Lv.0の魔道士   作:蓮根畑

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エリゴール、あぁエリゴール、エリゴール。



12 妖精の尻尾の魔道士

 

 

 

「クソッ!あのハエごときに撤退する事になるとは...!!!」

 

街の上空、ナツとの戦闘により撤退を余儀なくされた闇ギルド鉄の森のマスターエリゴールはギリと歯をくいしばった。

傷を負い、魔力も大量に使ったせいか彼の得意であるはずの風魔法もそよ風のように何処か頼りない。

 

「いつか...あのクソ野郎に復讐してやる...!」

 

復讐を新たに誓った彼。

しかしその野望は夏場に放置したアイスクリームのように溶けることになる。

全てが終わった後の話だが彼は、彼自身が雇った用心棒を舐めていた。

魔法と科学では、魔法の方が上と決めつけてしまった。

だが思い出して欲しい。

用心棒であるロビンは全ての銃を持つもの。

 

たかが風を鎧にして纏う魔法と、戦車の装甲ごとぶち抜き、人に当たれば即死は間逃れないライフル。

 

どっちが強いと思うか?

 

 

ドォンと遠くから音が聞こえた。

 

 

「何だ──?」

 

不思議に思ったのも一瞬。

何もなかった足に穴が空いた。

火竜の異名を持つナツとの戦闘で食らった攻撃とは比較にならない一撃。

足の甲が貫通し、痛みが全身に巡ることで持続させていた魔力を止めるにはうってつけの一撃だった。

 

「ギャァァァァァァァ!!!」

 

未知なる痛みに恐怖し、魔法を解いてしまう。

重力に従い10メートルの落下を終えると、地面に這うように動き始めた。

 

「誰だ...こんな魔法...俺は、知らない...!」

 

ロビンは転生者であり全ての銃を持つもの。

この世界の住人が知るわけがない。

エリゴールが這う先に見えるのは2つの人影。

エリゴールが落ちた衝撃の砂埃で顔が見えないがゆっくりと距離を縮めていく。

 

「我ながら...うまい狙撃だった。やっぱ写輪眼っていいね」

「おたく本当に銃初めて撃つのか?歴戦のスナイパーみたいだったんだが...」

「あぁ、バトル○ィールドとC◯Dで覚えた」

 

呑気に会話しながらエリゴールの前まで迫った2人。

片方は全身真っ黒男、そしてもう1人がジャージ姿の男だった。

 

「貴様ァ...俺を裏切ったのか!!」

 

殺意のこもった目で睨みつけるが黒男は飄々とした態度で返事を返した。

 

「いやぁ、俺ってばこの人に負けて脅されちゃってですねぇ...そもそも足止めなら十分したじゃないですか」

「ふざけるな!!これの何処が──」

 

ドォン!!と銃声が響き渡った。

音と同じくらいの速さで飛んだ弾丸はエリゴールのすぐ側を抉った。

 

「なっ...あぁ...」

 

魔法銃による攻撃は見たことがある。

だがそんな物の何十倍の速さで飛んでくるものを見たら人間誰だって恐怖する。

銃を撃った本人は拝借したハンドガンをエリゴールに見せつけるように突き出していた。

 

「御託はいい。それより俺からの依頼だ」

 

ジャージ姿の男の手にはエリゴールが憎くて憎くてたまらない妖精の尻尾のギルドマークが刻み込まれていた。

 

「はっ!誰がハエなんかの──」

 

ドォン!と銃声が響く。

 

「次は両腕を撃つ。これは警告だ」

「・・・!!」

 

エリゴールは心の底から冷えるような恐怖を久しぶりに見た。

例えるなら魔法も使えない一般人が逃げ場のない山で熊に遭遇した恐怖。

男の目には赤く染まり二つの巴印が浮かび、目の中心には燃え盛る炎のように黒いナニカが浮かび上がっていた。

 

(ま、間違いない...!こいつ、ヤル(・・)と言ったらヤル男だ...!)

 

そこに油断や、情などない。

向けられる視線は養豚場の豚でも見るかのようにただひたすらに冷たい目。

小さな子供が見たら泣く確率100パーセントだろう。

 

「返事は?」

「く、クソッ!ハエごときに利用されるかッッ!!!殺すなら殺しやがれ!!」

「いや、あんた金がかかってるし殺しはしない。まぁあんたが何言おうと俺の足になってもらうけどな」

 

エリゴールが男の赤く光る目を見た時、意識が完全に落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『カカカ...どいつもこいつも根性のねぇ魔術師どもだ...」

 

夜になり、空には雲が多く闇の一色。

エルザ達はララバイの笛を追跡して、各ギルドマスターの定例会場に着いた時には鉄の森のカゲヤマはララバイの笛を手離していた。

そこに響いたのは地獄からの使者のような低い声。

声の元凶はララバイの笛からだった。

先端についてあるドクロから黒い瘴気が空に舞い上がり寄って集まり異形の怪物と化していく。

 

