「プーン・・・」
「よしよし、可愛いですねー。あ、チョコ食べます?」
「犬にチョコやったら早死するぞ」
全身は薄い青、黄色い角...というか鼻?
丸い顔にこれまた丸い目、肉球のついた手、尻尾の生えた犬みたいな生き物。
触り心地としては人形に近いかな。
それが俺たちが捕まえたプルーである。
このプルーと呼ばれる生物はフェアリーテイルの作者である真島ヒロさんが以前に書いていたRAVEと呼ばれる作品に出て来たのが始まりである。
RAVEでは唯一レイヴ以外のものでダークブリングを壊す能力を持っていたり、怪我した人をプルーの上に乗せて震える事で外傷の悪化を防ぐ超便利ペットである。
しかしフェアリーテイルでは精霊の一体であり正式名称は「子犬座のニコラ」であり、原作では戦ったりはしていない。
というかプルーってルーシィが契約しているはずなんだけど...どうしてここに?
あ、でも確か精霊世界みたいなところに行った時大量のプルーがいたな...
「プーン...」
「えー、でもポチが震えてますよ?」
「ポチって...犬じゃないんだから...あ、犬だったわ」
ドリルが生えた妙な生物ではあるがいちよう子犬座なのだ。
「糖分は控えた方がいいからな...持って来た昼飯のあまりを...」
でっかいおにぎりに海苔をひたすら引っ付けただけの爆弾のようなおにぎり。
俺が日本で食べた時あまりの衝撃で忘れなかった一品である。
中身はおかか、明太子、鮭に似た何か。
味は大丈夫だ。
「ほれ」
「プーン...」
肉球で器用に掴みモグモグと食べ始めた。
・・・可愛い。
「私も欲しいです」
「お前昼飯食べてないのか?」
「いえ、食べましたよ?それが何か?」
「我慢しろ」
えー、と文句をブーブー垂れ流すサクラを放置して色々とプルー(仮名)を見る。
この世界ではプルーは精霊扱い。つまりプルーと契約した精霊魔道士がいるはずなのだが...
「プーン」
チャリンと金属音が鳴ったので見て見るとプルーの首には契約に絶対必須の鍵がネックレスのように飾られていた。
まさかまさかの精霊の放し飼いというやつなのだろうか...
「謎が多いなぁ...ん?」
よくよく見ると鍵の根元には紙が結ばれていた。
取って中を見て見ると汚い字で何かが書き綴られていた。
「むぅ...読めんなぁ...」
何か手がかりになる可能性があるので取り敢えず回収。
何にも手がかりがないので鬱憤を漏らすように寝そべる。
上空には鳥が3匹固まって飛んでおり、空は雲ひとつない快晴。
「あー、無駄に晴れていい天気だなぁ...」
「お爺さんみたいなこといいますね」
「プーン...」
改めて紙を出して読もうとしても全く読めない。
見ていると解けない数学の問題を見てるような気分。
出して数秒だが速攻ポケットに戻した。
「ここで寝てても仕方がないか...っておいサクラさーん?」
「Zzzz...」
さっき返事をして何秒も経ってないのにサクラは寝ていた。
何処の○び太君だろうか...
「サクラー。寝てるとオークに触られてエロ同人みたいになるぞー」
「Zzzz...」
起きない。
「サクラさああぁぁぁん!!!!」
「Zzzz...」
全然起きねぇなコイツ。
放置してさっさと行きたい所だが放置して攫われたりしたら...
「仕方ねぇな。起きるまで待つか」
「プーン」
3時間後...
「むぅ...」
ようやく体を起こしたサクラの口元には寝てる間に垂れた涎。
目をゴシゴシと擦って大きく欠伸をしていた。
「やっと目が覚めたか」
「あれ...アルさん...」
「もう夕方だから帰るぞ」
「はぁい...」
最後にもう一回欠伸をしてサクラは立ち上がった。
「プーン」
「勿論お前も忘れてないぞ」
プルーをつまみ上げ姿勢が取りやすそうな俺の頭に置いた。
帽子がわりに結構いいかも...
