私が見た光景に銀髪の男はこう言った。
「この世界を蝕む醜い蛆虫どもだ。」
この男の言葉に最初は理解できなかったので、私は「?」と反応する事しか出来なかった。
しかし男は言葉を続けた
「よく目に焼き付けておけ。この蛆虫どもが居るか限り世界を汚し続ける。」
その騒ぎの光景を目にしてから分かった事だ。
そこの騒ぎの中に居る人々は、鉄の塊から巨大な火を出したり、1人1人が持ってる鉄の何かで殺し合ってる。
人が吹っ飛び、周りに火柱が立ち、爆発してる。緑豊かな草原が汚れていく・・・。
そして人が沢山倒れていき動かなくなってる。真っ赤な水を体から流しながら・・・。
しばらく崖の上から男と共にその光景を見続けてた。
私が立ってる崖の上の後ろにはとても美しい緑の草原と澄んだ青空が広がってる。
しかし私の前には黒い煙に覆われて、沢山の大きな穴があいた大地が広がってる。その場所には所々真っ赤な水を流しながら動かなくなった沢山の人たちが転がってる。無残に原型を遺してない動かくなった鉄の塊もいくつかあった。
騒ぎは徐々に静かになっていく・・。左側にいた人たちが右側の人たちに背中を向けて逃げた。
しかし右側にいた人たちは執拗に逃げる左側の人たちを追い掛け回す。
「何故だ?左側の人たちはもう逃げてるのに、何故右側の人たちは追ってくる?」
私は疑問に思ったので男に問う
「あの連中は人を殺すことでしか快楽を得ることが出来ない者共だ。この世界には居ては行けない汚らわしいゴミどもだ。」
男はまるで崖の下の向こうにいる人たちを見下すように私の疑問に答えた。
しかし、その答えに私は新たなる疑問が浮かび上がった。
男はどうして暗い空間の水槽にいた私を選んだのか?
何故男は私を外の世界へ連れ出し、何でわざわざこの騒ぎの光景を見せたのか?
私はその疑問で頭が一杯となり、2回目の質問を男にぶつけようとしたが、先に男が言葉を走らせる。
「さて、そろそろ頃合いだ。付いて来い。」
今まで崖の上から人々の騒ぎを見てたが、男はそういうと動き出した。
取り敢えず私は男の後に続く。
男について行く。その先には長い下り坂があった。
男の言われるがままに後に続く。
下り坂を降りて私たちの目の前に広がってたのは。逃げ惑う沢山の人たちが、変な形を鉄を持つ人々に追いかけられてる。鉄を持った人たちは逃げ惑う人たちを動かなくなるまで叩いたり、大きな音を出したと同時に逃げ惑う人たちは真っ赤な水を吹き出して倒れていく・・・。
これで分かった事は、私たちは崖の上からみた”あの光景”の中へ入ってしまった事だった。
私たちの周りには真っ赤な水を流して動かなくなって地に伏した人たちが沢山いた。
男は足を止める。そして私に話しかけた
「お前に初めての役目を与えてやろう。」
そう言うと男は私に細長い形をした鉄を渡した
その鉄の先端には穴が開いてて、反対側には何かしらの取っ手がある。
男はその取っ手を私に握らせる。
「これと同じモノを持ってる奴に向けて、取っ手にある引き金を指で引け。」
男は私にこの鉄の扱い方を教えてくれた。
男も私と同じような鉄を握ってた。しかし私のと比べてかなり短い。
「これから、ここ一帯を浄化する。お前にも協力してもらうぞ。」
男は私に問う。
意味はあまり分からなかったけど、男の言うとおりに、私と同じ物を握ってる人に向けて、取っ手についてる引き金を引けばいいと言われたので、それをやればいいだけの事だと理解できた。
「安心しろ。お前をここで絶対に死なせたりしない。」
男は私を安心させるかのように優しい言葉をかけてくれた。
ここで男が言った「死」というのは、大量の真っ赤な水をを流してる動かなくなった人たちの事を指してるのだと、少しずつ分かった気がする・・・。
しかし、疑問が残る
男はどうして私にこんな所へ連れて行き、どうしてこんなものを持たせてるのか?
私は新たな疑問が浮かび男に問う
「どうしてお前は私のことを・・・・・」
男に問おうとしてが先に男が
「そうだったな。お前にはまだ名前が無かったな? お前は今から”エム”という名前にしておこう。」
私はまた疑問を問う事が出来なかった。
しかし、私はこの外の世界に来てから自分は誰なのかが分からなかった。
しかし男は私が誰なのか?という最初の疑問を今の一言で心が少し晴れた。
「私の名前は”エム”・・・・・。そう私はエムなのだ。」
勢いすぎた