『もう我慢できん...ワシが自ら食ってやろう...貴様らの魂をな...』

 

瘴気が収まる頃には高さ10メートル、横5メートル程の悪魔が産まれていた。

ララバイは吹くことにより人の魂を食らう化け物。死にたくても死ねないゼレフが自らを殺すための悪魔の一端。

 

「いかん!吹かせたら近辺にいる住人が!」

 

誰よりも早く行動を始めたのは妖精女王のエルザだった。

天輪の鎧を纏い、自分の周りに10の剣を出現させ、全ての剣を円状に並べララバイに向かい放つ。

高速回転しながら迫る剣はララバイの人間で言うところの脇腹に直撃し大きく体を抉った。

 

「うおおおぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

ナツはゼレフの体を伝い頭にまで近づく。

こんなに早く登るのは可能かと誰もが思ってしまうが人間のクライミング能力は猿よりも優れている。

 

「左手と...右手の炎を合わせて...!」

 

炎と炎の相乗効果。

両腕に灯った炎は片腕のおよそ2倍。

 

「火竜の煌炎!!」

 

バンッ!と手を打ち鳴らすと膨れ上がった炎がララバイに直撃し、ララバイを大きく動かした。

 

『小癪な!!』

 

ララバイが腕を振るうと呪いが込められた魔弾が放たれた。

属性も何もないただの魔力がこもった一撃であるがララバイの魔力故に非常に強力だった。

その弾丸は無秩序に放たれ近くにいたギルドマスターの方へと飛び、直撃すると思った時だった。

 

「アイスメイク──大盾(シールド)!」

 

グレイが前へと飛び出し、魔力を氷へと変換させ前方に縦2メートルの集めの盾を作り上げた。

魔弾が爆発。

しかし氷が多少砕けただけでグレイやギルドマスターには傷はない。

ルーシィはゼレフが生み出した魔物と戦う3人を見て圧感に包まれていた。

 

「ナツ!グレイ!次で決めるぞ!!」

「「おう!」」

 

ナツは先よりも巨大な炎を、グレイを氷を、エルザは無数に舞う剣達を──

 

「火竜の──」

「アイスメイク──」

「舞え!剣達よ──」

 

 

これが──

 

 

「──煌炎!!」

「──氷欠泉(アイスゲイザー)!!」

「──循環の剣(サークルソード)!!」

 

 

──妖精の尻尾の魔道士!

 

 

 

多大なる魔力を持つララバイも大きすぎるダメージを止めきれず、その行動を停止しようとしていた。

自重に従い崩れる先には定例会場──

 

「定例会場がああぁぁぁ!!」

 

妖精の尻尾のギルドマスターであるマカロフの頭に定例会場が壊れた後のことがふと思い浮かんだ。

書かされる始末書、修復代、そして「あれ?これって評議会に呼び出されるんじゃね?」と。

散々問題を起こしてきた妖精の尻尾。

ついに呼ばれるのかと涙が溢れそうになったその瞬間だった。

 

「刀身変換──双剣

身体強化、ラビットステップを全身に

そんでもって八門遁甲、第一門開門──!」

 

崩れ落ちるララバイに無数の切れ目が入った。

ララバイが崩れるのが一瞬止まったのと同時にヤツは来た。

 

「すいませんマスター。遅れてしまって」

 

片手に紐でグルグルにされたエリゴールを持ってジョニィ・アルバートは来た。

 

「なんかヤバそうだったんで切ったんですけど大丈夫ですよね?」

 

その言葉を言った途端ララバイはバラバラに崩れ落ちた。

 

「スゲー!!おいジョニィ!今のどうやったんだよ!!」

 

マカロフとジョニィの間に入ってナツがドカドカと入り込んで来む。

ララバイが一瞬にしてバラバラになったのだ。そりゃ誰でも気になる。

 

「えっ?ただ早く斬っただけだけど?」

「早すぎじゃない...?」

「正直私にも見えんかったぞ」

「というかそんなに動けるなら俺と戦った時手ぇ抜いてただろ!」

 

ジョニィが妖精の尻尾に入った初日にナツと戦った。

その時は相打ちとなって終了していたがこれだけ早くは動いていなかった。

 

「いや実はこれ体の負担が...」

 

言葉の途中、ジョニィは電池の切れたロボットのように地面に倒れこんだ。

咄嗟にナツが体を支えたがその途端にジョニィが叫び声をあげた。

 

「どうやら相当体の負担がかかるようだな...」

「おい!ジョニィ!生きてんのか⁉︎」

「」チーン

「ジョニィィィィィィィィィィィィィ!!!」

「いや死んでないから」

 

 

 

 

 

 

後日談、と言うか今回のオチ。

翌日僕は火○と月○に起こされ──

え?物語シリーズのオチはいらない?

