Muv-Luv〜wing of white steel〜   作:lancer008

66 / 91
第六十五話

伊藤はブリーフィングルームで仮眠をとっていた。

クーデターからというものロクに休みをとっていなかった。そのため、機体の整備中などを利用して休むことが多かった。

上丘が入室した。伊藤の元へ行き身体を揺らした。

 

上丘「少佐」

 

2、3回揺らすと伊藤は目を開けた。

 

伊藤「どうだった?」

 

上丘「医療班からの報告によると問題は無いそうです。ただ、男性の方は極度の"PTSD"です。女性の方は休息を取れば問題ないそうです」

 

伊藤「そうか。(あれから4時間も経つのか)」

 

 

 

 

 

 

 

 

4時間前

 

伊藤「おい!大丈夫か⁉︎」

 

突然の事で返事が返ってこない。

 

伊藤「セイバー1からHQへ、医療班並びに防疫班の出動を要請する!上丘、ブレイド3とともに周囲警戒!ブレイド2、イージス隊に周辺監視を要請、そっちの男の方を見てくれ!」

 

「「「了解!」」」

 

伊藤「大丈夫ですか⁉︎名前言えますか?」

 

まりも「神宮司 まりもです……」

 

伊藤「楽にして下さい。もうすぐ医療班が到着します!ブレイド2そっちはどうだ⁉︎」

 

「おい!座ってろ!少佐手伝って下さい!」

 

伊藤は男性の方へ向かった。

そこにいたのはクーデター前に一度だけ会ったことがある訓練兵だった。ブレイド2の言葉を無視して立ち上がろうとしていた。

 

伊藤「ブレイド2、足押さえろ!セイバー1からHQへ、現地点にいる衛士に鎮静剤投与を要請する!」

 

「こちらHQ、了解」

 

すぐに鎮静剤が投与され訓練兵はおとなしくなった。その後、医療班と防疫班が到着し2人は連れて行かれた。

伊藤は状況説明のため基地司令室へと出頭し今回の経緯を説明した。

 

 

 

そして、今に至る

 

 

上丘「統合軍基地には念の為、連絡はしました。イージス隊を回してくれるそうです」

 

伊藤「あいつらに余裕は無いはずだ。佐渡の警戒に大陸への警戒。息つく暇も無い」

 

上丘「14日に補充が入るそうです。これでやっと2個小隊になり交代での監視が出来ます」

 

イージス隊はこれまで数時間の休憩をしながら監視についていた。怪我などで出撃できない場合はナイトメア隊が臨時で行なっていた。

 

伊藤「上丘、一旦統合軍基地に戻るぞ」

 

上丘「わかりました。ブレイド2、3にも伝えます」

 

上丘は部屋を出た。その後に伊藤も部屋を出て医務室へと向かった。

伊藤は向かっている最中、考えごとをしていた。

 

伊藤「(あの衛士、確か白銀だったか。俺と黒鉄と同じ存在だといった。だがあの動きは対人戦を主としてやって来た動きではない。あの動きはBETAを相手にしてきた戦い方だった。ならあいつは、この世界は初めてじゃないのかもしれない)」

 

医務室に着き、ノックをし入室した。そして、横になっている人に声をかけた。

 

伊藤「神宮司軍曹、大丈夫ですか?」

 

まりもは起き上がろうとしたが伊藤は止めた。

 

伊藤「そのままでいいですよ。突然の事で疲れているでしょうから」

 

まりも「お言葉に甘えて。用件はなんでしょうか?」

 

伊藤「このような事態があったばかりですので任官の件は少しの間、遅らせます。上の方には伝えてあるので………」

 

まりもは突然起き上がり、

 

まりも「いえ、結構です。これまで衛士として多くの修羅場をくぐって来ました。この程度で疲弊する程、ヤワではありません。本当の事を言ってくれませんか」

 

伊藤「戦えますか?」

 

まりも「どういうことでしょうか?」

 

伊藤「もしあの場に我々が居なかったら、貴方は既にこの世にいない。近くに戦術機部隊もいましたがそれでも無理だったでしょう。貴方も見た筈ですBETAが自分を喰らおうと口を開け向かってくる姿を、それでも貴方は部下を引き連れ戦えますか?」

