魔法少女育成計画routeS&S~もしものそうちゃんルート~    作:どるふべるぐ

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わんこをプロデュース

『彼女』にとって『ルーラ』という魔法少女は、いつも威張っているか怒っているかの、とにかく怖いリーダーだった。

 命令された事を少しでも失敗すれば「愚図」「とんま」「腐れ脳みそ」と罵られ、成功すれば「この私が指示したのだからこれくらい当然」「無能を上手く使うのも優れたリーダーたる証」と自慢される。とかくルーラは彼女が知る中で一番、威張りんぼで怒りんぼの魔法少女だった。

 

 でも、ほんとうに、ほんとうにほんのちょっぴりだけど、優しい所もある。分からない事があれば罵りながらだけどちゃんと教えてくれるし、待ち合わせに遅刻しても、何度も失敗しても、見捨てないでいてくれる。家でも学校でも「いてもいなくてもいい」か「いないほうがいい」と疎まれ諦められてきたのに、そんな誰にも必要とされなかった自分を、必要としてくれる。

 友達として、ではないと思う……。でも、いい。例え『道具』と思われていても、それで

 も「ここにいてもいい」「私の下へいろ」と思ってくれているのなら。それで十分だった。

 

 ルーラのおかげで、色んなことを知れた。仲間だってできた。誰かに必要とされているという喜びを、知ることができた。

 ぜんぶぜんぶ、ルーラがくれたものだ。ルーラと出会わなかった自分なんて想像できないし、したくもない。

 だからどんなに蔑まれていても、罵られても――彼女はルーラが、好きだった。

 

 なのに、なんでだろう? 今、目の前で――ルーラが死にかけているのは。

 

 王結寺の冷たく乾いた床に崩れ落ちた、ルーラ。

 ルーラが激しい痛みに苦しみもがくその度に、全身から血が噴き出し、純白の衣装を赤黒く汚していく。

 驚愕と混乱に戦慄く唇から洩れるのは、血の交じった苦悶の声。

 そこにいるのは、もはや賢く可憐で絶対的な支配者ではない。玉座から蹴落とされ、冥府へと墜ちていく哀れな敗北者。それが今のルーラだ。

 

「なんで……ッ」

 

 仲間だったはずの者達へ、あるいは己自身へと問いかけるルーラの声に、彼女は答えられない。

 なぜこうなったのか、それは彼女自身が一番分からなかったから。

 

「どうして……ッ」

 

 分からない。どうして仲間たちが裏切ったのか。ルーラを殺すのか。なにも……馬鹿な自分の頭では、何一つ理解できないから。

 ただ、怖かった。

 苦しんでいるルーラも、それを仕組んだ、仲間だったはずの魔法少女達も。

 ピーキーエンジェルズは全く同じ顔に、揃いの嘲笑を浮かべクスクスと笑っている。

 スイムスイムは、ただ無表情に、光無き深海の様な瞳で眺めている。

 そして自分は――ただ震えている。

 

 もがき苦しむルーラの下に駆け寄りたい。謝りたいし、なによりも震えるその手を握って、少しでも恐怖を和らげてあげたい。……そう思うのに、自分の身体は柱を背に、震える膝を抱えてただ恐怖に怯えているだけ。助けたいのに、人の死に逝く様を目の当たりにしているという恐怖が全身から力を奪い、立ち上がる事すらもできはしない。

 無力で、臆病で、何もできない彼女は、ガチガチと歯を鳴らし、震える瞳からボロボロと涙を流して許しを請うのみ。

 

「なん……で……」

 

 ごめんなさい。馬鹿でごめんなさい。臆病でごめんなさい。何もできなくてごめんなさい。

 

「どう、してよ……」

 

 許してください。こんなつもりじゃなかったんです。あなたを殺したくなんて無かったんです。

 

「なんで…なの……」

 

 そして、道具としか思っていなかった部下に裏切られた屈辱と困惑に、死に逝く事への恐怖と絶望に、暗く淀んで血と涙でぐちゃぐちゃの瞳が――彼女を捉えた。

 

 

 

「たまぁ………」

 

 

 

「いやあああああああああああああああああ!」

 

 恐怖に震える悲鳴を上げて、犬吠埼珠(いぬぼうざきたま)は目覚めた。

 見開いた瞳から涙を流し、震える唇からは荒い息を吐いて。自室のベッドで跳ね起きたその身体は、冷たい汗に塗れていた。

 

