Lv.0の魔道士   作:蓮根畑

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前書きで書くことが何もない。


11 飛び交う弾丸、振るう刃

 

 

 

 

 

撃鉄を起こし、弾倉がクルリと回転。

狙いを決めトリガーを引く。

その瞬間には5発の弾丸を空を舞っていた。

 

「──ラァ!」

 

刀身変化させ双剣にする事で俺に飛来する弾丸を全て叩き落とそうとするが完全には弾けきれず軽く頬を剃っていく。

写輪眼があっても弾丸の速さについていけるほど俺の腕は早くはない。

両腕に身体強化、ラビットステップをかけていてもこれなのだ。

 

「流石に連発になると対処出来なくなるか...よかったよかった」

 

ヘラヘラとした声で話しかけるのを無視し、頬を伝う血を手で拭う。

大した傷ではないが痛いものは痛い。ヒリヒリする。

 

「けっ、これからだぜ。俺には隠された奥義があるからな」

 

そんなものはないが強がってみる。

 

「そいつは結構。俺も──」

 

纏っていたローブのボタンを外すと風に煽られ中が見えた。

その中には数えるのもしんどいぐらいの拳銃がぎっしりと詰まっていた。

 

「たっぷりとあるからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

後で知った話だが俺が交戦した男、ロビンと呼ばれる男は最近名を上げてる用心棒だったそうだ。

戦闘スタイルは旧式から現代に至るまでの銃。アサルトライフルからロケットランチャーまで持っているとの事。

常に空間にしまってあるが戦闘になると換装して取り出すというエルザによくにた戦法を取る。

しかし魔法も使わない彼が名を上げたのかというと──

 

どんな魔法よりも銃弾の方がずっと早いからだ。

 

 

 

 

 

「うおおおおぉぉぉぉ!!??」

 

バララララ!!!と凄い勢いで弾丸が放たれる。使っているのは前世にて俺もやっていたゲームに出てきた銃の一つであるP90だ。

全長50cmの長方形をえぐった形をしており強くなさそうに見えるが、一個のマガジンで50発撃てる中々ぶっ壊れ性能を持つ銃だ。

ドアを蹴破り家の中に転がり込んで机を背にして座る。

不法浸入?バレなきゃいいんだよ。

マジでエルザが住民撤退させていてよかった。

じゃなきゃ今頃俺犯罪者だぜ。

 

「というかこの世界にあんな近代的な銃や置いていたのか?」

 

妖精の尻尾でも銃を使うやつはいたが西部劇で登場するようなやつである。

 

「取り敢えず...」

 

簡易魔法術を発動させ、水の弾丸を指先に練り上げる。

それを軽く発射し、机より少し上を行ったところで縦に広げた。

これで水に反射して机の向こう側の様子が見える。

ぐっと目を上げて見て見ると──

 

 

なんと

 

 

 

──対戦車ライフルを構えてやがった。

 

 

「は?」

 

 

 

トリガーが引かれ、竜の咆哮じみた発射音。

12.7ミリ弾は音を超えた速さで俺のすぐ真横を机ごとぶち抜いていた。

ついでにSA◯で見たのだが対戦車ライフルはかすっただけで体が両断する威力らしい。

それを10メートルも離れてないところで撃ってきた。

つまり、あいつは──

 

 

「馬鹿かっ!!うおおぉ⁉︎」

 

顔を出した瞬間みんな大好きAK-47を撃ってきた。

縦がわりにしているこの机もいつまで持つか...

 

「流石に銃相手になるとな」

 

S級魔道士やナツやグレイ辺りならなんとかしそうだが普通魔道士でも銃には勝てない。

盾はない、刀だけでは限界がある...

 

「有効な魔法もないしなぁ...」

 

そう言ってる側からジャコンと音が聞こえた。

 

「3カウント待つ。それまでに降伏するなら撃たないぜ」

 

考えろ...

