Lv.0の魔道士   作:蓮根畑

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オリジナル回は終わりです。
超雑ですが許してください。

注意、作者はハマっている漫画やアニメに影響されるため一部の漫画やアニメのセリフが飛び交います。


6 嫌いなものは

 

 

 

「サクラ・アガートラムはいるか?」

 

午後6時過ぎ、ルチネス家の玄関が開き、低い声色が家の中に響いた。

この日はジョニィについて行かず家で家事をしていたサクラは着ていたエプロンを取り外し、玄関へと向かった。

玄関の前に立つ男は身長2メートルはあるのではないかと錯覚してしまうほどの屈強な男であり、腰には剣が鞘に収められていた。

 

「何でしょうか?」

「長の呼び出しだ。拒否権はない」

「・・・はい?」

 

サクラは頭が真っ白になった。

この村の長が直々に呼び出し。勿論サクラは何もしてない。村を無断では出たが誰にも気づかれることはなかった。

 

「何故でしょうか?」

「さぁな。俺には聞かされてない」

 

表情一つ変えずにそう言った男は行くぞ、と呟き歩き出し、その後に続いてサクラも歩き始めた。

ドキドキとサクラの鼓動が大きくなる。

もしかして打ち首にされるんじゃないのか?はたまた拷問⁉︎と悩んでいるとすぐに城についてしまった。

場内は堀池やシャンデリアと取り敢えず高価そうなものがズラリと設置されており一般市民であるサクラの目には余りにも高価過ぎて

居心地が悪くなったがそこは我慢。

 

「連れてまいりました」

「うむ。下がれ」

 

何階分の階段を上りきった場所に彼はいた。

 

「ようこそ我が城へ。私の名はナヘマー」

 

そのあまりの美しさにサクラは口を開いたままだった。

もしも神様を見たならきっとこんな感じなのだろう、と。

それほどまでに男の容姿は整っており、何も喋れずにいた。

 

「その驚いた顔は美しいぞサクラ・アガートラム...」

「...何の、話ですか...」

 

ズズッと頭が朦朧としている時に迫ってきており、気がつくと顎をクイと持ち上げられていた。

 

「この村で一番の女はお前だったからなぁ...一番最初にヤらせてやるよ」

「何を言って...⁉︎」

 

男の美しい顔がドス黒く染まって行く。

サクラの中の警報がうるさく鳴り、逃げようとするがまるで体が固まったように動けなかった。

 

「ここまでの準備に半年かかった。これからこの村は完全に俺のものとなる!」

 

開いた片方の手で顔を抑えたナヘマー。

サクラは何がどうなっているか分からなかった。動けと命じても全く動かない自分の体。

真っ白な思考の中で考えれることはきっとこの後ナヘマーにヤられるという事実。

 

「周りには見えない結界を張り!この村の女どもを掌握する魔法道具に魔力を補充するのに半年!その間いつ捕まるかと驚いたもんだがもうこっちのもんだ!」

「うっ...」

 

腕を引っ張られ、無理やりベットに倒されたサクラ。

恐怖が顔に現れ、体が震える。

それを見たナヘマーがまた笑みを浮かべた。

 

「いやっ...!」

「ククククハハハハハハハ!!!」

 

 

 

 

 

「なぁにエロ同人みたいな事してんだよゴミ野郎」

 

声がした。

それはサクラにとってここ最近よく聞く声であり、ナヘマーにとっては聞き覚えがない声。

サクラのポケットから光の玉が浮遊し、そこから音声が発せられていた。

 

「誰だ!?」

「誰だと聞かれて答える正義の味方はいねぇよ。というかアンタの顔見た事あるぞ?何だっけ?「女たらしのクリル」みたいな感じだったな...まぁそれはどうでもいいとして──」

 

 

 

「おじゃましまああぁぁす!!!」

 

ドゴンッ!!と壁を吹き飛ばしながら入ってきたのはジョニィ・アルバーンだった。

 

 

 

 

 

 