「っはぁ、はぁ…っ…う、ぁ…ぁ…ああああああ……ッ!」

 

 息が苦しい。暴れ狂う鼓動は痛いほどに鳴り響いて、絶えず溢れる恐怖と罪悪感に何もかもが押しつぶされそうだ。体の震えが止まらない。恐慌状態に陥った思考は千々に乱れ、汗と涙が壊れたように噴き出して、身に着けた中学校の制服をぐっしょりと濡らす。

 苦しくて、悲しくて、痛くて辛くて怖くて、悪夢から目覚めた後も、まだその中に捕らわれているかのようだ。

 そんな珠の心身が多少なりとも落ち着きを取り戻せたのは、一人ぼっちのベッドの上で暫くもがき苦しんでからようやくだった。

 

「…はぁ…ッ…はぁ……ッ…」

 

 まただ。

『あの日』から、眠るたびに悪夢にうなされ、ルーラの最期を繰り返し見せつけられる。何度も何度も、どれほど泣き叫んでも終わること無く。そして目覚めた後も後悔と罪悪感に苛まれるのだ。

 その苦しみで今だ潤んだ視界に映るのは、窓から差す赤い夕陽に染められた見慣れた自室。

 たしか……、学校が終わって家に帰ってから、スイムチームの集合の時間まで休んでいようとベッドに腰かけたまでは覚えている。つまりはそのまま眠ってしまったのだろう。

 

「もう、こんな時間か……。――ッ!?」

 

 泣き喚いた疲労感でぼうっとする頭で、はっと思い出す。

 珠たちが魔法少女として活動する時は必ず、決められた時刻までに拠点である王結寺に集合しなければならない。かつてルーラが決めたその時間厳守のルールはスイムスイムがリーダーの座を奪った今も受け継がれていて、そしてその時間まであとわずかしかない。

 慌ててベッドから下りようとして、バランスを崩しおでこから床に激突。ジンジンする痛みに呻きつつ、涙目で立ち上がり魔法少女『たま』へと変身した。

 そして窓を開け、家族にばれないように家を出ようとした時、たまは最も大切な物を忘れていることに気付いた。

 

「いけない……っ」

 

 あやうく忘れるところだった。

 急いでベッドの下に腕を突っ込み、そこにしまっている収納ボックスを取り出し蓋を開ける。

 そこには、たまの大切な物が一杯に入っていた。大好きなおばあちゃんとの写真。初めて穴を掘った時に見つけた、小さなアンモナイトの化石。友達と学校の課題で地層の調査をした時に出土した奇妙な土器の欠片。他人から見たらガラクタでしかないだろうけど、その全てはかけがえのない思い出の品々だ。そしてその一番奥に、最も大切にしまっている物がある。

 それは、鈍く光る銀色のトゲが付いた犬の首輪。

 指を伸ばし、それに触れた瞬間、胸の奥がズキッと痛んだ。

 

「ルーラ……」

 

 彼女を思い出すたびに、感じる。この首輪を贈ってくれた者を殺してしまったことの、消える事無き罪の痛みを。

 それを感じながら、たまは首輪を――犯してしまった罪の象徴を――己が首に付ける。

 何度もしてきたその行為。ルーラがいたかつては嬉しさと誇らしさすら感じていたそれが、今では絞首台の縄を首にかけているかのように思えた。

 

 

 ◇岸辺颯太

 

 

 魔法少女になる前は、魔法少女は可憐で美しいものだと思っていた。そして実際に魔法少女になった時、僕はその恐ろしさを知った。

 たしかに魔法少女は美しい。花のような美貌。瑞々しい肌。艶やかなその肢体はしなやかで力強く――ただの人間ならばトマトを潰すようにブチ殺せる。

 ただの筋力で全てを蹂躙できる圧倒的な身体能力。あらゆる法則を無視し世界の理すらも捻じ曲げる理不尽の極みたる『魔法』。それらを持つ《魔法少女》はただキラキラしただけの存在ではない。人を超え、まさしく世界すらも滅ぼしうる暴力の化身なのだ。

 

 ゆえに今、僕とスイムチームが対峙する王結寺の薄暗い堂内は、魔法少女達が放つ人ならざる者の威圧感に満ちて、空気すら軋みを上げていた。

 

「さあ、約束通り私は来たぞ。スイムスイム」

 

