Muv-Luv〜wing of white steel〜   作:lancer008

59 / 91
第五十八話

黒鉄「こちらランサー隊、着艦許可を求む」

 

「こちら翔鶴、着艦を許可します。1機ずつ着艦願います」

 

黒鉄「ランサー1、了解。全機、指示があり次第、順次着艦せよ」

 

「「「了解」」」

 

黒鉄は翔鶴に着艦した後、機体を降り艦橋へと向かった。艦橋では多くの人の声が飛び交っていた。黒鉄は艦長に話し掛けた。

 

黒鉄「こちらの状況は?」

 

「今のところは大丈夫だ。弾薬類も満載で出航したからな。ただ、ナイトメア隊に関しては被弾率が著しい既に3分の1の機体が行動不能だ。応援でナイトメア第4小隊を呼ぼうと思ったんだが統合軍基地も波状攻撃にあっているようで応援は無理だそうだ」

 

黒鉄「そうですか。戦艦の方はどこまで?」

 

「護衛艦と輸送艦を数隻を連れ、もう数十分程で合流予定だ。ところでデルタ大隊の方は?」

 

黒鉄「緊急の場合に備え待機中です。先程、調整中だった第2部隊が整備が完了したと報告がありました。こちらにも何機か降ろしますか?」

 

「第3部隊を頼む。前線を支援する機体が減ってきているため直掩機も前衛に出ている状況だ。もしもの場合に備えて弾幕を張れる機体が必要だ」

 

黒鉄「わかりました。後、全艦艇に伝えて下さいいつでも撃てる用にと。最悪、面制圧をします」

 

「わかりました。全艦艇に伝えます」

 

黒鉄は機体の方へと向かった。部隊員が軽食を取り待機していた。各機体には弾薬や推進剤が満載され予備兵装なども備えつけられていた。時折、弾薬補給の為、ナイトメアが着艦する音が聞こえてくる。整備員が慌ただしく動き次々と指示を飛ばしていた。

 

黒鉄「全員、そのままで聞け。これからセイバー隊と入れ代わりで脱出部隊の護衛に入る。兵器使用は極力抑え弾薬を節約しろ。何か質問は?」

 

「現在の状況は?」

 

黒鉄「既に殆どの防衛線が突破されている。保持しているのはブレイド隊が出向している国連のA-01部隊のみだ」

 

「ブレイド隊への撤退命令は?」

 

黒鉄「今は囮として動いている。時間が稼ぎ次第撤退その後、待機している艦艇部隊からの面制圧を行う」

 

「もし、撤退出来なかった場合は?」

 

場に重い空気が流れた。

 

黒鉄「その時はその時だ。砲撃を実行する」

 

「わかりました。ではこれより出撃を開始します」

 

解散し機体の方へと歩いて行った。

黒鉄は整備員と2、3言はなしハッチを閉め、機体の拘束を解除した。機体をエレベーターまで動かし甲板に移動した。カタパルトに接続し出撃した。

 

 

 

その頃、ブレイド隊は

 

上丘「ブレイド1からブレイド各員へ防衛線を維持するぞ」

 

「「了解」」

 

ブレイド隊はA-01部隊とともに防衛線を維持していた。押し寄せる敵機は時間が経つにつれ増していき全員に疲れが溜まってきていた。

 

「HQよりブレイド1へ、応答願います」

 

上丘「なんだ⁉︎こっちは戦闘中だ!」

 

「120秒後より撤退を開始して下さい。240秒後より艦艇部隊での面制圧を開始します。至急、空母"翔鶴""瑞鶴"まで退避して下さい」

 

上丘「こんな状況でよく言ってくれるな。ブレイド隊全機撤退だ。A-01部隊もだ。至急、空母"翔鶴""瑞鶴"まで退避する。伊隅大尉、部隊をまとめろ!」

 

伊隅「上丘大尉、空母はどこにいるんですか⁉︎」

 

上丘「レーダーに表示されているだろう!」

 

伊隅「ありません!」

 

上丘「(そうか!こちらのレーダーはイージス隊、艦艇部隊、デルタ1とのデータリンクで確立している。伊隅大尉が率いるA-01部隊とはデータリンクが確立してないんだ)ブレイド1からHQへ、国連軍A-01部隊へのデータリンク許可願います」

 

「こちらHQ、許可する」

 

上丘「伊隅大尉!A-01全機に伝えらろ。今から言うコードに接続し、レーダーに目標地点が出たら全速力でそこに向かえもう時間がない!コード○○○○○-○○○以上」

 

