遅咲きの日本人魔法使いはホグワーツの外交官です。   作:音符と黒猫

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魔法省編前編?
ホグワーツの寮監全員出てきます。


#5

「お久しぶりです。Mr.ダンブルドア、Mr.ファッジ。Mr.ファッジは昨年魔法大臣に就任されたんですよね。おめでとうございます。」

レイラはファッジと握手しながら言う。

「ありがとう。いや、あの時9歳だった女の子が、今や17歳。時の流れは早いな。」

ファッジがにこやかに笑って言う。

「そういえば、コーネリウスは魔法大臣になる前は魔法事故惨事部の次官だったの。」

ダンブルドアが懐かしげに言う。

「ええ。父と母がお世話になりました。」

レイラが言う。

レイラとファッジが簡単に近況報告をしている間に、ダンブルドアはスネイプに先に会議室へ行くように言う。

近況報告を終えた後、ファッジが封筒を取り出した。

「今日、君を地下3階の魔法事故惨事部、マグル対策室ではなく、国際魔法協力部に案内した理由だが……。」

そう言ってファッジはレイラに封筒を渡した。封筒の差出人欄には『国際魔法使い連盟』と書かれている。

「連盟から?」

不思議そうにレイラは首を傾げる。

「そうだ。国際的な魔法族の機関が関わっているから、君を国際魔法協力部に案内した。幸い、今日はここで会議がないしな。」

ファッジは言った。

レイラは封蝋を解き、中の手紙を取り出す。手紙以外は何も入っていない。

レイラは手紙を読む。

 

『水無月 怜良 殿

 

本日より貴殿を対魔法界外交官として正式に任命する。

ホグワーツに在籍しながら、外交官としての職務を行ってもらう。

対魔法界外交官として、ホグワーツで問題が起きた場合は職員と共に解決に尽力すること。

また、国際魔法連盟の一魔法使いとしての自覚を持ち、魔法界内の問題にも対処すること。

尚、国際魔法連盟からの派遣という形でホグワーツに在籍する形となるため、在籍中の学費は全てこちらで負担する。

卒業後も対魔法界外交官として働いてもらう。

魔法界の職業には就職できない。悪しからず。

 

追伸

後日、詳しい説明兼指示文書を送付する。それまで暫しの休暇となる。入学準備を終わらせておくこと。

 

国際魔法使い連盟』

 

「……本日より、正式に対魔法界外交官となったようです。おそらく、国際魔法協力部とも繋がりを持つでしょうからその挨拶をしておけ、ということでしょう。」

苦笑いしてレイラは言った。

「正式に任命か。おめでとう……、と言った方がいいのかな?」

レイラの苦笑いを見て、ファッジは言う。

「要するに、普通の学生生活は送れぬと言うことじゃな?」

ダンブルドアが言う。

「そういうことです。学生と職員、両方の立場を持つことになるので。外交官としても魔法使いとしてもこの世界に関わりますからね。忙しくなりそうですよ。」

レイラは言った。

「確か、現在の国際魔法協力部の部長はバーテミウス・クラウチ・シニアですよね。挨拶した方が良いのでしょうか?」

「残念だが、今日クラウチ氏は出張じゃよ。」

レイラの問いにダンブルドアが答えた。

「では、また別の機会にしましょうか。」

レイラは言った。

紙飛行機が飛んできて、ファッジを突く。

「おや、次の仕事の時間だ。失礼するよ。」

紙飛行機を開いて、ファッジが言う。

「忙しいところありがとう、コーネリウス。」

「ありがとうございました。」

ダンブルドアとレイラの声を背に、ファッジは去っていった。

「さて、Ms.ミナヅキ。会議室へ入ろう。中にはホグワーツの寮監の先生全員がおる。措置は昼からじゃ。それまで、少し話さなければならないことがある。」

ダンブルドアはそう言うとレイラを会議室へと連れていった。

 