あの情報収集開始から2日。

クエストの事は一旦中断して俺は城内を調べていた。

その結果分かったことが、この村の長がハーレムしようとしていることだった。

思わず目が点になってしまったがまぁ気持ちは分からんでもない。

ハーレムって一度は憧れるもの。

そしてここからがさらに驚愕。

なんと自分が村の長という暗示をかけ、村の外に出るなという命令。

更に村の男性を使ってハーレムを作る機械の為の魔力を集めたりもう...ゲスだな。

なんか腹が立ったのでそのまま俺が城に乗り込んだ...ということだ。

 

「貴様ァ...知ったからには覚悟しろ!」

 

ドタバタと階段から兵士が駆け上がってきた。

その数およそ100。

だがこの程度ならば──

 

「行け!ぶっ殺せ!」

「「「「「ォォォォォォ!!!」」」」」

 

それぞれが武器を構えて突撃してくる。

俺はゆっくりと横に手を伸ばし魔力を集中させる。

 

「──喚装」

 

作中にてエルザ・スカーレットが使っていた魔法。別空間にストックしてある武器を取り出す魔法だが俺はその別空間に一つだけしか武器は置いていない。

それこそ第二の特典として貰った神様からの武器であり、俺の唯一の武器。

それが今俺が手に持つ黒い刀だ。

名前はない。ビームは出ない。いつから錯覚していた?みたいなことも出来ない俺の刀。

ただ頑丈だけが取り柄な俺の刀。

本当に神様が作ってくれたかどうかかなり不安だがゴミ共相手ではなんの支障もない。

 

「知ってるか?」

 

刀を構え、写輪眼を発動させる。

 

「ブッ殺す!と心の中で思ったなら、その時既に行動は終わっているんだ。ただし俺の行動だけどな」

 

ジョジョの名言を言いながら一閃。

殺すつもりはないので逆刃で叩きつける。

5人が吹き飛ぶ。

次々と迫ってくる敵に対しひたすら刀を振り続ける。

最短で最初で最低限に。

 

「どけぇ!俺が行く!」

 

群の中から出てきたのはサクラを城に連れてきた屈強な男。

腰から剣を引き抜き、筋力で剣を叩きつける。

 

「刀身変化──双剣」

 

俺の持つ刀がグニャリと柔らかくなり、二つに分解されると長さが半分程になった二本の刀。

俺はそれを握り名も知らない男の剣に当たるように素早く交差させた。

 

「なにぃ!!??」

 

パキンと剣の半ばからスッパリ切られた剣に驚きが隠せない男のガラ空きになった腹に目掛けて強化した足を叩き込み、後ろのやつとぶつける。

左右から敵接近。その場で飛び上がり両足で左右の敵の顎にめり込ませた。

 

「攻撃が当たらないぞ⁉︎」

「どうなっている⁉︎」

 

そう言われると何だか嬉しい。

主人公になってる気分だ。

 

「お前ら魔法を使え!」

 

ナヘマーの言葉にハッとした表情になった敵達は武器を捨ててを前方に構えた。

敵達の手元には炎、水、風と様々な魔法が発射されようとした。

 

「死ねぇ!!」

 

計41発の魔法。

一般人なら即死だったろう。しかし俺にはこの眼がある。

刀を地面に落とし、指の形を変え簡易魔法術を発動する。

炎には水を、水には雷を、属性に合わせて弱点となる魔法を指先から打ち出すこと41回、空中にはただ魔法がぶつかり合った証拠となる煙だけが漂っていた。

 

「こいつ全部消しやがった...」

「はっ、師範代の鬼畜メニューの方がまだ楽だ」

 

落ちた刀を拾い直し刀身変化の魔法を解く。

魔力残量は数値的に29と言ったところ。ナツとの戦闘でほんの少し魔力が上がったがそれでも充分には戦えないな...

 

「さぁどうする?まだまだ余力はあるぞ?」

 

嘘です。結構ピンチです。

ざわつく敵。いいぞ!早く諦めてくれ!後が楽だから!

 

「「「逃げろおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」

 

バタバタと元来た方向に逃げる41人。残り59人は気絶している。

こうやって見てみると俺って何気に凄い事してるなぁ...

