Muv-Luv〜wing of white steel〜 作:lancer008
アクロススカイが到着する20分前
戦術機部隊の回収を完了し防衛線へと向かっていた。
搭載したのは統合軍8機、斯衛軍4機、国連軍7機、米軍2機、クーデター軍45機程だった。既に搭載量を超えていたため何機かは駐機用甲板に置くことになった。次々に機体に補給が行われていくなか後部デッキにはブレイド隊とヴァルキリーズが武御雷TYPE00Rを運び込んでいた。
ブリーフィングルームには今いる全衛士が集まっていた。少し遅れてブレイド隊とヴァルキリーズも入室した。
黒鉄「全員集まったな。時間がないので簡単に現在の状況を伝える。現在、防衛線では帝国軍、統合軍が迎撃にあたっているが今なおBETA群は上陸し続けている。イージス隊からの報告では既に3万を超えるBETAが上陸し殲滅されている。
今現在、応援として出ている部隊はここにいる衛士だけだ。東京ではまだ戦闘が続いているため応援は出せない状況だ。
そこで我々は5軍合同での迎撃戦を開始する。ランサー隊、セイバー隊、斯衛軍、国連軍A-01部隊は前衛部隊として突撃級、要塞級の殲滅を主にし、米軍と国連軍訓練兵は後衛のファング隊とともにアームズ隊の護衛を。最後にクーデター軍いや、帝都守備連隊は後衛にいる全ての隊の護衛を任せる。出撃は5分後、では準備を」
全員が立ち、自機の元へと向かおうと退出した。
黒鉄「ブレイド隊、残ってくれ。別件がある」
黒鉄は室内にブレイド隊だけになったことを確認し話始めた。
黒鉄「大丈夫か、上丘?」
上丘「なんとか」
「無理しないで下さいよ。あれだけの機動をこなしてるんですから」
黒鉄「少しだが、戦闘データ見せてもらった。だいぶ無理なことをしたな」
上丘「大丈夫ですよ」
黒鉄「無理は禁物だ。そこでだ、簡単な任務をやってもらう」
上丘「何ですか?」
黒鉄「ある機体に乗ってもらいたい。ただ、立っているだけでいい、ブレイド2、3、4はその護衛だ」
上丘「その機体というのは?」
アクロススカイの周りには出撃した機体が飛行していた。そして甲板上には将軍機専用の紫の武御雷が立っていた。74式長刀の切っ先を甲板に突き立て柄頭に両手を添えていた。ただ立っているだけだが将軍機というだけで何らかのオーラを放っていた。
だが、悠陽本人が乗るわけにはいかずその機体には別の者が乗っていた。
上丘「黒鉄中佐、将軍機なんて聞いてませんが」
黒鉄「普通の機体だとは言ってないが」
上丘「(この人は……)だいたい、紫の武御雷て生態認証で将軍とそれに準ずるものでしか操縦できないんじゃなかったですか?」
黒鉄「そこは大丈夫だ。生態認証をお前ように変えといたから自由に使ってくれ。殿下にも許可は貰っている」
上丘「了解しました」
そうこう話しているうちに戦闘の光が見え始めた。殆どの者が実戦を経験済みだが、初陣の者も少なくなかった。アクロススカイから現場の状況がリアルタイムで伝えられていた。先行していたバイパー隊、アーチャー隊が現着し攻撃を開始したようだった。
黒鉄「全部隊のコールサインを言う、統合軍とA-01は既に決められているのを使ってくれ。斯衛軍"インペリアル"、帝都守備連隊"ガーディアン"、米軍"ラプター"、訓練兵"イーグル"とする以上」
続けて、アクロススカイより搭載されていた全隊に対し戦闘開始の命令が下されだ。事前に打ち合わせした通りに展開した。すると甲板上に立っていた武御雷が手を添えていた長刀を手に取り切っ先をBETAがいる方向へと向けた。その瞬間周りにいた部隊から雄叫びが上がった。
アームズ隊が攻撃を開始するとみるみると防衛線が押し上げられた。光線級がいない事もありミサイルや空中からの攻撃で面制圧が予想よりも大幅に効果があり、前衛部隊での突撃級や要塞級の殲滅が順調に進んでいた事もあり殲滅速度が非常に速かった。
前衛部隊の方では主に突撃級の殲滅をしていた。各軍のエース部隊だったため一瞬にして殲滅されていた。黒鉄はふと後衛部隊の方を見た。
黒鉄「流石は精鋭の帝都守備連隊だな」
伊藤「おいおい、自分の元部下を褒めたらどうだ?」
黒鉄「まだまだだよ。無駄弾がもう少し減れば合格点だよ」
伊藤「厳しいねえ〜」
黒鉄「訓練兵もよくやってるな、ん⁉︎教官は2名だったか?」
伊藤「いや、1人だ。もう1人は多分俺らと同じ存在だよ」
黒鉄「本当か!なら会ってみたいな」
イージス隊から連絡が入った。
倉間「イージス1から迎撃中の全部隊へ、現在上陸しているBETAで最後です」
黒鉄「ランサー1、了解。全部隊、殲滅を開始しろ」
「「「「了解!」」」」
上丘「ブレイド1からランサー1へ、こちらも出る」
上丘か搭乗している武御雷が地面に降り立った。
武御雷は、護衛を引き連れBETA群に突撃した。それと呼応して周りにいた部隊も突撃した。武御雷はその能力を持ってBETAの殲滅を始めた。周りにいる者は上丘が乗っている事を知らない為、悠陽が乗っていると勘違いしその強さに驚いていた。
武御雷は、斯衛専用に開発されほぼ全ての機体がその搭乗者専用に調整されている。普通なら乗り慣れていない機体に搭乗すると何かぎこちない動作をするものだが上丘はそうはならなかった。
上丘は元々、斯衛軍所属である。色で階級に差がつくことに嫌気がさし、斯衛を抜け統合軍に来たのである。
上丘「やっぱり黒と全く違うな。最初で最後の経験だから存分にやらせてもらう」
戦闘は約一時間後に終わった。
戦闘終了後、帝都守備連隊は国家反逆罪で拘束された。悠陽はアクロススカイとともに目標地点に到着し帝国軍に引き渡された。
黒鉄「伊藤」
伊藤「何だ?」
黒鉄「あいつら統合軍に呼んでもいいか?」
伊藤「狭霧たちか。そうだなこのまま極刑となり投獄されるよりはうちに来てもらって日本の為、人類の為に戦った方がいいな」
黒鉄「1人でも衛士が必要だ。あれだけの腕を持つんだ」
伊藤「そうだな。新設する部隊にそのまま入ってもらうか」
クーデターは終息した。
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