何だよ冷たいなぁ..。

まぁ簡単に話をしておこう。

原作だと確か潰れていたはずの定例会場は俺の手によって阻止された。

これにはマカロフ大喜び。

そして原作ではナツから逃れたエリゴールは、俺の手によって魔力をすっからかんにされた状態で捕まった。

エリゴールには指名手配がかかっており捕まえた実績として俺には金が贈呈されることとなった。やったぜ。

まさかまさかの350万Jである。

やっぱ金儲けって楽しいねぇ(ゲス顔)

まぁほとんどナツが仕留めたのであるがそれはそれである。

捕まえたの俺だしー?

どうせアニメでも再出てきても秒で倒されるしー?

呑気に空飛んでるヤツが悪い(白目)

 

俺はと言うとエリゴールを長時間幻術にかけたせいと、八門遁甲を開いたことでの負担が大きい上に、魔力がすっからかんだったため一日動けず病院に連れていかれた。

結局2日で帰ることになってしまいサクラには申し訳ないがまぁ許せサスケェ方式で頭小突いてたら問題ないだろう(すっとぼけ)。

とまぁ原作と違うのはこんな感じ。

あ、後この後行われるであろうナツ対エルザとの戦いで評議会が来ないことである。

ナツとエルザの戦いは俺たちが帰って三日後に行われるとの話を聞いて俺は妖精の尻尾を後にした。

今日の晩飯は怠いからレストランで済ますかと思い歩いている時だった。

 

ビュオォと風が吹き荒れる音。

男子○校生の日常的に言うなら「今日は...風が強いな」「でもこの風、泣いています」みたいな感じだ。

それだけなら俺は普通に通り過ぎた。

しかし俺が足を止めた理由がある。何故ならそこはサクラを鍛える時にいつも使っている場所の近くだからである。

美味しい店の匂いに誘惑されていってしまうのと同じように俺は歩いていった。

一歩踏み入れるたびに風の音は強くなる。

そして視界の開けた場所に出ると、一陣の風と化し落ち葉を叩き斬るサクラの姿が見えた。

動くたびにパンパンと的確に、そして無駄な動作は一回もなく、一分する頃には木の葉は全て斬られていた。

 

「嘘やろ...」

 

思わず関西弁になるほど驚愕だった。

 

──幾ら何でも早すぎる...!

 

俺が落ち葉千枚叩き斬りの修行が成功したのに何ヶ月もかかったと言うのに...たったの三日⁉︎

ナ○トの中人試験でロ○クリーに手も足も出なかったのに本戦になるとごっつい強くなってるやつの再現かこれはッ!(分かりにくい例えですいません)

 

「あっ!アルさーん!!見てました今の⁉︎私これで弟子ですよねー!」

「・・・」

 

我輩思わず白目。

サクラがマジで天才剣士沖○さんですよー!と言っても問題なくなってきた。

ふと目を下に向けると雑草の上で死体みたいに横たわっているガジルの嫁であるレビィが倒れていた。

 

「...どったの?」

「サクラちゃんが、私に...小さい竜巻作って...ってお願いされたから作ってたんだけど...魔力が...」

 

それ以降レビィは喋らなくなった。

アーメン。

 

「それでどうなんですか⁉︎弟子ですよね⁉︎もうこれって弟子確定ですよね!そうですよね!!」

「・・・そうだね(白目)」

 

才能って羨ましいと思った俺だった。

こうしてララバイ編は終わりを告げるのであった。

 

 

 

 

 




エリゴール逮捕!
ニルヴァーナ編での再登場も防いでやったぜ!!
主人公君はしれっとゲスい事していますが、主人公君は利用できるものなら何でも利用するタイプです。
正直これ書いてて犯罪者とはいえども奴隷扱いみたいな事したらマカロフキレるんじゃね?と思ったのですが...まぁ、都合上なしにしました。すいません。



NEW SKILL

漆黒の意思...某奇妙な冒険で出てくる意思。目的のためなら殺人や自分の命すら関係なく行動する。詳しくはWEBで。

八門遁甲...某忍者漫画で使用された脳のリミッター外し。最大8門まであり開くにつれて身体能力が向上する代わりに肉体が破壊される。まさに諸刃の剣である。第一門から順に、開門、生門、休門、傷門、杜門、景門、驚門、死門がある。八門全て開いた状態を八門遁甲の陣と言い少しの間あのマカロフでさえボッコボコに出来る力を手にする。ただし死ぬ。
主人公は最大五門まで開ける。
余談ではあるがフェアリーテイルの世界線ではこの魔法をリミテッド・ゼロ・オーバーと何処ぞの無限な剣製をする正義の味方の概念礼装そっくりである。

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