ガチャリとドアが開き、会議室へと入る。

「皆、Ms.ミナヅキの到着じゃ。」

ダンブルドアが声をかける。

「レイラ・K・ミナヅキです。よろしくお願いします。」

レイラが言う。

すると、背の高い黒髪の魔女が立ち上がり、レイラに歩み寄った。

「はじめまして、Ms.ミナヅキ。私はミネルバ・マグゴナガルです。グリフィンドールの寮監と副校長を勤めています。教科は変身術です。」

「よろしくお願いします。マグゴナガル先生。」

レイラとマグゴナガルは握手を交わす。

他の先生もそれに習い、レイラの周りに集まってくる。

「はじめまして、ポモーナ・スプラウトです。ハッフルパフの寮監をしています。教科は薬草学です。」

「はじめまして、Ms.ミナヅキ。レイブンクローの寮監と呪文学を担当しているフィリウス・フリットウィックです。」

「よろしくお願いします、スプラウト先生、フリットウィック先生。」

レイラは各先生と握手する。

「我輩はセブルス・スネイプ。スリザリン寮の寮監と魔法薬学を担当している。」

「改めて、よろしくお願いします。」

スネイプとも握手する。

「さて、皆席に着こうかの。」

ダンブルドアが杖を振り、机を円形に並べ、着席する。

レイラとダンブルドアが向き合うように座った。

 

「さて、措置を始める前に少し話をしなければならないの。Ms.ミナヅキの魔力とホグワーツでの立場についてじゃ。」

ダンブルドアは話しはじめた。

「Ms.ミナヅキは後天的に魔力を有した遅咲きの魔法使いじゃ。そのことについて話す前に普通の魔法使いに関して話さねばならぬの。魔力はもともと、魔法族の体内にある。純血、半純血、マグル生まれと様々な血筋があるが、通常、どの血筋の者もはじめに持っている魔力の量は同じじゃ。というのも、魔力は精神的なエネルギーだからじゃ。体の大小や力の強さ、性別などは関係ない。精神によって魔力の量は変わる。魔法への適性も精神が大きく関わる。要するに、魔法が発動しやすいか、どんな魔法が得意かというのも精神が関わるのじゃ。精神が成長していくことで魔力が発達し、17歳頃にどれほどの量、どれほどの質の魔力が体に継続的に供給されるかが決まる。魔法界で17歳が成人とされる所以じゃな。まぁ、もちろん17歳以降でも数年間は努力により魔力は増えるし、大きな病に侵されたりすれば一時的に魔力が減ることもある。回復すれば元に戻るがの。ここまでは良いな?」

ダンブルドアはレイラに確認する。どうやら先生たちはこの話は知っているみたいだ。

「ええ。」

レイラは頷く。

「では、遅咲きの魔法使いがどのように魔力を有するかについて話そう。遅咲きの魔法使いの多くは、魔法族の家系から生まれる。魔法族の血が少なからず体内にある人間じゃ。そういう人間は11歳までに魔力が表面化しなくても、体内に魔力を持っておる。ただし、初期の魔力の量からは増えておらぬから通常の魔法使いよりも魔力が弱いのじゃが。

その魔力が非常に危機的な状況に置かれることで発動し、魔力を使えるようになったのが一般的な遅咲きの魔法使いじゃ。魔力が発動する時は大きな魔力ー不安定な魔力ーが生じるが徐々に安定し、安定した魔力供給となる。大抵その魔力の大きさは通常の魔法使いが赤子の時

の量と大して変わらぬから、それほど強くはない。大抵の者は通信講座で魔法について教育を受ければ、十分操れる魔力の量じゃ。」

「では、なぜ私はホグワーツに入学するのですか?」

レイラは言った。

「それが、Ms.ミナヅキの場合はちょっと違うのじゃ。遡れるだけ遡って調べさせてもらったが、Ms.ミナヅキの家系には魔法族はおらぬ。スクイブもじゃ。要するに、Ms.ミナヅキは純粋なマグルだったのじゃ。純粋なマグルが魔力を持つ、これは魔法族の始まりと同じ方法かもしれぬのじゃ。まだ、魔力の始まりに関しては研究中だから、確実とは言えぬがの。

そして、彼女は16歳の時に魔力を有したわけじゃが、その有し方も他とは異なる。魔力が発動した時に生じる大きな魔力がそのまま安定的に供給されるようになったのじゃ。一番はじめに発動する魔力は爆発的なもので非常に大きい。通常の魔法使いよりも大きい魔力じゃ。それが安定的に供給される。はじめに持っている魔力が他の魔法使いの比ではないのじゃ。そして、Ms.ミナヅキは精神的に非常に発達しており、安定しておる。はじめに持っている魔力がさらに精神の発達と安定によって増幅されるのじゃ。魔力の量がすごいことになるのは想像しなくてもわかるじゃろう?」