伊隅「接続しました。これより目標地点に向かいます。全機続け」

 

「「「「了解」」」」

 

上丘「ブレイド2、3!お前らも一緒に行け!殿は俺がする」

 

「「了解」」

 

ブレイド1だけが戦場に残った。面制圧まで残り2分を切っていた。レーダーを確認すると多数の敵機がブレイド1に向けて進軍してきていた。

 

上丘「残り1分になるまで全力で戦わせてもらうぞ。あの時、バケモノといったが自らバケモノになろうとはなリミッター解除、解除確認。n_i_t_r_o起動、起動確認。最悪の場合は何機かは道連れだな。行くぞ!」

 

ブレイド1は今まで見た事も無い速さで動き出した。まずはじめに近づいてきていた3機を落とした。遠方から狙おうとしていた敵機はロックオンが定まらず逆にコックピットを撃ち抜かれた。

これだけ速く機体が動いていれば中にいる人間は大変な事になっている。だがこれは普通の衛士の場合である。

ブレイド1こと上丘 蒼紫は元は帝国斯衛軍出身である。一般で入隊しその腕は赤と並ぶほどの腕前だった。だがそれを良しとしない者に辞めさせられ、その後は国連軍軌道降下兵団に加わり海外での戦闘に参加したこともあった。BETAが日本上陸する前に戻り帝国陸軍に入隊した。その後の帝都防衛線にも参加し部隊が後退するまでの約10分程、1人で殿をし生き残った。その後、黒鉄から勧誘を受け統合軍に入隊した。

現在の統合軍内でも唯一多くの実戦を経験している1人でもあり格闘戦においては伊藤に引けを取らない衛士でもある。

 

上丘「そろそろ撤退時間か。n_i_t_r_o解除」

 

上丘は機体を艦艇部隊の方向へ向け、全速力で進み出した。

先に撤退していたA-01部隊は艦艇部隊と合流し着艦作業を行なっていた。それと同時に戦艦や巡洋艦が戦場に砲身を向けいつでも発射出来るよう待機していた。すると高速で接近してくる機影がいた。上丘だった。

翔鶴の飛行甲板は慌ただしくなり整備員達が右往左往し出した。

 

「緊急着艦、緊急着艦!各員は配置につけ!」

 

「来るぞ!」

 

ボロボロになった機体が着艦しようとしていた。少しふらつきながらも無事着艦した。機体に整備員が駆け寄っていきハッチを開けた。中からふらつきながら上丘が出てきた。外ではもしものために担架も用意されていた。

 

「大尉!大丈夫ですか?」

 

上丘「大丈夫だ。少し休ませてくれ」

 

上丘は整備員に肩を担がれ医務室に運ばれた。

そして上丘が到着と同時に戦艦や巡洋艦が砲撃を開始した。駆逐艦などからは続々とミサイルが発射された。続々と着弾してくる音が聞こえた。ミサイルに関してはイージス隊が誘導して砲弾を回避する機体に命中していく。

 

 

 

同時刻

ランサー隊はセイバー隊に合流するため攻撃を回避しながら向かっていた。遠くの方では爆音が鳴り響いていたため面制圧が開始されていた。

 

黒鉄「ランサー1よりセイバー1へ、2分程で到着する」

 

伊藤「こちらセイバー1了解。少し不味い事態になってな」

 

黒鉄「どうした?」

 

伊藤「殿下が耐Gスーツを着ずに戦術機に搭乗していたため"重度加速病"になってな、今その事で斯衛軍と米軍の奴らが口論になってな」

 

黒鉄「わかった」

 

 

 

約30分前

 

時はランサー隊が離脱した時刻まで遡る。ランサー隊が離脱した後、セイバー隊が引き継ぎいた。

 

伊藤「補給はどのくらいで終わりますか?」

 

神宮司「もう10分程ですかね」

 

伊藤「少し早めて下さい。最悪の場合、追いつかれます」

 

神宮司「わかりました」

 

数分後、補給が完了し出撃した。

セイバー隊はガウォーク形態で並走しながら警戒にあたった。

 

「4時方向より敵機接近!機影多数!0時方向よりも機影接近、これは米軍です」

 

伊藤「全機聞いたな。前の奴らには銃口を向けるな。友軍だ。後ろは俺たちがやるお前達はそのまま進め。セイバー3、続け!」

 

「了解」

 

セイバー1、3が離脱した。

 

「ブレイド隊がやられたんですかね?」

 

伊藤「いや、それはないだろう。他のところがやられたんだ。詳細は目の前の敵を倒してからだ」

 

「了解」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。