 

まりも「戦えます。地獄はとうに見ました」

 

伊藤はまりもの瞳を見てその強い意志を感じた。

 

伊藤「(問題ないな)わかりました」

 

まりも「先程、“部下を引き連れ”と言っていましだが?」

 

伊藤「まだ、配属先を言ってませんでしたね。後で辞令が届くと思いますが配属先は統合軍ブラボー大隊第1部隊第2中隊“ウォードック隊”隊長です。階級に関してもこれまで教官としての階級でしたがこれからは部隊長の階級として“少佐”としてやっていただきます」

 

まりも「了解しました」

 

伊藤「では私はこれで。任官日は予定通りですのでお忘れにならないように」

 

伊藤は部屋を出た。黒鉄に電話を掛け任官は予定通りだと伝えた。

伊藤は白銀にも会うため部屋に向かったが同じ部隊の者に居ないと言われ統合軍基地に戻ることにした。

 

伊藤は黒鉄の元へ向かい状況説明を行った。

 

伊藤「………という事だ。続行するのか教導は?」

 

黒鉄「しない。その代わりだがブレイド隊は異動する事になった」

 

伊藤「異動?どこに?」

 

黒鉄「A-01部隊へだ。あそこの副司令から先程連絡が来てな。神宮司軍曹を連れて行くなら何か見返りを寄越しなさいとな」

 

伊藤「それでブレイド隊をか。だが良いのか?あいつらはデルタ大隊にとっては矛となる存在。全統合軍部隊と比べても多くの実戦をやって来た精鋭部隊だぞ」

 

黒鉄「もう覚悟は出来ている。あいつらには俺から話しておく。今日はゆっくり休んでくれ」

 

 

 

 

 

 

次の日

 

黒鉄はブレイド隊をブリーフィングルームへと呼び、そこで異動の件を伝えた。

 

上丘「わかりました。異動の件、了承します」

 

黒鉄「すまない」

 

上丘「大丈夫ですよ。なあお前ら?」

 

「ええ、ハイヴ攻略戦ともなればまた一緒に戦えますし」

 

「いろんな奴とも出会えますし」

 

上丘「機体に関してはどうなるんです?」

 

黒鉄「心神で頼む。兵装、各パックも順次届ける。ジェスタについてはもしもの場合に備えいつでも投下出来るようにする」

 

上丘「わかりました。異動は明日ですか?」

 

黒鉄「急ですまない」

 

上丘「了解しました」

 

 

 

 

 

次の日

 

会議室には各部隊長、大隊長、中隊長が集まっていた。その中に1人新品の制服を着て自己紹介している者がいた。

 

まりも「国連軍横浜基地より異動して参りました。神宮司 まりも少佐です」

 

黒鉄「神宮司少佐にはブラボー大隊第1部隊第2中隊を任せる。隊名は“ウォードック”、その名のように戦場で暴れてくれ。尚、入れ替わりでデルタ大隊第1部隊ブレイド隊が国連軍横浜基地へと異動になった。抜けた穴は大きいがそれを埋めるだけの力をつけてくれ。俺からは以上だ」

 

伊藤「次は自分から現在予定されている攻略作戦の目標は佐渡ヶ島ハイヴです。我々統合軍は帝国陸軍、近衛軍より帝国海軍とともに海兵隊の役割をしろとの通達でした。その為、作戦立案をやり直す必要があります。なので午後より全訓練、全任務を取り止め全部隊員での作戦立案会を行います。これに関してはイージス隊も参加とします。デルタ大隊に着きましても一時帰投をお願いします」

 

会議室に入ってすぐ左側には大型モニターが備えつけられている。それにはデルタ大隊に属する幹部が映っていた。

 

上総「わかりました。デルタ大隊はこれより統合軍基地へ向かいます。艦長お願いします」

 

艦長「了解しました。到着は2時間後です」

 

伊藤「あともう一つ、現在の予定としては作戦前の全点検としてスクランブル機以外は使用不可になります。以上です」

 

黒鉄「では一時解散とする。1300にはまた集合するようにそれでは解散」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。