ダンブルドアは言った。

レイラは頷く。聞いている先生たちも驚きの眼差しをレイラに送る。この話は知らなかったらしい。

「よってMs.ミナヅキは非常に強い魔力を持つ。ただ、Ms.ミナヅキは精神的に非常に安定しておるため、魔力が暴走しないのじゃ。普通の子供がこれだけの魔力を有すれば、大きく魔力が暴走して、そうじゃの……、炎に換算すると、最低でも都市が一つ焼け野原になるのぅ。」

「……その被害は最悪の場合の間違いではなくて?最低でも?」

レイラは言った。周りに座っている先生の顔が青ざめて見える。

「間違いではない。最低でも、じゃ。だから、君はホグワーツに入学するべきなのじゃよ。」

ダンブルドアが言った。

「まさか、私が核爆弾級の力を持っているとは思ってませんでしたよ。ダンブルドア。」

「わしも、初めて会った時は目を疑ったの。一見普通のマグルなのに、持っている魔力が膨大で、しかもそれを平然と制御しておるのじゃから。あと、魔法界で核爆弾を例えに出しても、恐らく威力は伝わらぬよ。皆が皆、マグル界に通じておるわけではないからの。」

ダンブルドアが言った。確かに、マグゴナガルとスネイプは核爆弾の意味をわかっているようだが、スプラウトとフリットウィックは首をひねっている。

「……あれだけの大きな惨事が魔法界では報道されないんですか?」

レイラはぼそりと呟く。

「魔法界に伝わるマグル界の情報というのは非常に少なくての、魔法族がマグル界で騒動を起こさない限りは、殆ど入ってこない。特に、イギリス魔法界は。」

ダンブルドアが言った。

「そうですか。まぁ、仕方ありませんね。」

マグルも魔法界に関しては存在すら知らないんですから、とレイラは言った。

 

「さて、次に話さねばならぬのは、Ms.ミナヅキのホグワーツでの立場じゃ。これに関しては、Ms.ミナヅキから説明した方が良いじゃろう。」

先ほどの手紙についてじゃ、とダンブルドアはレイラに言った。

「本日より、私は国際魔法使い連盟から対魔法界外交官として正式に任命されました。ホグワーツに在籍している間も、職務をこなすこととなります。ホグワーツ構内から外出することはないと思いますが、何かしら仕事をすることとなります。詳しいことを書いた文書を後日送付するとのことです。また、何かホグワーツでトラブルがあった場合は先生方と解決に尽力しろ、とのことなので半生徒半職員という形になります。ホグワーツへの入学は国際魔法使い連盟からの外交官派遣という形をとるようです。学費は国際魔法使い連盟が経費として負担するようなので、そちらに請求をお願いします。」

レイラは言った。

「ということなのじゃが、何か質問はないかの?」

ダンブルドアが言った。

「対魔法界外交官が普段どんな仕事をしているのかを教えてください。」

マグゴナガルが言った。

「主に魔法界とマグル界の間のトラブル処理です。あとは、マグル界の政治的経済的な都合で魔法族が被害を被らないようにしたり、魔法界の事件の余波がマグル界に出てないか調べたり、諜報活動をしたり。マグル界に住む魔法族の住民票移し替えなども担当します。国によっては魔法界とマグル界が共存しているところもあるので、そういったところを調整したりもします。」

レイラは言った。

「では、よく他の国に出向くと?」

スプラウトが言った。

「そうですね。私の両親は今、上海にいますから。その前はソ連。世界中を飛び回りますね。以前は15家系50人以上外交官がいたので今ほど頻繁に国を出入りすることはなかったのですが、魔法大戦時に一気に5家系16人、私含めて17人にまで減ってしまったので人手不足ですね。だからマグル界ではまだ成人してない私も正式に任命されました。現在水無月家は住所不定有職状態なので、ホテル住まいですね。私もイギリスに行くにあたってアパート引き払ったので。」

