Muv-Luv〜wing of white steel〜   作:lancer008

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「第七十三話以降」の部隊名を変えました。


甲21号作戦
第七十五話


約数時間前

甲21号作戦が開始された。

まず始めに国連宇宙総軍の装甲駆逐艦による軌道爆撃、敵の迎撃と同時に帝国海軍第2戦隊が艦砲およびロケット砲で長距離飽和攻撃を開始した。続けて敵の2次迎撃による重金属雲の発生を合図に統合軍、日本帝国海軍、国連軍の艦隊が佐渡島に向け砲撃を開始した。

 

少し置いて統合軍第3戦術機甲大隊と日本帝国海軍第17戦術機甲戦隊スティングレイ中隊が橋頭堡確保の為、雪の高浜へ強襲上陸を開始した。光線級からの多数の光線をくらいながらも全機無事に上陸し周辺にいるBETAに対し攻撃を開始した。橋頭堡を確保すると帝国軍機甲4個師団および戦術機甲10個連隊からなる『ウィスキー部隊』が順次揚陸し戦線を維持しつつウィスキー主力部隊は西進、ハイヴから出現する敵を引き寄せ始めた。それと同時に帝国海軍第4戦術機甲戦隊、統合軍戦術機甲2個大隊が旧大野に向け強襲上陸を敢行しこれを確保した。続いて国連軍機甲3個連隊および戦術機甲5個連隊からなる『エコー部隊』が順次揚陸し部隊は旧羽吉からタダラ峰跡を経由して旧鷲崎に移動、こちらもハイヴから出現する敵増援を引き寄せた。

 

敵、増援をハイヴから引き離すと軌道上で待機していた。統合軍戦術航空団がハイヴに向けて突入を開始し周辺にいる光線級と月面で出現した新種、飛行級に向け攻撃を開始した。現在確認された光線級と飛行級が半分以下になると軌道上を周回中の国連宇宙総軍艦隊から投下された第6軌道降下兵団が再突入を開始、佐渡島に降着したのち『甲21号目標』内部へは突入した。

 

 

 

 

そして現在、作戦は順調に進んだ。いや順調過ぎていた。それを表すかのようにハイヴ内部に潜っていた全隊との通信が途絶し軌道上から警戒監視を行なっていた統合軍戦術航空団第3部隊よりHQに対して緊急通信が入っていた。

 

倉間「こちらイージス1からHQへハイヴ周辺および各門から多数のBETAを確認、数は不明。」

 

「HQ了解。これよりハイヴ周辺に砲撃を開始する光線級と飛行級の判別がつき次第、統合軍戦術航空団第1、第2部隊を誘導しこれを殲滅せよ。」

 

倉間「イージス1、了解。」

 

海上にいる戦艦より砲撃が開始された。だが敵の砲弾迎撃率が70%を超えていた。BETAはまだ本気ではなかったのだ。最初にいたのと増援として出てきたのは斥候、そして今いるのが主力それを表すかのように今なお全ての門からBETAが溢れ出ていた。

 

伊藤「セイバー1からナイトメア1-1へ、第2中隊から順に補給に戻らせろ。その他はマイクロミサイルによる攻撃を継続。」

 

坂井「ナイトメア1-1了解。」

 

統合軍戦術航空団はマイクロミサイルを使い門付近にいるBETAに対し攻撃を敢行していた。従来のミサイルと違い威力は小さいが敵本体ではなく脚部を攻撃すれば足を止めるには十分だった。

 

坂井「くそ、まだ出てくる。第2中隊、補給に行け。弾薬を多めに積んでこい。」

 

白月「ナイトメア4-1了解。」

 

ナイトメア隊は先日の佐渡島攻撃時に目標を破壊することは出来たものの1個中隊を失った。そのため第2、第3の合同編成にて今回の作戦に参加している。

その頃、地上では統合軍各戦術機甲大隊は驚異的な速さで門から溢れ出るBETAを殲滅していた。軍の上層部でこれを見たものは新型機なら普通だと思うかもしれないがこの新型機に乗っている多くの者は長い間、大陸で生き残ってきた衛士たちだ。そこら辺にいる衛士とは訳が違う。

 

真田「ウイング1よりCPへ、現在門周辺にいる敵勢力を掃討中。」

 

「こちらCP了解。“剣”はもう間もなくて到着予定。現戦線を維持せよ。」

 

真田「ウイング1了解。全機へこの状態を維持、敵を引き付けろ。」

 

「「「了解!」」」

 

