Muv-Luv〜wing of white steel〜   作:lancer008

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第五十五話

「衛生兵、こっちだ!」

 

「トリアージを取り、赤から運べ!」

 

「こいつもお願いします!」

 

「そいつはもう駄目だ!間に合わない!」

 

スカイ隊格納庫は地獄絵図となっていた。爆発により身体の上半分を失しなった者、銃撃により身体が穴だらけになった者、床には血溜まりができていた。外ではウィング隊やセイバー隊、ガード隊が警備を行なっていた。機体の残骸が転がり、燃えている残骸もあった。

 

堂上「ガード1からセイバー1へ、全機損害なし」

 

真田「こちらウィング1-1、第2小隊2機撃墜、1機大破、第3小隊2機小破、第1小隊は戦闘に支障なし」

 

他の隊は損害無しだった。

 

伊藤「セイバー1から各隊へ、交代で休息を取れ長い戦いになるぞ(基地防衛システムが作動したか、これで空からの攻撃は殆どないな)」

 

基地防衛システムとは、イージスシステムを使った防衛システムで主に中型種に使用される基地フェンスに沿って多数の自動給弾式多目的20mmCIWSやオート・メラーラ127mm砲、滑走路脇には多目的VLSミサイルがある。

今回は対空対地用に設定されている。IFFに該当の無い軍車両や戦術機が接近すると自動的に攻撃を開始する。

 

「HQからセイバー1へ、応答を」

 

伊藤「こちらセイバー1、何だ?」

 

「イージス隊より緊急通信です。アメリカ太平洋艦隊が相模湾沖に展開を開始しました。それに伴い、現在艦艇部隊と合同訓練中だったアルファ大隊ナイトメア第1、第2、第3が急行中です。並びにスクランブル待機をしていた第4も向かわせます」

 

伊藤「いや、第4はそのまま待機。代わりに第1部隊が向かう。基地防衛の為の指揮官は真田少佐に委譲します。黒鉄中佐から何か連絡は?」

 

「今のところ何もありません」

 

伊藤「わかった。真田少佐、ここをお任せします」

 

真田「おお、任せとけ」

 

伊藤は、僚機を連れ艦隊へと向かった。

 

伊藤「セイバー隊全機へ、俺たちは艦隊上空に到達次第、現在、前衛で警戒監視を行なっているナイトメア第1と交代し監視任務にあたる。その際、アメリカ軍からの威嚇射撃や一時的なロックオンアラームが鳴った場合は自衛権として発砲を許可する」

 

「一部の兵装だけですか?」

 

伊藤「いや、全武器使用許可だ」

 

「了解」

 

相模湾までは基地からさほど離れていないため十数分程で到着した。伊藤は旗艦の翔鶴へと通信を行なった。基地の状況を伝え、監視の任務に着こうとした時、基地より艦隊に対し緊急通信が送られてきた。

 

「HQから艦艇部隊へ、任務を中止し伊豆半島から東15キロ地点に移動せよ繰り返す任務を中止し…………」

 

伊藤「セイバー1からHQへ、何があった?」

 

「クーデター軍が首相を含む内閣官僚を殺害、現在仙台に臨時政府が開かれそこで米軍との安保理が決まったとのことです。一刻も早く鎮圧するため米軍が戦闘に加わるそうです」

 

伊藤「わかった。伊豆の方は誰の指示だ?」

 

「黒鉄中佐からです。要請が来るまで待機せよとの事です」

 

伊藤「了解した。セイバー隊、艦隊が移動を完了するまで殿をする。状況維持で待機せよ」

 

「了解」

 

艦隊は回頭を開始し、伊豆半島に向けて進み出した。

 

 

 

数十分前

 

黒鉄「もうどのくらいだ?」

 

「数分で到着します!」

 

黒鉄「急げよ。大臣大丈夫ですか?気をしっかり持って下さい」

 

乗車の際の銃撃戦で国防大臣の脇腹に銃弾が命中した。弾は貫通していたが、出血が止まらなかった。一刻も早く治療を受ける必要があった。突然、銃座に着いていたランサー4が、

 

「6時方向!敵LAV!」

 

黒鉄「数は⁉︎」

 

「3台!内1台は対戦車誘導弾を装備している模様」

 

黒鉄「迎撃態勢につけ!ランサー4、撃たせるな!」

 

「了解!」

 

黒鉄「WWSよりHQへ、もう直ぐ到着するガード隊を準備させてくれ。防衛システムは⁉︎」

 

「作動中です。速射砲並びにCIWSを敵車両にロックします」

 

黒鉄「正門から入る!………」

 

「誘導弾来ます!」

 

「フレア射出!」

 

「真上を通過!もう1発来るぞ!」

 

黒鉄「ランサー3、正門から突っ込め!」

 

「了解!」

 

黒鉄達を乗せた装甲車が正門を突破すると後方について来ていた敵車両に向けて速射砲やCIWSが発砲を始め一瞬で穴だらけになり爆散炎上していた。

装甲車はそのまま、格納庫内に入り護衛目標をガード隊に渡した。

 

黒鉄「準備が出来次第直ぐに出発だ。時間は待ってくれないぞ。第1ヘリポートに集合しろステルスヘリにて目的地に向かう。今回の装備は完全ステルスだ。消音機器を忘れるな、行くぞ!」

 

「「「了解」」」

 

黒鉄達はヘリに乗り目的地に向かった。そこは自分達の機体を置いた場所でもある。目標ポイントに着くと雪が積もり機体が見えなくなっていた。

 

黒鉄「よし全員行くぞ!情報省の男が待機している。そいつの誘導に従って目標まで行く。無闇な発砲は避けろ。発砲をするのは相手が武器を携帯していた時のみとする」

 

黒鉄達は目標に向けて進軍した。乗ってきたヘリは機密の流出を防ぐため破壊し、雪に埋めた。

 

 

その頃、ブレイド隊はA-01部隊と共に待機していた。

 

上丘「伊隅大尉、もし俺が退けと言ったら直ぐに退いてください。もし退かなかったら命の保証は出来ません」

 

伊隅「わかりました。ひとつ教えて頂けませんか?」

 

上丘「何でしょうか?」

 

伊隅「情報にあった"蒼い炎"とは何ですか?」

 

上丘「簡単に言うとバケモノと言っておきます。ここから機密事項になるため中佐に聞いてください」

 

伊隅「中佐というと?」

 

上丘「直ぐにお会いになると思いますよ」

 

 

 

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