 

「残り一人だ...覚悟は出来てるな?」

「ひぃ!!??」

 

ナヘマーあたらめクリルは、某ラノベの主人公にて脅されて泣き顔になったオベ○ロンみたいな顔をしていた。

ふと何か思いついたみたいにニヤリとキモい笑みを浮かべるとベットに投げ出されていたサクラの髪の毛を遠慮なく掴み、腰から出したナイフを喉に当てた。

 

「こいつを殺されたくなかったから自殺しろ!」

「うわっ、雑魚臭が半端じゃないなお前」

 

あまりのテンプレ具合に思わず呆れていた。

何?サクラが髪の毛を掴まれてるから早く助けてやれって?

大丈夫大丈夫。すでに布石はうってある。

女の子の髪の毛は大切にしないとね。

 

「いいのかそんなこと言って⁉︎こいつの命は俺が握っているんだぞ!」

「ふーん...やってみろよ」

「言ったな!ならお望み通り殺して...や...る...⁉︎」

 

クリルの体はピクピクと動くだけで、ナイフは喉に突き刺さろうとしなかった。

 

いや、喉に当てる以前にサクラではなかったが。

 

「体が...動か、ないだとぉ...⁉︎」

「ここに来てお前と目を合わせた時既に幻術にかけておいた。写輪眼には幻術の時間設定も出来るからな。そして...」

 

 

 

「今お前が今掴んでいるサクラはただのそこら辺に落ちてた剣だ」

 

写輪眼による幻術は解除するが、肉体拘束は解かない。

クリルは驚きを露わにし、肉体拘束のせいかはたまた恐怖のせいか体が震えていた。

 

「た、助けてくれ...!」

「おいおいおいおい。こんな事やって今更命乞いか?この村の女の子全員とヤろうとしてたのにか?」

「宝をくれてやる!だから助けろ!」

「・・・そんなの後でパクってやるから心配すんな」

 

何せ依頼を途中放棄し、これである。

来月の家賃分は頂く。

 

「分かった!お前にもやらさせてやる!それでどうだ⁉︎」

「・・・俺の嫌いなことを教えてやろう」

 

あまりの話の変わりようにクリルは目をポカーンとさせた。

 

「3位から1位までだ。よーく耳を澄まして聞きやがれ」

 

 

クリルから5メートル程距離を置く。

 

 

「3位。リア充。これは俺の前世から変わらないこと」

 

 

 

 

 

「2位。チャラい男。特にお前みたいなやつだ。どうせお前日頃からチャラチャラしてただろ?」

 

 

 

「そして1位は──」

 

 

残った魔力を総動員させラビットステップ、全身強化、刀身変化──籠手、の3つを発動させた。

音じみた速さでクリルに接近し、思いっきり拳を振りかざす。

 

「テメェみたいなやつがサクラみたいな女の子に手を出す事だああぁぁァァァァァァ!!!」

 

顔面に拳を叩き込み、地面に叩きつける。

木造建築であるこの城が勿論耐えれる訳はなく、城の一番上の階から地下室まで落ちて行った。

そして何かの偶然かクリルは見事ハーレム装置なるものに直撃し、使い物にならなくしていた。

 

「ジョジョ風に言わせてもらうと...アリーヴェデルチ(さよならだ)!」

 

そしてこのジョニィ君はクールに去るぜ...宝をパクった後に。

 

「アルさーん...」

「はっ⁉︎忘れてた!」

 

 

 

 

あの後の話だ。

実はあの城の中にはもう一つの装置があり、それが魔法に関する事を忘れさせるというものだった。魔道士や魔法という存在は知っていても自分には使えないという暗示だ。

この魔法の影響を感じたルチネスさんは咄嗟に契約していたプルーを召喚し、何処かのギルドへの救助の紙を持たせたが罠に引っかかって失敗し、そのプルーを俺が持ち帰ったという事だった。

 

「もう行かれるのですか」

「えぇ、あんまり長居しちゃうと居心地が良くて帰れなくなりますしね。それに...」

 

城をぶっ壊した翌日、俺が持ってきた荷物とは別に風呂敷に入れるだけぶちこんだ城からパクった金銀財宝。

 

「見つかったら困りますしね」

「ほっほほ、顔に似合わず結構悪いことするのぉ」

「金に飢えてますから!」

 

会心のドヤ顔である。

流石に金なしで帰るのは辛い。

評議員が来るのにあと数分、その間にさっさとこの村を出て宝を売る!