「HQから全統合軍戦術機甲部隊へ、現戦線を維持せよ繰り返す現戦線を維持せよ。」

 

玄田「アックス1からCP、補給コンテナを頼む。揚陸艇もだ。」

 

「CP了解。」

 

玄田が率いる第3戦術機甲大隊は上陸地点での戦闘を継続していた。戦艦からの艦砲射撃は統合軍コード“剣”の為に上陸予定地点となっている旧豊岡付近からハイヴの間に集中していた。その為、前線で活動している帝国軍と国連軍は退却を余儀なくされていた。各門では統合軍が優勢なものの次々と新たな門が出現し少しずつではあるが押され始めていた。損傷機や負傷者は揚陸艇で戦術機母艦まで運ばれ満載になった艦から撤退を始めた。

 

 

その頃、国連軍A-01部隊は国連軍、帝国軍コード“A-02”の予定上陸地点から直線で約15キロ進んだ地点で戦闘していた。序盤は優勢だったものある報告で劣勢に追い込まれていた。

それは、全てのBETAが上陸地点に向けて動き出したとのことだった。

 

上岡「ブレイド1からヴァルキリー1、これ以上は抑えられない。もっと後退してくれ!」

 

伊隅「これ以上は駄目です!ここが一番迎撃に適しています。」

 

上岡「(このままでは………)」

 

白銀「大尉!前方に要塞級5!」

 

上岡「(しまった!)」

 

すると前方にいた要塞級に無数の穴が開いた。

 

伊藤「どうしたブレイド1、この程度のBETAでへばったのか?」

 

上岡「少佐!」

 

上岡はほんの少し笑みを浮かべ、

 

上岡「セイバー1こそ、機体がふらついているように見えますが?」

 

伊藤「んな訳あるか!」

 

正直なところ伊藤も限界だった。無数の光線を避けながらの光線吶喊、友軍への支援攻撃などを行なっていたからだ。それに加え予想以上の物量に驚愕していたからだ。先日の戦闘で今までのスコアを塗り替えるほど倒したのにそれの倍近くの敵が今なお湧き続けていたからだ。

 

伊藤「ブレイド1、セイバー隊は補給の為、約300秒後に一時後退する。代わりは第3戦術機甲大隊が受け持つ。」

 

上岡「了解!ブレイド1からヴァルキリー1へ、話は⁉︎」

 

伊隅「聞いてました!応援が到着次第、我々も補給の為さがります。」

 

伊藤「わかった。向こうには伝えとく。」

 

 

 

上陸地点にいる全ての部隊に対しHQから報告が上がった。

 

「ヴァルキリーマムより当地点にいる全部隊へ、A-02は現在砲撃準備態勢で最終コースを進攻中、砲撃開始地点に変更なし。90秒以内に被害想定域より退去せよ!」

 

伊隅「全員聞いたな!アローヘッド・ツーで全速離脱だ!」

 

伊藤「セイバー1からセイバー全機及びウォードック隊へ、即時反転離脱しろ!」

 

「「「「了解!」」」」

 

伊藤は離脱時にA-02を見て思った。

 

「(MAクラスか。思ったよりもでかいな。)」

 

A-02に向かって光線級から多数の光線が放たれた。命中する直前、見えない壁に阻まれ光線は弾かれた。

 

「ラザフォードフィールド歪曲率、許容範囲内。」

 

そしてA-02の正面ハッチが開き高出力の光線が発射された。光線はハイヴに命中した。煙が晴れるとハイヴの特徴的だった地表構造物が吹き飛んでいた。すると周りからは歓声が上がっていた。この一撃で地上にいたBETAのほとんどが薙ぎ払われた。

 

伊藤「(ITフィールドに大型のメガ粒子砲。こちらで言うSFS搭載機か。資料で見たことあるビグザムよりえげつないな。)」

 

そして2射目が放たれハイヴがあったとされる地点に命中する。

 

全員が安堵していたこの攻勢にだが、最悪の事態が起こった。

 

伊藤「全機、補給に戻るぞ。この場はあいつらに任せ…………。」

 

伊藤は異変に気付いた。A-02が傾き出していた。次の瞬間、A-02は地に堕ちた。

 

「機関停止!ラザフォードフィールド消失!」

 

伊藤「セイバー1からHQへ、どうした⁉︎」

 

「わかりません。原因不明です!」

 

「少佐、もう弾薬がありません。これ以上、留まるのは危険です。」

 

伊藤「セイバー1からHQへ、これより補給の為一時後退する。」

 