 開け放った障子戸から降り注ぐ月光を背中に浴びながら、魔法少女ラ・ピュセルに変身した僕は言った。臆せず、揺るがず、ただただ堂々と。凛々しく誇り高い魔法騎士として己がかく在るべきと思う姿で立つ僕に、四人の魔法少女の眼差しが突き刺さる。

 

「へえーほんとに来たんだ」

「てっきりビビッて来ないかと思ってたー」

 

 まずは、クスクスと底意地の悪い嘲笑をデュエットさせる双子の天使――ピーキーエンジェルズの、まるで愉快な見世物を見るような瞳。

 

「ぅ……うぅ……」

 

 柱の陰に縮こまり恐る恐る覗いてくる、フードを被った犬耳の魔法少女――たまの怯えた瞳。

 そして最後に、何を考えているのか一切読み取れぬ、最も不気味で恐ろしい眼差しの主が

 

「遅刻。次からはもう少し早く来て」

 

 上座に立ち僕を見下ろす白い魔法少女、スイムスイム。彼女の纏う色はスノーホワイトと同じ《白》だが、スノーホワイトの清らかで温かみのある『純白(しろ)』とは違い、スイムスイムの白はただどこまでも無機質で、人として大切な何かが決定的に足りない『空白(しろ)』だ。

 まさに四者四様。様々な感情が込められたその眼差し。もはや圧すらも感じる程のそれらは、絶望に沈みかけていた以前の僕ならば耐えられなかったかもしれない。だが今、スノーホワイトのために戦い抜く覚悟を決めてここに来た僕は、怯む事無く正面から受け止めた。

 

「で、私に何をさせる気だ? ……まさか、ただ朝が来るまで大人しくしていろと言う訳ではないだろう?」

「あなたを呼んだのは、二つの理由がある。一つは他の魔法少女に助けを求めないか、妙な事をしないか監視するため。そしてもう一つは――」

「待て」

 

 淡々とした口調で説明する声を、途中で止める。

 怪訝そうにほんの微かに眉をよせたスイムスイムに、僕は言った。

 

「他の魔法少女からキャンディーを奪えというのならば断わる。私は『正しい』魔法少女だ。たとえお前達に命を握られているとしても、悪を行うなどできない」

 

 そうだ。奪われたマジカルフォンを取り戻す機会をうかがうため、今だけは大人しく従う事は決めたけど、それでも正しい魔法少女の『道』を外れる事などできない。してはいけない。それは同じく清く正しい魔法少女を夢見て、共にそうなろうと約束した小雪を裏切る事だ。ラ・ピュセルが正しい魔法少女でなくなったら、僕は小雪の――スノーホワイトの隣に立つ資格を失ってしまうのだから。

 

 自分の発言がどれだけ危険かは分かっている。こうして堂々と立っていても、内心は心臓を握られているかのような恐怖と息苦しさが止まらない。それでも誓いを胸に、瞳に確固たる意志を込めて。決して譲れない一線を伝えた僕の言葉に、堂内に緊張が走った。

 何を言われようが大人しく従うと思っていたのだろう僕の意外な態度に、ピーキーエンジェルズは揃いの笑みを消し、たまは柱の陰で固唾をのむ。そして僕もまた、額から流れる冷たい汗を感じていた。

 

 言うべきことは言った。対してスイムスイムはどう出るのか。その唇が紡ぐのは「ならば死ね」か、それとも……。

 もしかしたら次の瞬間には、殺し合いが始まるかもしれない。誰もがその氷像の如き美貌に目を向け、空気が張りつめた。

 そしてスイムスイムの淡い唇が、動く。

 

「それはあなたが私の騎士に……私達の仲間になってからしてもらう。今は、特訓に付き合ってほしい」

 

 怒りは無く、殺意も無く、ただ淡々と答えた。

 途端、一瞬即発かと思われた張りつめた空気が緩む。ピーキーエンジェルズが強張っていた肩の力を抜き、青い顔をしていたたまはほっと息を吐いた。

 一方で、僕はその答えに眉を寄せる。

 

「特訓?」

「うん」

 

 こくんと頷いたスイムスイムは、僕に一冊の小冊子を差し出す。

 内心疑問符を浮かべつつ受け取ったその表紙には、

 

「『魔法少女への道・特訓編』……?」

 

