言ってるな。そんの癖、治らねえのか?」

 

上丘「無理ですね」

 

伊隅「この人は?」

 

黒鉄「自己紹介がまだだったな日本陸海空統合軍直轄陸海空特殊作戦部隊隊長、黒鉄 達海中佐だ」

 

伊隅「横浜基地司令部直轄特殊任務部隊A-01部隊隊長の伊隅 みちる大尉です」

 

上丘「どちらも長い名前ですね」

 

黒鉄・伊隅「うるさい!」

 

同時に出た言葉に笑いが漏れた。

 

上丘「それで、中佐も参加するんですか?」

 

黒鉄「ああ参加する。それより俺の記録はまだ誰も抜いていないのか?」

 

上丘「あなたの65ウェーブクリアはまだです」

 

場が一瞬で凍りついた。そこにいた全員が黒鉄ののとをバケモノだと思った。

 

黒鉄「機体データ持ってきたから入れてくれ」

 

機体データが入るまで皆で話しをしながら待機していた。話題はやはり、どう65ウェーブまでクリアしたかだった。機体の性能もある中、1番は兵装の差だ。従来の戦術機の兵装は主に実弾である。36mm突撃砲や120mm滑空砲が殆どで荷電粒子系の兵装を装備しているのは統合軍のみである。ガンダムデルタカイが装備しているロングメガバスターはジェスタが装備している荷電粒子ライフルとは段違いの威力を持つ、そのため約100体のBETAを一撃で倒す威力がある。

 

伊隅「武器の威力が違い過ぎる」

 

黒鉄「まあ、その分エネルギーの消費量は凄いがな」

 

機体のデータが入れ終わった。

 

上丘「黒鉄中佐。ノーマルスーツは?」

 

黒鉄「要らないこのままで十分だ。ヘッドセットだけ貸してくれ」

 

上丘「大丈夫ですか?Gなども簡易的にですがきますよ」

 

黒鉄「大丈夫だ。時間が惜しい行くぞ」

 

全員がシミュレーターに入り戦闘を開始した。1人残された伊藤は、

 

伊藤「あいつら死んだな」

 

 

8時間後

 

戦闘が終わったのか全員が死んだ顔をして出てきた。ただ1人、黒鉄だけは少し汗をかいているだけだった。

 

伊藤「おつかれ」

 

黒鉄「あのくらい行ければ十分だろう」

 

伊藤「40ウェーブによくこれだけかかったな」

 

黒鉄「ファンネル外したからな。じゃあ俺は帰るよ。明日も早いし」

 

伊藤「上総が降りてくるんだっけか?」

 

黒鉄「ああ、お前も明日出迎えに来い」

 

伊藤「了解した」

 

黒鉄「それ食わしておけよ」

 

伊藤「了解」

 

黒鉄は基地を出て自分の家へと向かった。

 

 

休暇2日目

 

黒鉄は滑走路付近で、空を見上げながらたっていた。そこに伊藤や唯依、ユウヤが来た。全員が上総の出迎えで来ていた。

管制官からはもう数分後に到着すると連絡が来たため空を見ていると5機の機体が見えた。5機とも可変機であった。上総以外の機体はZ系の機体に見えた。機体の全貌が見えてきていた。

 

伊藤「Zプラスかな?」

 

黒鉄「多分、それだろう。それよりもあのデルタプラスなんだ?形が変わり過ぎているんですけど」

 

5機の機体が黒鉄達の真上を飛んで行き、滑走路に着陸するため旋回を行なっていた。

 

伊藤「完璧に乗りこなしているな。相当乗り回したな」

 

黒鉄「従来の兵装とあの円柱のはなんだ?」

 

黒鉄は何かに気づきもう一度機体をよく見た。

 

黒鉄「ファンネルが装備されている」

 

伊藤「ああ⁉︎あれはニュータイプか強化人間しか………。まさか⁉︎」

 

黒鉄「そのまさかだろう。まあ、降りてきたら聞いてみるさ」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。