 

「3」

 

簡易魔法術による迎撃は不可能、刀による攻撃は難しい、ラビットステップでの高速移動は一度撃たれたらそこまで、写輪眼による先読みもやや厳しい。

 

「2」

 

脳内を高速化させる。

選択し、考え、選び抜く。

 

思い出せ。

この目はなんのためにある?のこ魔力はなんのためにある?俺の実力で何が出来る

 

 

「1」

 

 

過去から今まで、全てを総動員させろ。

 

 

 

「0」

 

 

思い浮かんだ。

というかついさっき見たばかりだった。

写輪眼は相手の技をコピーすることが出来る。

ならば──

 

「うおぉ...!」

 

初めて使う魔法はどれだけ魔力を使えばいいか分からないため通常よりも多くの魔力を使ってしまう。

俺の魔力の3分の1を使って発動させた魔法は俺の体を影にした。

 

(よしっ!決まった!!)

 

汽車の中でシカ○ルみたいな男が使っていた魔法。

自身で使って見るとかなり便利な魔法だ。

なんせ狭い所も自由自在である。

俺の体全体が影になった途端、机が爆発した。

影から覗いてみると男は満足そうな顔でロケットランチャーを担いでいた。

だが残念。そこに俺はいない。

天井を伝い、相手の目に見えないように影を細くして後ろに回り込む。

ゲッヘヘ、後は元に戻って首トンで終わりだぜ。

 

「チェックメイ──」

 

ドォン!と、相手の脇の下から爆発音がした。

一瞬遅れたらやられていた。

男はそのまま右足を一歩後ろに踏み出し、それを軸に体を回し裏拳をかましてくるのを、俺は屈みこんで避ける。

その状態で俺は足払いをし、バランスを崩す。

バランスを崩したことで死体。

左腕を強化し、背中から心臓目掛けて拳を放ったが軽業師のごとく空に飛んで躱された。

 

「お前...銃だけじゃないのか」

「銃だけでこの世界やっていけるほど甘くはないからね」

 

だとしてもあの腕前俺と同じくらいなんだけど...ズルくね?

いや、ここで怖気付いたから負けだ。

勝つ気でいかなければ。

 

「ふぅー・・・」

 

一度深呼吸をし、目を開く。

澄み渡った酸素が俺の脳をクリアにしてくれる。

と言ってもさっきまでの状況とは何の変わりようもない。

 

「行くぞ──!」

 

ラビットステップを発動させ、一歩目だけを加速させ、その勢いを利用する。

他人の家を思いっきり荒らすことになってしまい申し訳ないが。

ヤツはいつの間にかローブを脱ぎ捨てていたのだがそれはどうでもいいだろう。

 

我が手に収まれ(セット)

 

我が手に収まれ、この魔法は至ってシンプルであり固定した武器や防具を離れたところから持ってくる魔法。

机で銃弾をガードしていた時に置いていた刀が俺の魔法に反応し、クルリクルリと回転し俺の手の中に収まった。

 

「刀身変化──ナイフ!」

 

神様から貰った武器が変形し、5本の小さなナイフとなった。

それを俺は全力でヤツに投げつける──!

 

「おっと危ない危ない」

 

飛来するナイフを簡単に避けたが、続く俺のことを忘れて貰ったら困る。

 

「オォラァ!!」

 

空中で回転することで威力がアップした蹴りを直接頭に叩き落とす。

 

「甘いね!」

 

ヤツは腕を蛇のようにうねらせ、俺の蹴りをいなした。

こいつマジでやるな。

 

「──戻れ!」

 

俺の言葉を受け、壁に刺さったナイフはグニャリと曲がり始め一つになると俺の手の中に再び入ってきた。

それを返しの太刀で上に床ごと切り上げるが、そんなの分かっていたみたいに躱されてしまった。

ヤツは腕を横に出し、その手の中にゆっくりと銃の姿が表す。

ドォン!と勢いよく放たれた弾丸は散弾。

空中に散らばるのは一発一発が致命傷の鋼の弾。

迎撃は不可能なら躱すしかない。

身体強化、ラビットステップ、共に両足に──!