 謎のタイトルと共に、やたらと耽美なタッチで描かれたルーラが、困惑する僕にドヤ顔を向けていた。

 

「ルーラが考えた、それぞれの魔法をより生かすための特訓方。私とピーキーエンジェルズは一人で出来る内容だけど、たまは指導してくれる相手が必要。だから、ラ・ピュセルはその特訓相手になって」

「たまの……」

 

 つい柱の陰から恐る恐る顔を出しているたまをチラリと見ると、目が合った瞬間たまは顔を引っ込めてしまった。

 

「え……と……」

 

 なんというか、物凄い怯えようだ。

 見た目の印象から気が弱そうだなとは思っていたが、これはちょっと怖がりすぎではなかろうか。というかこんな状態で特訓なんて出来るのだろうか?

 あまりの怖がられっぷりに不安を感じ、僕はつい助けを求めるようにスイムスイムを見てしまう。しかしスイムスイムはそんな内心を知ってか知らずかよどみない口調で、

 

「特訓相手になって」

「でも、たまが……」

 

「 特 訓 相 手 に な っ て 」

 

 繰り返す声に慈悲は無い。ついでにその瞳は『いいよね? 答えは聞いてないけど』と語っていた。

 ……ああ、うん。僕に断る権利なんてないよね。なんたって命握られているからね。

 有無を言わせぬ静かな眼光の前に、僕は内心白旗を上げざるをえなかった。

 

「でも、特訓って何をすればいいんだ?」

 

 僕が今までしてきた特訓なんてものは、サッカー部の特訓くらいしかない。まさかたまにサッカーを教えろというわけではないだろう。僕の頭の中にサッカーボールを蹴ろうとするたまの姿が浮かび、そのたまは足が空振りして盛大にすっころんだ。

 僕の疑問に、スイムスイムはたまが隠れている柱へと目を向けその名を呼んだ。

 

「たま。来て」

 

 返事は無い。けど柱の陰からひょっこり出た犬の尻尾がビクッと震えた。

 

「たま」

「う、うん……」

 

 再度促され、ようやくたまが姿を現した。……ものの、その表情はガチガチに強張って気弱そうな瞳はすでに涙目。見るからに恐る恐るといった足取りで、僕の前へと歩いてきて

 

「うにゃ!?」

 

 コケた。何も無い所で顔面から。

 まるでコントのようなそれに一瞬唖然としつつ、赤くなった鼻を抑えながら呻くたまに僕は手を差し伸べる。すると、

 

「ご、ごめんにゃさいっ!」

 

 謝られたうえ後退られた。

 

「………」

 

 そして差し伸べた手は虚しく宙を彷徨うのみ。

 うん、見た目同い年くらいの女の子に理由もわからず怖がられるのってかなりキツイや。

 特訓相手のあまりに散々な反応に精神的ダメージをうけ、ちょっと泣きそうになる僕の耳に、スイムスイムの声が届く。

 

「たまはとても臆病。正面から戦おうにも、足がすくんで動けない。このままじゃ不意打ちにしか使えないし、いざという時に足手まといになる。だからラ・ピュセルはたまに戦い方を教えて」

「戦い方を……」

「うん。私達には戦いの経験と力が足りない。だからラ・ピュセルと初めて戦った時も三対一なのに足止めしきれなかった。だから、まだ脱落の危険が少ない今週一杯は特訓につかう。いざという時に自分の身を自分で守れるように」

 

 たしかに、常識的に考えて今週最も脱落の可能性が高いのは16人目の魔法少女だ。今だ姿を現さない彼女は参入してほとんど時間がたっておらず、仮に今必死にマジカルキャンディーを集めていたとしても他の魔法少女達には追いつけないだろう。

 もっとも、それもあくまで可能性の話であり確実ではない。もしスノーホワイトのように人助けに特化した魔法を持っていたなら話は別だ。

 そのリスクを負ってでも、この貴重な時間を仲間達の生存確率を上げるために費やす。それが仲間を想う優しさなのか、それともリーダーとしての単なる義務感かは分からない。だがそこには確かに、誰も死なせないという意思が感じられた。

 

「できる?」

「――分かった。私に教えられる事なら、出来る限りのことをしよう」

 

 結果的には敵を強くすることになるかもしれない。けど、僕は問い掛けるスイムスイムに頷きで答えた。

 どんな理由であれ、誰かを死なせたくないという気持ちは僕にも分かるから。

 ……それに、今は少しでも信頼を稼いでおくべきだろう。マジカルフォンを奪う機会をうかがう為にも。

 