「HQ了解。補給後すぐに戦闘に復帰して下さい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

統合軍月面基地では基地の復旧と機体の整備が進んでいた。特殊作戦部隊"WOWS"には甲21号作戦への参加命令が出ていた為、発進作業が進められていた。機体にはブースターが付けられ燃料が注入されているところだった。

黒鉄はアクロススカイ艦橋にて現在の作戦状況を見ていた。

 

黒鉄「それにしても凄いなあの威力は。」

 

上総「そうね。」

 

狭間「ですがあれだけの威力です。そう何発も撃てないのでは?」

 

黒鉄「機関がどんなのかはわからんが10発てところじゃないかな。あれだけのエネルギーだ機体にも相応の負荷がかかる。」

 

話をしていると整備員が駆け寄ってきた。

 

「黒鉄中佐、準備完了しました。」

 

黒鉄「わかった。では艦長、山城少佐ここは頼みます。」

 

艦長「了解した。ご武運を。」

 

黒鉄は敬礼をし機体の元へと向かった。

機体に乗り込み発進しようとした時、突然警報がなった。黒鉄が問い合わせるより先に全回線に内容が伝えられた。

 

「哨戒機より緊急通信、基地北東部60キロ地点に多数のBETA反応、尚も増大中。」

 

「編成は飛行級、計測不能!」

 

「全戦闘部隊は至急出撃して下さい。」

 

黒鉄は整備員にブースターを外すよう促したが通信が入り、相手は艦長だった。

 

「中佐、今すぐ地球に向かってくれ。“剣”が墜落した。原因は不明、国連軍からも緊急要請が入ってきている。」

 

黒鉄「ですが………。」

 

上総が通信に割って入ってきた。

 

上総「行きなさい黒鉄。ここは私達に任せなさい。」

 

黒鉄「死ぬなよ。」

 

上総「私だってデルタ一員よ。侮られては困るわ。」

 

黒鉄「そうだな。全機出撃する。ブースター点火!」

 

黒鉄達が乗っている機体は徐々に加速し始めた。飛行級達は黒鉄達を撃墜しようと動き出したがデルタ大隊の攻撃に阻まれた。

 

上総「全機、WOWSを援護!一体も通すな!」

 

「「「「了解!」」」」

 

 

 

 

同時刻、軌道上から監視、要撃管制をやっているイージス隊は後方から攻撃を受けた。

 

倉間「なんだ⁉︎」

 

「後方にBETA反応多数。飛行級です!」

 

「国連宇宙軍総艦隊も攻撃を受けています!」

 

「敵、飛行級急速接近!」

 

倉間「全機、ブレイク!こちらイージス1よりHQへ、飛行級の攻撃を受けた現在交戦中、至急応援を頼む。」

 

「こちらHQ、それは本当か⁉︎」

 

倉間「本当だ!国連宇宙軍も攻撃されている早く来ないと全滅するぞ!」

 

「統合軍ナイトメア隊を送ります。持ちこた…………。」

 

突然、新たな一報が入った。

 

倉間「イージス1からHQへ、デルタ大隊より緊急通信、現在月面基地にて飛行級と交戦中。尚、WOWSは出撃し現在、地球に向かっています。」

 

「HQ了解。応援が到着するまで持ち堪えて下さい。」

 

 

 

 

 

伊藤はブリーフィングルームで補給が終わるまでの間、軽食を取っていた。艦内放送が入り艦橋に呼び出された。

 

翔艦「伊藤少佐、イージス部隊が飛行級の攻撃を受け交戦中だ。ナイトメア隊の中で今すぐ上がれる部隊はあるか?」

※翔艦=翔鶴艦長

 

伊藤「現在、ナイトメア第2中隊が発進準備中です。」

 

翔艦「第1中隊も上げられないか?現在、国連宇宙軍も攻撃を受けているとの事だ。」

 

伊藤は少し考え頷いた。

 

伊藤「わかりました。各中隊長に通達次第、発進を開始します。」

 

伊藤は艦橋を後にし各中隊長を集め話した。懸念事項はあったが出撃が開始された。セイバー隊は補給を途中で打ち切り光線防御のため先に上がった。

 

伊藤「坂井、頼んだぞ。」

 

坂井「わかってます。ナイトメア1-1出るぞ!」

 

ナイトメア隊は発艦を開始した。上空に全機揃うとブースターを点火し宇宙に上がっていった。セイバー隊は光線級の誘導を行った後、A-01部隊へと向かった。

 

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