 

瞬間移動じみた速さで散弾を躱し、そのままの状態でヤツに接近し始めた時に散弾は後ろの壁に当たった。

 

「ゼアアァ!!」

「グッ」

 

刀を捨てながら急接近し、足を腹に叩き込み、踏み込みからの正拳突き。

前世だったら俺のパンチは相手をちょっと後ろに押すぐらいであるが、この世界の俺のパンチは軽く大砲である。

家の壁を突き抜け、砂埃をあげる。

それを追いかけるように俺はまた飛んだ。

 

「我が手に収まれ!」

 

家の中から刀が飛び出し、本日3回目の俺の手に収まることになる。

上空から地上に向かうその途中、砂煙を裂き4つのミサイルが迫ってきた。

だが所詮はミサイル。まだ小さな弾丸に比べればマシである。

 

「ハッ」

 

空中で1人笑い、全てのミサイルを半分に叩き切った。

俺にあたることなくミサイルは空中は飛んでいき空で軽く爆発を引き起こす。

ミサイルの爆風で砂煙が晴れる。

その中では男がマグナムを構えていた。

 

「喰らいやがれ!」

 

ドドドドドと残り一発を残して打ち出す。

 

「くぅ...」

 

刀を振るうが全ては切れず、1発は肩に命中した。

ミシミシと俺の肉体をえぐり肩から鮮血を溢す。

だがもう全ての布石は整え終わった。

 

「これでトドメ」

 

ヤツの依頼は足止め。

故に殺す必要はなく狙いは俺の足だった。

肩の痛みで上手く魔法が発動出来ない。

ヤツは勝利を確信した顔つきで引き金を引いた。

 

 

──ただし残弾がないマグナムの引き金であるが。

 

 

「なっ⁉︎んな馬鹿な⁉︎」

「隙あり」

 

前を向いた時にはもう遅い。

俺の拳は鳩尾を正確に狙い撃ち、続く蹴りは膝を的確に穿つ。

魔力を込めた一撃は鍛えたと言えども男を制すことは出来た。

 

「うっ...あの時残り一発あったはず...」

「あぁ、それはな...俺がかけた幻術だ」

 

そう、最後に俺が飛んでいた時に目が合った瞬間に写輪眼による幻術をかけていた。

マグナムの装弾数は計6発。

ヤツは全部撃ったが、俺の幻術によって六発目の銃声と、記憶を軽く操作した。

あの一瞬でよく出来たものだと思う...

 

「いっつぅ...!!」

 

緊張が解けたせいで痛みが回り始めた。

肩に命中した弾丸が超痛い。

正直泣き叫びたい。

 

「うぅ...!」

 

痛みに耐えながら指を傷跡に入れ、弾丸を摘まみ出す。

血が指に付着して非常に気持ち悪い。

ヌルっと、生暖かい血が付着した弾丸を地面に捨て、傷口を回復魔法で回復したいところだが出来ないので放置。

 

「今回だけは見逃してやるからな。次に敵対したらお前の銃全部パクって売却してやるからな」

「ハハ...そりゃ勘弁」

 

最後まで敵意があったのか分からない男をその場に放置。

さっさとエルザ達の元に戻るために魔導四輪を探したが重要なこと思い出した。

 

「俺未成年で死んだから車の運転の仕方分からねぇ...!」

 

ガクリと思わず膝をついてしまう。

こうなれば走っていくかと思って前を見た時だった。

少し離れた所に空を飛んで移動する物体を発見した。

 

「むっ...あれは?」

 

遠見の魔法を使い物体をズームアップ。

傷を負った男が何かを呟きながら空を浮遊している謎の光景だった。

 

「確かあれは...今回の犯人であるエリ...ンボー(?)だったか」

 

今更エルザ達の元に戻って間に合わないだろうしなぁ...、と考えたところで俺は悪魔じみた方法を思いついてしまった。

後ろで倒れている男に俺は満面の笑みを浮かべた。

 

「なぁお前、対戦車ライフル貸してくんね?」

 

 




次回、エリゴール死す。デュエルスタンバイ!!

オリジナル魔法紹介

我が手に収まれ...あらかじめ設定しておいた武器や防具を手元まで持ってくる魔法。ルビ振りがセットとシンプルなのに我が手に収まれと結構厨二が入っていたりする。

遠見の魔法...遠くを見えやすくする魔法。残念ながら究極生命体ワ○ウのように天体望遠鏡並みではない。


オリキャラ

ロビン...全身真っ黒で某探偵漫画の黒づくめの組織に所属してそう。
主人公は知らないが彼も実は転生者と呼ばれるものである。ただし主人公と違い前世の記憶はない。
特典はサイコロで2つまでだった。
1つは前世の世界にて存在していた全ての銃
2つ目は無限の弾丸、マガジン
記憶はなかったが心のあり方は変わらないためのんびり依頼を受けながら街を巡っている。


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