Muv-Luv〜wing of white steel〜   作:lancer008

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第六十六話

午前とは違う会議室に統合軍全部隊の小隊長以上の者が集まっていた。午前に話していた作戦のことについてだ。

この会議では階級などの位を無くし各自が自由に発言できる仕組みになっている。

 

黒鉄「光線級対策の為、通常弾での艦砲射撃後、長長距離からの狙撃とミサイルによる近接信管での攻撃をと思っているんだが?」

 

八咫烏艦長「AL弾は使用しないんですか?」

 

黒鉄「あれを使うと通信障害があるからな。いつもならイージス隊を使ってカバーするんだがあまり近くまで行くと逆に狙撃されかねないからな」

 

上総「狙撃については問題はないわ。ただ狙撃地点はどこにするき?」

 

黒鉄「俺の理想としてはアクロススカイの下部から地表に向けて光線級に当てるというものだが、流石に無理だろう」

 

上総「出来ない事は無いわ。ただそれなりの腕が必要になってくるしそれに狙撃部隊は5機しかいない。元の数が足りてないわ」

 

黒鉄「ライフルを持たせればアームズ隊でもできる。命中率は下がるがな」

 

坂井「ミサイル攻撃とは我々ナイトメア隊がそれとも艦隊からですか?」

 

黒鉄「両方だ。ナイトメア隊やそれに追従する隊が行う」

 

進藤「その攻撃でも光線級・重光線級が多数残っていた場合、降下部隊となるファング隊、アームズ隊には十分な脅威となります。その場合は?」

 

黒鉄「"WOWS"とセイバー隊が光線級吶喊(レーザーヤークト)を行う。その間も艦艇部隊による砲撃は続行してくれ。光線級の残存率が3割程になり次第、橋頭堡確保のためファング隊、アームズ隊は降下開始。続けてブラボー大隊第2部隊も出撃。到着次第、帝国海軍第17戦術機甲連隊とともに海岸沿いに展開し機甲部隊やその他の部隊の上陸を支援する」

 

玄田「上陸については了解しました。ただ移動に時間がかかります。我々が使用しているG型は重装備の為、ホバーで移動するにしても時間がかかりますし01式MS輸送機に乗ったとしてもほぼ同じくらいの時間がかかることが予想されます」

 

伊藤「何か新しい装備ですか?」

 

玄田「そうです。高速移動ができ、かつ機体に装備できる物を要望します」

 

黒鉄「機体には装備できないが使い捨てのフロートならある。こいつを脚部に装備しホバークラフトで移動するものだ。機体に備わっているものよりもパワーがあるため高機動が可能だ」

 

玄田「そうなると退却時は、01式になりますね」

 

黒鉄「そうなるな」

 

玄田「わかりました。補給に関しては?」

 

伊藤「各空母・揚陸艦での補給や軌道上からの補給コンテナ投下だ。明後日には補給コンテナ専用の衛星が建造予定だ。これによりアクロススカイが無くともコンテナの投下が可能になる」

 

黒鉄「コンテナ投下時くらいには光線級の数は1割程になると推定されるため殆どのコンテナが投下地点に到着する予定だ」

 

真田「黒鉄、ブラボー第1は何をすれば良い?」

 

黒鉄「他部隊への支援、救助をお願いします」

 

真田「要するに即応部隊という訳か」

 

黒鉄「そうです」

 

AS艦長「アクロススカイは支援という形でいいんですか?」

 

※AS=アクロススカイ

 

黒鉄「いや、戦場のBETAがハイヴ付近にいなくなったのを確認した時点で突撃しマクロスキャノンでハイヴへの侵入路を開く。開いたと同時に"WOWS"とセイバー隊が侵入、反応路を破壊する。アクロススカイはすぐに撤退、艦艇部隊と合流後、砲撃をお願いします」

 

AS艦長「了解しました」

 

この後も会議が続いた。

ある程度出尽くした後、実際にシミュレータを使い戦闘を行った。実際やってみると全体的に多くの問題が発生した。問題が多かったのは橋頭堡確保の為に動いていた部隊だった。1番多かった問題はやはり光線級についてだ。

水平線の向こうから撃ってくる光線に対し殆ど機体が撃ち落とされた。普通の戦術機ならばある程度の回避力を持っているものの橋頭堡確保に動くブラボー大隊第2部隊の機体は他の部隊と比べて重くなっている。

主な理由は装備されている武装だ。

射撃型ということもあり、多彩な射撃武器が搭載されているためである。それに加え各小隊によってその衛士が開発、設計をした武装が装備されている。

 

この事態に危機感を持った伊藤は緊急会議を開き黒鉄に対しある事を依頼した。

それは補助ブースターの追加と全部隊の練度底上げだ。

 

伊藤「先程行われたシミュレータ戦闘による被害はアルファ大隊第2部隊40機中、10機撃墜、7機中破、6機小破。第3部隊4機中、1機撃墜。ブラボー大隊第1部隊36機中、4機撃墜、3機小破。第2部隊40機中、20機撃墜、6機大破、9機中破、1機小破。デルタ大隊第2部隊20機中、2機中破。第3部隊10機中、3機小破。この事から作戦は続行不能になりました。各々理由はわかってると思いますが、特にブラボー第2!なんだあのやられ方は!お前達は一体今まで何の訓練をしてきた!ただ射撃訓練しかしてこなかったのか!」

 

現在行われている緊急会議はブリーフィングルームで行われている。そこに集まっていたのはこのシミュレータ戦闘に参加していた全衛士だ。

 

黒鉄「伊藤、少し抑えろ。俺たちだって光線級、重光線級の殲滅速度が遅れたのも事実だ。それに他の部隊にも作戦続行不能のとこもあった。あいつらだけが全て悪い訳じゃない」

 

伊藤「だが…………」

 

黒鉄「お前の言いたいこともわかる。このままだとこの軍は全滅すると。それでだ、ブラボー第2の機体に関しては追加で補助ブースターを増設する。それに加え全部隊での模擬戦闘を行う。MAPは先程と同じ佐渡、今回は光線級の変わりに俺たち"WOWS"とデルタ大隊第5部隊アーチャー隊が行う。BETA役になりますがよろしいですか山城准佐」

 

上総「こちらは問題無いわ。それに動く獲物に対しての狙撃なら部下の練度向上に繋がりますから」

 

黒鉄「なら決まりだ。30分後に開始する。以上解散」

 

ぞろぞろとブリーフィングルームから退室していった。

 

 

 

30分後

 

伊藤「今回の目標は佐渡島中央部にあるフラッグだ。確保した時点で戦闘は終了だ。防衛側の機体を全機撃破しても戦闘は終了する。それでは全衛士に通達するこれより戦闘を開始せよ。繰り返す戦闘を開始せよ」

 

伊藤は高高度から戦闘の全貌を見ていた。

 

攻撃側の先頭が視界に島を捉えたと同時に撃墜された。それに合わせてその後ろについていた機体も爆散した。

 

伊藤「容赦ないねえ。一体どんな射撃能力だよ。海面すれすれでも当ててくるって」

 

戦闘開始から僅か5分足らずで終了した。

 

戦闘終了後のブリーフィングで上総が発した言葉に大半の衛士に衝撃が走った。

 

上総「BETAよりも弱いてどういうこと。あなた達一体どんな訓練をしてきたの?」

 

上総は座っていた攻撃側の衛士を見渡し、

 

上総「文句言われる前に言っておくけどあの時、狙撃していたのは私1人だけだから」

 




特殊部隊名を"WWS"から"WOWS"に訂正します。
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