「あ、あとサクラ。涎拭いとけよ」
「えっ⁉︎先に行ってくださいよ!」
「貴様なにも──」
「──写輪眼」
「はふぅ...」
本日二度目の野獣先輩の幻術。
たっぷりと犯されたまえ。
あの後30分歩くことでようやく戻ってこれたメルカス。
お腹はペコペコである。それはプルーも同様のようでくぅ、と可愛らしい音をお腹から出していた。
「お爺ちゃん返ってきたよー」
「只今戻りましたー」
「プーン」
ルチネスさんの家に戻ると中からは香ばしい匂いがした。
匂いからするとおそらくシチュー。爺さんの癖に中々女子力が高いな...
「おぉやっと帰って来おったか...あとは盛り付けだけなんで休んで起きなさい」
「ありがとうございます」
お言葉に甘えて床の間に座り、早速俺はポケットからあの紙を取り出した。
それと同時に写輪眼を発動させる。
実は写輪眼には解読能力も備わっていたりするのだ。
とはいえども未完成の俺の写輪眼では限度はあるが...
「こ、このむ...らで...んー...」
「出来たぞー。席に座れー」
「はーい」
紙をしまい、やっとの夕食。
シチューにサラダ、それにパン。
質素ではあるが腹がペコペコの状態だったらとても美味しそうに見える。
「それでは...いただきます!」
美味かった夕食も終えあっという間に夜中。
部屋の一室を貸してもらったがここの家は確か2LDK。つまり二部屋しかないのだがサクラとルチネスさんは同じ部屋で寝るのだろうか?
...だとしたら何だか罪悪感があるな。
「まぁ気にしても仕方ないか...解読の続きでもしよ」
写輪眼が発動させ紙とにらめっこ。
あまりにも集中していたせいで魔力切れにも気づかずいつのまにか眠っていた。
「なあああぁぁぁにもねぇぇぇ...」
「プーン」
2日目。
色々と罠を張ったりしてみたが何にもかかってない。
今日も上空でカラスに笑われるだけだ。
「カラスに上空で流れた時には足と足の間から石を投げる...だっけな」
試しにやってみるがカラスには届かず石は地面に落ちた。
「プーン...」
「なんだ?慰めてるのか?」
ポンポンと俺の足を叩くプルー。
何故か懐いたプルーを頭に乗せ連れて来たのはいいが特に役立つことはしてくれてない。
まぁ暇なときに触るけどさ。
「仕方ない。今日も解読かな」
昨日の内に読めたのはたったの1行。
あと4行ある。辛い。
「このむらで...おそろ...しい...こ、とが...ってなんかこの手紙ヤベェ気がしたぞ!」
実は今自分がとんでもない事態に巻き込まれてるんじゃないか...⁉︎
この手紙の内容からして「この村でヤベェことが起きてる!助けて!」みたいな感じがする。しかも紙の質感からしてまだ新しい...。
この付近の近くの町はメルカスのみ。
そして異変といえば俺が入るだけで門番が俺を殺す勢いで見ていることも関係ある。
「俺...ヤバいクエスト受けたな...」
メルカスの村の中心には城のようなものが建っている。
城といえども大阪城みたいな感じ。中世感は皆無だ。
そんな所に俺は侵入していた。
何故と聞かれれば簡単。
メルカスの村の門番に余所者を入れるな、と命令したやつの懐に入るためだ。
さて、どうやって侵入したかというとジョジョ2部に出て来たワムウのステルス能力、あるいはfateシリーズの騎士王アルトリアが持つエクスカリバーに纏わせている風の剣のように、空気の層を屈折率を変えることで透明化する事が出来る。
と言ってもそんな器用な操作は数秒しか出来ないので城に入る時だけ限定ではあるが入ってしまえば俺のものだ。
ダンボール被ったあの人みたいにステルス能力を発揮するぜ。
「───!──!」
「───」
声がする方に音を立てずに進んでいく。
「例の物が完成するのにあと何日かかる?」
「2日...見積もって3日。どちらにしろ邪魔はされないでしょう」
「そうか...くくく、楽しみだなぁ...」
「そうそう。結界ですが今夜あたりまた男どもから魔力を徴収せなければなりません」
「チッ、これだからただの屑どもは...」
・・・ヤベェ事聞いちゃったぞ。
こんなの必殺仕事人に依頼しなきゃ...あ、この世界にいなかったわ。
というか本当にどうする?
今から評議会に連絡してもいつ来るか不明だし、そもそも何を起こそうとしているんだ?
「取り敢えず...情報収集だな。隠密行動はメタ○ギアとアサシン○リードで習った」
実は作者、RAVEを最終巻まで読めていなかったりする。