完璧な計画だ...!

これは某 夜○月も驚きだ!

 

「あ、俺が城ぶっ壊したこと内緒でお願いしますね」

「勿論じゃ。ワシは何も出来んかったし、ワシとサクラ以外城がぶっ壊れた事以外知らんからの」

 

ハッハッハッと大笑いするルチネスさん。

なんていい人なんだ。

 

「ところでサクラは何処に行ったんですか?

まだ見てないんですけど...」

「さぁの、ワシも見ておらん」

「プーン...」

 

その時丁度俺とルチネスさんの間に入ってきたプルー。

何だと思ったら俺のズボンを掴み、よちよちと登り俺の頭の上に乗ってきた。

 

「プーン」

「お、おいおい...」

「ニコラスが懐いとるな。そうじゃ。ワシからの報酬といっちゃあ何だがニコラスを貰ってくれねぇか?」

「はい⁉︎いやいや無理ですよ!」

 

そんなポケモ○みたいなノリで話されても困る。ルチネスさんとニコラスの付き合いは長いはずだ。それを俺が貰うなんて...

 

「ワシはあと数年したらくたばる身じゃ。それなら新しいパートナーに出会ってくれる方が嬉しい」

「ルチネスさん...」

「プーン...」

 

ルチネスさんは大事に首に巻いてあるネックレスからプルーの鍵を取り、俺の手に握らせた。

 

「あんたはいい人間だ。だからこそ託す」

「...はい。ではありがたく頂戴いたします!」

 

託された鍵を大事に握る。

丁度外がザワザワしてきた。評議員が来たのだろう。

 

「それではありがとうございました!また会いましょう!」

「プーン」

 

 

 

ーーー・・・

 

 

 

「間に合ったー!」

「プーン」

 

まさか駅で弁当選んでいる間に汽車が出ようとしていたなんて結構危なかった。

ラビットステップにマジで感謝。

でもおかげでここ限定のカツサンドを買うことが出来た。

プルー・・・というかニコラス(?)にはRAVE同様飴である。

しかし何と呼べばいいのか...ニコラスって呼んだ方がいいのか?

 

「まぁ帰ってから決めよ」

「プーン」

 

飴を食いながら返事をするプルー。

プルーは既にルーシィがつけてるからダメだよな。

 

「しかしこの宝で10年は持つんじゃね?

明日からご飯豪華にしよう」

 

取り敢えず肉。高いやつ。

それをキロで買って一人で食べる。

 

「へぇ、いいですね。あ、勿論私にもくださいよ?」

「いやいや、これは俺一人で...は?」

 

あまりにも自然に会話に加わったので数秒気づかなかったが、顔を上げてみるとそこには最初からそこにいましたと言わんばかりの顔をするサクラの姿。

呑気にカツサンド食ってやがる。

 

「サク...ラ?」

「あ、カツサンド貰いましたよ」

「テメェ!?何人のカツサンド食ってんの!!??」

「いやぁ、そこに「私を食べて」ってカツサンドがいて仕方なく」

「嘘つけ!可愛い顔なら何しても許されると思うなよ!というか何故ここにいる!?」

 

ゴクンとカツサンドを飲み込みキリッとした顔で一言。

 

「弟子にしてください!」

「何いってんだお前?」

 

一難去ってまた一難。

俺はただのモブキャラ的な立ち位置なのに何でこんな面倒なことになっているんだ?

 




解説

「ブッ殺す」と心の中で思ったならッ!、その時スデに行動は終わっているんだッ!...ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風にてプロシュートが言った言葉。「ブッ殺す」と喚くばかりではただの負け犬同然であり、暗殺者であるプロシュートの仕事に対する態度の意味である。

アリーヴェデルチ!...同じくジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風にてブチャラティが言ったセリフ。イタリア語でさよならを意味する。
「アリアリアリアリアリアリアリアリ!!」とラッシュをした後、トドメの一撃を入れたこのセリフを言った。



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