「ちなみに最終的には死をも恐れぬ狂戦士にするのが目標」

「え?」

「ルーラの小冊子に書いてあった」

 

 何やら飛び出した不穏なワード。確かめるべく小冊子をめくってみれば、確かに最後のページに記された『最終目標』の欄にしっかりとそう書かれていた。

 偉大なるリーダーに仕える部下たる者、肉の壁としてリーダーを守りその身を犠牲にしてでも敵を屠るべしって部下に何を望んでるんだルーラは。

 

「いや狂戦士って……」

 

 思わずたまを見る。

 涙目でプルプル震えるその姿は、どう見ても未来の狂戦士というより怖がりの子犬にしか見えなかった。

 

「ラ・ピュセルならできる。私の騎士になる人だから」

 

 悪いけど、そんな曇りなき目で信頼されても不安しかないんだスイムスイム。

 でも、ここで断れば信頼を得ることは出来ない。そうなれば隙を見てマジカルフォンを奪う事が難しくなる。ならばスイムスイム達に命を握られているこの状況を脱して、これから生き延びるためにも……やるしかないんだ。

 でも、本当にできるのか……?

 

「あ……ぁぅ…あの……。――っ」

 

 僕に、この子を……たまを鍛え上げるなんてことが。

 

「よっ、よろしくおねがいしますっ!」

 

 じっと見詰める僕に気圧されたように後退ろうとして、何かをぐっとこらえるように踏み止まり勢いよく頭を下げるたまを前に、僕はある意味でかつてない無理難題に頭を悩ませていた。

 




お読みいただきありがとうございます。
バレンタインデーにて妹に贈られた某インスタント焼きそばチョコレート味で地獄を見た作者です。あれは人類が生み出してはいけないものだ……(レイプ目)。

前回でようやくある程度は立ち直れた颯太ですが、今回は今回で無理難題を言い渡されます。たまが何故ここまで怯えているのかはそうちゃんの過去の所業を振り返ってみましょう。

あさて、そういえばアニメ版3巻の特典小説は颯太と亜子のエピソードらしいですね。……嘘だと言ってようるる。ファンとしては嬉しいんだけど内容次第ではこの小説の亜子周りの設定もそれに合わせてちょっと変えるかもしれません。と言いつつ変えないかもしれません。全ては読んでから決めますので変更点があれば次回以降の前書きでお知らせします。


おまけ(これが次回のあらすじだよ! byうるる)

そして始まった僕とたまの特訓は、壮絶を極めた。
朝は太陽が昇る前からランニング。昼は棒のようになった足でスクワット。夜は腹筋を気絶するまで。それを夏でもエアコン無しのお堂の中でひたすら繰り返す地獄のような日々。そんないつ終わるとも知れぬ地獄の特訓メニューをこなすうち、劇的な変化が現れた。
ある日、たまの髪の毛が全て抜け落ちたのだ。
つるっぱげになったたまを前に、僕は後悔した。もしや自分の考えた特訓が間違っていたのかと。……だが、そうではなかった。むしろ、成功しすぎてしまったのだ。

「私は森の音楽家クラムベリー」

今のたまはもう森の戦闘狂を前にしてもビビったりしない。
ただその肉球グローブでつくった拳を無造作に繰り出して

「負け犬が。墓穴は掘り終わっているんでしょうねぐはああああああああ!?」

ただの一撃で粉砕するワンパン魔法少女だ。

「この炎の湖フレイム・フレイミィに勝てると思ってんのぐはあああああああ!?」

悪の魔法少女を一撃!

「フレイミィがやられただと!?」
「くっくっくっ。だが奴は魔王塾の中で一番の格下ぐはああああああああ!?」

戦闘狂軍団も一撃!

「クビヲハぐはあああああああ!?
「プクとお友達にぐはあああああああ!?」

三賢人の現身すらも一撃!

「また、ワンパンで終わっちゃった……」

そう呟くたまの死んだような目には、戦いの興奮も勝利の喜びも無い。
敵がどんなに強かろうと、ただの一撃で倒してしまう事の虚しさだけがあった。

たまは強くなりすぎたのだ。

次回『ワンパン魔法少女たま』

これは、全ての敵をワンパンで倒す最強の魔法少女の物語である。

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