遅咲きの日本人魔法使いはホグワーツの外交官です。   作:音符と黒猫

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この作品はパソコン等、電子機器に関して時代錯誤がございます。
それを念頭に置いてお読みください。


序章
プロローグ


8/8、ロンドン、ヒースロー空港。現地時間午後3時18分。

1人の日本人の少女がイギリスに降り立った。

地方の空港から東京、羽田空港までフライト、そこから国際線に乗り換えてロンドン、ヒースローまで約13時間のフライト。本日のフライト時間は15時間を超える。

だが、少女の表情には疲れが微塵もない。慣れっこなのだ。

 

【Arrivals】の標識に沿って進み、入国審査を受ける。まだ18歳未満である少女は、本当なら入国審査時に少々面倒な手続きをしなければならないのだが、今回は魔法界が関わっているため、見逃される。何かしら、パスポートに魔法でもかけたのだろう。入国審査官が少し眉をひそめただけで済んだ。預け入れ荷物がない少女はバゲージクレームを素通りし、税関を抜け、到着ロビーに入る。

 

到着ロビーで軽食を摂った後、少女はバスに乗り、日本円で1泊5000円弱という空港周辺にしては安い価格のホテルへチェックインする。窓なし、6.5㎡程度(4畳程度)の部屋だが、荷物がショルダーバッグと機内持ち込みサイズのスーツケースという彼女には十分だった。

 

荷物を降ろし、スーツケースからノートパソコンを取り出す。このホテルは2時間はWiFiの使用が無料なので、さっさとメールチェックなど庶務を済ます。現在、上海に滞在中の両親からのメールに返信し、組織からの伝達メールに目を通す。どうやら、明日の午前9時ごろにホグワーツから迎えが来るらしい。その後の予定は書かれていない。明日になってからのお楽しみ、ということか。

 

2時間のWiFi無料使用時間を消費し、手持ち無沙汰となった少女は外に出る。周辺を散歩し、見つけた手頃な店で夕飯をテイクアウトする。どうやらこの店のフィッシュ&チップスは当たりだったようだ。

 

再びホテルへ戻った少女は、シャワーを浴び、ベッドにダイブする。

ごろりと仰向けになり、今日までのことをぼんやりと考える。なぜ、今年17歳ー魔法界では成人ーを迎えた日本人の自分が、イギリスの魔法学校、ホグワーツに入学しなければならなくなったのか。元々両親と同じ道を進むことは決まっていたため、後々(といっても3年後)、魔法界に本格的に関わることは決まっていた。だが、それはあくまでも魔女としてではなく、魔法界と普通の人間界(魔法界風に言えばマグル界)の橋渡し役、マグル界の外交官としてだ。

 

それなのに、どうして普通の人間ではなく、魔法族となってしまったのか。しかも16歳という年齢で。

 

ハァ、とため息をつくと、少女は目を閉じた。わからないことを考えても意味はない。それよりも、未知の世界に足を踏み入れる明日のために備える方が大切だと考えたのだ。

 

少女は眠りの世界に入っていった。

 

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