Muv-Luv〜wing of white steel〜 作:lancer008
統合軍基地
伊藤は基地司令室にいた。
「伊藤少佐、黒鉄中佐が不在の為、全統合軍部隊の指揮官に任命する。早速だが帝国軍からの要請で正規の数による部隊を作って欲しいそうだ。足りないようなら陸軍との合同部隊にするとのことだ。」
伊藤「了解しました。編成が完了しだい既に出港している艦艇部隊と合流します。」
伊藤は退室しブリーフィングルームに向かった。ブリーフィングルームにはアルファ、ブラボー大隊の全中隊長、小隊長が着席し、全艦艇の艦長や副長はテレビ電話を使いブリーフィングに参加していた。伊藤が入室すると全員が起立した。
伊藤は着席を促すと同時に話し始めた。
伊藤「早速で悪いが先方からの指示で正規の編成をする。アルファ大隊は1個大隊に、ブラボー大隊は1個連隊だ。基地残留組はナイトメア隊から4機、ガード隊だ。これを除く全ての隊は出撃してもらう。」
真田「伊藤、ブラボー大隊は全機で85機、連隊の定数には届かないぞ。」
伊藤「足りないぶんは帝国陸軍より来ます。午後には統合軍基地に到着する予定です。」
真田「わかった。第1大隊は俺、第2は神宮司少佐、第3は玄田大尉。コールサインはウイング、ウォードック、アックス。」
坂井「ナイトメア隊は自分が、コールサインはそのままで。セイバー、イージスはそれぞれの指揮官に任せます。」
伊藤「艦艇部隊は戦艦 八咫烏、天照は帝国海軍第3戦隊とともに艦砲射撃に参加。その際、後部甲板にケーニッヒを2機ずつ搭載し砲撃を行うこと。空母 翔鶴を旗艦とした瑞鶴、蒼龍、天龍、計4隻を主力にした機動艦隊を編成、護衛に青葉、川内、不知火、朝日、秋月、照月、初月。そして、その後方に回収・補給隊として高雄、愛宕、大隅、大隈。艦隊総指揮は翔鶴艦長に任せます。」
「他軍に対しての補給などは?」
伊藤「受け入れて下さい。場合によっては補給コンテナの使用を許可します。」
「デルタ大隊の参加は?」
伊藤「まだ分かりません。現在も月面基地での戦闘が続いているため参加は望めないと思います。尚、月面での戦闘で出現した新種については今作戦でも出現すると予想されます。攻撃につきまして十分注意した下さい。」
「今回の光線吶喊はどこの部隊が?」
伊藤「セイバーとナイトメア隊から数機です。作戦内容については移動中に行います。部隊編成が完了した隊より順次出撃、各空母へ向かって下さい。質問が無ければこれで終了します。」
ブリーフィングが終了し、伊藤は自室へと向かった。
その頃、月面基地では基地の制圧が9割終わり残存するBETAの殲滅に移っていた。制圧が進むに連れ基地の被害状況が明らかになった。軌道降下団は6割が壊滅、生存者はラー・カイラム級1番艦とともに脱出していた者のみ。2番艦も脱出を試みたが新種の攻撃に晒され撃沈。基地全体での生存者数は500人未満だった。
事実上、月面基地とそれに属する全ての部隊は壊滅し基地としての能力を失った。
基地内
黒鉄「ランサー1よりデルタ1へEブロックの制圧を完了。これより居住ブロックへと向かう。」
「デルタ1了解。他ブロックはすでに制圧を完了、第2突入部隊がこれより制圧を開始しますので合流し制圧を開始して下さい。」
黒鉄「ランサー1、了解。これより第2突入部隊と合流する各員、警戒を怠るな。」
「「「了解。」」」
居住ブロックの入口に着きドアを開けるとそこは血の海だった。
全員が絶句した。
床には人間の臓器が散乱していた。
黒鉄「ランサー1から第2突入部隊へ、どこにいる?」
応答がなかった。もう一度繰り返し無線を送ったが同じだった。
黒鉄は少し開いていたドアを見つけ、ランサー2とともに入って見るとそこには兵士級が数体いて人を喰っていた。
兵士級が黒鉄達に気付き向かって来たがすぐに装備していた銃で応戦し殲滅した。ランサー4が死体を確認するとデストロイド隊の部隊章が出てきた。現場検証をしてみると後ろから襲われたんだろう、応戦する暇もなくやられたことがわかった。
黒鉄「ランサー1よりデルタ1へ、応援を寄越してくれ。」
「どうしましたか?」
黒鉄「第2突入部隊の全滅を確認。尚、兵士級も確認した。」
「了解しました。現在地で待機して下さい。」
黒鉄「ランサー1、了解。」
応援に来た部隊と合流し制圧を開始した。進んで10メートル進むと兵士級の集団の接触し戦闘となった。それからも度々、戦闘になり1時間後に全ブロックの制圧が完了した。
ランサー隊は一時、格納庫に戻り休憩をとった。
「こいつら一体どうやってここまで来たんでしょうか?兵士級などの小型種は地球上にしか居ないはず。」
「もしかしたら、こいつらを運ぶための輸送系のが出て来たんじゃないか?」
「そうだとすれば大変ですね。」
「他人事だな。中佐、それにしても不可解ですね。」
黒鉄「何がだ?」
「大規模作戦前に月面基地への攻撃ですよ。間が悪すぎる気がしませんか?俺の考えでは情報が漏れてるんでは無いかと」
黒鉄「……………。BETAに情報が漏れたとして一体何処からだ?」
「反応炉が残っている横浜基地だったりして…………。」
ランサー3が呟いた言葉に全員がランサー3を見た。