レイラは言った。

「ホグワーツでトラブルがあった際は解決に尽力するとのことですが、どのように関わることになるのですか?」

マグゴナガルが言った。

「さぁ?私もまだ何も聞かされてないのでなんとも……。ですが、今年はハリー・ポッターが入学するわけでしょう?何かしらヴォルデモート卿が活動を再開すると思われますから、そのことに関して何か起きたら処理しろ、ということでしょうかね。主に情報統制を任されるのではないかと思っています。今年入学する私が、魔法で助けることができるとは思えませんからね。マグル界でのスキルが活きる任務を渡してくるでしょう。」

レイラは言った。

その後は沈黙となる。

「とりあえず、質問は以上かの?」

ダンブルドアが先生の顔を見回した。

 

「では、昼食を食べて措置に備えよう。」

ダンブルドアはそう言い、机の上に食べ物を出現させた。

美味しそうなパイやスコーン、ピクルス、ベーコンなどが皿に盛られている。

「いただきます。」

レイラは日本人らしく合掌し、ショルダーバッグのポケットに入れた箸を出した。

「それが、日本の箸ですか?綺麗ですね。」

マグゴナガルがレイラの持つ箸を見て言う。

「螺鈿細工なんです。これは若狭塗のものです。イギリスに箸はないだろうと思って持参しました。」

レイラは言った。

「そういえば、措置って何をするんです?何も聞かされてないんですけど。」

レイラはマグゴナガルに聞いた。

「教えてもらってないんですか?」

マグゴナガルが驚いて言う。

「ええ。何も。」

「何も?」

そして、マグゴナガルはスネイプを見て言った。

「セブルス、あなたは移動中に彼女に措置内容説明しなかったんですか?」

「……てっきり知っているものだと思っていたが。」

スネイプも驚いている。

「Ms.ミナヅキ。何も知らない状態で魔法省まで連れてこられて、よくそんなに平然としていられますね……。」

スプラウトはレイラを見て驚く。

フリットウィックは驚いて椅子から落ちてしまっている。

「さすが、Ms.ミナヅキじゃの。」

ダンブルドアは笑っている。

「とりあえずホグワーツの指示に従えと言われてたので。それに、17歳の私がホグワーツに入学するということからして、措置の内容は年齢詐称するために私の身体を縮めるんでしょう?方法はさっぱりわかりませんが。」

レイラは言った。

「まぁ、そういうことじゃ。君の体を11歳まで戻す、というのが適切じゃの。」

ダンブルドアが言った。

「今までにやったことあるんですか?」

「いや。初めての試みじゃの。何しろ、君のような人間は珍しいからの。」

ダンブルドアは言う。

「初めての試みなので、あなたは今日の措置の後、明日まで聖マンゴ魔法疾患障害病院に検査入院してもらいます。」

マグゴナガル先生が言った。

「では、今日分の宿は手配しなくていいということですね。ありがたいです。」

レイラは笑って言った。

「……心配じゃないんですか?」

あまりにもズレたことを言うレイラにスプラウトは言った。

「別に何を心配するんですか?死んだら死んだでその時ですし。大体、今生きてることすら奇跡ですからね。」

レイラは言った。

「それはどういう意味です?」

フリットウィックが椅子に座り直して言った。

スネイプはレイラの言った意味がわかっているため、表情が固くなる。

「対魔法界外交官は危険な任務も多いということですよ。今までに何度死にかけたことか……。」

もう、腹は決めてます、とレイラは言った。

「それにしても、美味しいですね。このパイ。」

「ホグワーツの屋敷しもべ妖精たちが作ったものじゃ。口にあって何より。」

「ああ、あの妖精さんたちですか。」

「会ったことあるのかね?」

「ええ。料理上手ですよね。」

その後は屋敷しもべ妖精の話をして、全員昼食を平らげたのだった。




次回、措置となります。
一応、先生方を全員統一して敬称なしのファミリーネームで書いているのですが、マグゴナガル先生とかすごく違和感があります。原作でもスネイプ先生とダンブルドア校長は敬称なしで出てくることがありますが、マグゴナガル先生とかは必ず「先生」ってついているのでとても違和感が……。

やっぱり先生つけようかな……。
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