黒鉄「可能性はあるな。今回の大規模作戦では横浜基地から出撃する新型兵器の護衛が任務になっていた。その為に横浜基地を通してのやり取りがBETA側に流れていた可能性がある。」
「なら早く、この事を伝えないと!」
突然、アラームがなった。
黒鉄はデルタ1に問い合わせると多数の飛翔物体が接近中とのことだった。迎撃にバイパー隊が向かった。
山谷「バイパー1からデルタ1へ、飛翔物体を確認。次々と月面に衝突している。」
「バイパー3よりバイパー1へ、こちらも確認しました。基地南側周辺に降り注いでいます。近づいて確認して見ま…………。何だあれは⁈」
次の瞬間、バイパー3に向けて光線が向かっていった。バイパー3はすんでのところで回避しすぐに僚機とともに離脱した。
「バイパー3からデルタ1へ、光線の攻撃を受けた。繰り返す光線の攻撃を受けた。」
「こちらデルタ1。それは本当ですか⁉︎」
「だから報告したんだろうが!他の飛翔物体からもBETAが出現中だ!構成は戦車級、兵士級、光線級、それと新種だ!すごい数だ。数分で基地に到着する。」
「デルタ1から全部隊へ、接近するBETAを迎撃して下さい!」
「バイパー1からバイパー全機へ、光線級と新種に気をつけろ!低空にて攻撃を開始する。全機、続け!」
「「「了解!」」」
各部隊は出撃準備におわれ、アクロススカイ艦橋や格納庫では怒号が響きわたっていた。
「01式を早く展開しろ!ファング隊で準備が出来た者はすぐに発艦、防衛戦を構築!」
「アームズ隊の補給を急がせろ!」
「アーチャー隊、攻撃を開始して下さい。」
「デストロイド隊を2個中隊分降ろさせ、防衛戦に回せ!」
「"WOWS"、防衛戦に向けて移動中。」
「飛翔物体多数接近中、その後方にもです。数は不明!数え切れません!」
「全主砲、飛翔物体に向け攻撃始め!少しでも数を減らせ!突入部隊を今すぐ戻らせろ!最悪の場合、月面基地を放棄する。中佐の隊は今どこだ⁉︎」
「防衛戦に到着。戦闘を開始しました。」
防衛戦
「バイパー5からバイパー1へ、全兵装弾薬無し!」
「バイパー3、4も同じく。」
山谷「バイパー1、了解。デルタ1へ、応援はまだか⁉︎」
黒鉄「WOWS現着、バイパー隊は補給に戻れ。ランサー各機、攻撃を開始。1匹も通すな!」
「「「了解!」」」
黒鉄「デルタ1へ、補給コンテナの投下を頼む!防衛戦右翼側に攻撃を集中してくれ。搭載部隊で防衛戦左翼と中央を抑える!」
黒鉄は機体に装備してきたロングメガバスターを投げ捨て補給コンテナから荷電粒子ライフルを取り出し射撃を再開した。
後方からは続々とファング隊とアームズ隊が到着し攻撃を始めた。
狭間「小型種が多いな。キリがない。」
葛木「文句言わないで下さいよ。」
何とか防衛戦を維持している状態だったが今なお、飛行物体が止まる事なく降り注いでいた。アクロススカイも主砲を使い迎撃しているがその迎撃能力を完全に上回っていた。
黒鉄「デルタ1へ、一体どこからこいつらは来ている!」
「待って下さい。これは…………。」
黒鉄「どうした⁉︎」
「地球からです!」
黒鉄「地球のどこだ!」
「佐渡島です!」
その頃、地球 統合軍基地
統合軍や国連軍、帝国軍に変な状態が入って来ていた。佐渡島から宇宙に向けて岩のような物を飛ばしているとの事だった。ただ確認する限り地上には何も被害が出ていなかった。
伊藤は作戦指令室で現状を確認していた。
伊藤「ただ宇宙に飛ばしているだけか?」
「現在、追跡しています。」
その時、デルタ1から緊急通信が届いた。
黒鉄「ランサー1から統合軍基地へ、今すぐに佐渡を攻撃してほしい。現在、佐渡から打ち上げられている物体が月面に降り注ぎ多数のBETAが出現中だ。今は何とかもっているがいつ決壊してもおかしくない最悪の場合、月面基地を放棄、撤退する。」
伊藤「これはいつ発信された!」
「20分前です。」
伊藤「セイバー隊、緊急発進!ナイトメア隊も………。」
「少佐待って下さい。今は作戦が発令されたばかりです。変に手を出しては………。」
伊藤「黒鉄達、デルタ大隊を見捨てろと。」
「撤退も可能なら今すぐ撤退してもらった方が。」
伊藤「何を言ってるんだ。もし月面を取られれば次はあれが地上に降って来るぞ!それでもか!」
「ですが……。」
「伊藤少佐。」
伊藤「基地司令……。」
「セイバー隊とナイトメア隊に緊急発進命令を出します。他の隊は順次出撃させ合流させます。今回のことは私が全責任をおいます。遠慮なく戦って下さい。」
伊藤は敬礼をしながら、
伊藤「了解。これよりアルファ大隊全隊の力をもって佐渡島“甲21号ハイヴ”に攻撃を開始します。」
伊藤は格納庫に走っていった。
「伊藤少佐、セイバー隊全機発進準備完了です。ナイトメア隊は順次発艦中、上がった機体は空中待機中です。」
伊藤「了解!」
伊藤はデュランダルに飛び乗りエンジンを始動させ発進した。上空に上がると
伊藤「全機、一足早いがこれより佐渡島“甲21号ハイヴ”に向け攻撃を開始する。作戦目標は現在、佐渡島から宇宙に向けて上げられている物体の破壊並びにその装置の破壊だ。全機生きて帰るぞ、行くぞ!」
「「「了解!」」」