オーバークロック〜change his destiny 作:ルイージ大佐
ルイージ大佐です。
これは小説家になろうで投稿している同小説を数話分まとめたものです。
それでは本編どうぞ!
彼は不思議な感覚に襲われた夢を見た気がしたが、夢から目覚めた今となっては実にどうでも良いことだった。
彼の名はリョーヘイ。世界の平和を何百年と脅かし続けている侵略者「ゼロ・ブラスフェイム」と各地で戦いながら生計を立てている一団のメンバーの1人である。
「さて、今日も行くぞ」
まあ一団と言っても4人しかいないわけだが、支度を終えた彼はとりあえず皆を引き連れ目的地であるレーシアの町へ向かった。
「ねぇねぇ、今回はどんな依頼なの?」
「子供と老人が何名かさらわれたから連れ戻して欲しい、とのことだったね」
この一団の魔法使いマリーと格闘家フェリックが話している。
ちなみにフェリックはただの格闘家ではないがこれはまた後の話である。
「やっぱり掲示板は便利ですな」
掲示板とは、各地方の中枢都市にあり、その地方の町や村で起こった困り事を依頼という形で解決して貰えるようになっている。
その掲示板を見て依頼を受け、報酬をもらうことにより、
リョーヘイ達のような人々は生計を立てているのだ。
ちなみに発言主の彼はメカニックのジョー。古代のロストテクノロジーと現代の技術を組み合わせた素晴らしいマシンを作ろうとしている。ちなみに成果はまだない。
そうこう話しているうちに、一行はレーシアの町に着いた。
「いやー遠いところからわざわざありがとうございます。さぁさぁ、こちらへどうぞ。」
一行は町につくなり村の集会所へ案内された。
「町長若っ」
フェリックがこう漏らした。
確かに、町長など地方の長といえばおじいさんを思い浮かべるが、この町長は30台後半位に見える。
一行は集会所についた。
リョーヘイが切り出す。
「今回はどのようなご依頼で…」
町長は語りだした。
「では話していきましょうか。申し遅れましたが、私はこのレーシアの町の町長、ソンチョです。」
「町長なのにソンチョってむごごごごぉ」
失礼なことを言いかけたマリーの口を、ジョーが塞ぐ。
そんなことは気にせずソンチョは続ける。
「掲示板に書いた通り、私達の村のお年寄りと子供達が何名か連れ去られてしまいました。
この季節は特産であるこの果物の収穫時期なんです。あ、そちらはこの果物で作ったジュースなので、どうぞお召し上がりください。」
「やった!ありがとうございます!」
マリーが嬉しそうにジュースを飲み干す。それに他の三人が続く。桃のような甘味にかすかに酸味が感じられ、確かに飲みやすいジュースである。秋の味覚を一行が楽しむなか、ソンチョが話を続ける。
「まあ幸い男手はとられなかったので作業にあまり支障は出ません。しかし、数日後に収穫祭を予定していて、子供達をはじめたくさんの人々が楽しみにしていたんです。しかし、こんなことになってしまって…このままではホントにかわいそうなことになってしまいます。
どうかお助けいただけませんでしょうか…」
「任せてください!」
リョーヘイが期待に答えようと高らかに宣言する。
「こちらこそお願いします。
ちなみに宿屋はあちらなので、拠点として活用してください。」
「そして、さらわれた人々の場所の検討はついてるのでしょうか…」
ジョーが尋ねる。
「いや、夜中のうちに起こったのでわかりません。しかし、やつらは人目のつきにくい洞窟や森に拠点を置くことが多いので、そちらを探索してみてください。」
話を終え、宿屋に荷物を運び込み、他の手がかりを求め、町の人々に話を聞くことにした。
「奴らが西の方から来るのが見えたなあ」
「いやあ、わからねえなあ。」
「確か、何とかの洞窟に運べ、て声が聞こえた気がします。」
「すみません、わかりません…」
「子供達の声が森から聞こえた気がしたなぁ。」
「どうでもよいが西の森の奥に洞窟があるってよ」
「…ざっとまとめるとこんな感じか。」
「わかりませんという意見をまとめる必要はねーだろ、リョーヘー」
「いや、なんとなくだ。とりあえずこれらの情報を元にして、探索を始めよう。」
そうして出発しようとしたとき、
「おーい!」
聞きなれない声がした。
「何のようがあるんだい?」
フェリックが訊く。どうやら村の若者のようだ。
「俺の名はテッド。この村で僧侶をやってるものだ。」
「僧侶がどうしたんだい?」
「実はさらわれた子供の中には俺の子供もいたんだ。俺も子供達を助けたくていてもたってもいられなくなったんだ!」
「ほおほお」
「だから俺もつれてってくれ!」
「断る!」
応対していたフェリックが叫び、場が凍りついたが、フェリックは続けた。
「と言いたいところだが、うちのパーティー回復に不安があってね。僧侶と言ったね。回復役が増えるならこちらからお願いしたいところだよ。」
「ありがとうございます!一生懸命頑張ります!」
「それじゃ、仲間が増えたところで改めて、レッツゴーです!」
マリーが元気よく言った。
こうして、一行はレーシアの町の西側の探索へ出かけて行った。
「…」
「…」
「…」
「…ねえどうしてソンチョさんがいるんですか?」
「あ、バレた?いやー実は私も付いていきたいと思いましてねぇ」
「人数が増えるのは構わないですが、町長の不在はどうかと思います…万が一死んだら大変ですよ…」
「あ、そこらへんは大丈夫です。私攻撃はからきしですが守りに関しては自信があるので。もし私が死んでも私の頼れる友人が町長職を継いでいくので。」
「そういう問題ですかねぇ…」
一行は町を出て、西へ向かって行った。
リョーヘイがテッドに訊く。
「ここら辺はどんなモンスターがでるのか?」
「まあ6人いれば余裕な感じの弱さの奴っすね」
森に向かって歩きながらマリーとジョーが雑談している。
「今どんな感じのマシーンを作りたいと思ってるの?」
「そうですね。魔力があればいくらでも打てるバズーカとかですかね。」
「うわぁ!凄そう!でも普通のバズーカでも良くないですか?」
「いや、そこは男のロマン、てことで…」
「そういうことなんですね…ところでどこまで作ってるんですか?」
「いや、全くですよ…何せそういうロストテクノロジー、通称LTGが使われてそうなものがないんですよねーアハハ」
「つまりいつも通りというとことですね!」
「そういうこと、ってコラ!」
微笑ましい光景に一行の心が和む。
しかしその時。
まだ森にさしかかってないが、早速モンスターが現れた。
「ゴブリンとスライム2体か…」
「どーするリョーヘー」
「とりあえずソンチョさんとテッドは下がってください!まず俺達4人で肩慣らしします!」
「了解!荷物は俺達に任せるッス!」
リョーヘイは剣を抜き、マリーは杖を取りだし、フェリックは爪をつけ構え、ジョーは銃を持ち、それぞれ臨戦体制に入る。
「いくぜ!先手必勝!」
リョーヘイは駆け出し、素早くスライムを斬りつける。
「続きます!ファイア!」
マリーが追い討ちをかけ、スライムを撃破する。
「うおおお!」
別のところでもう1体のスライムと殴り合いをしていたフェリックも、軽く傷を負いつつも、スライムを追い詰める。
「脇が甘いですよ」
そこをジョーが狙い撃ち、仕留める。
「おいおい、とどめまでやらせろよ〜」
「まあまあ、いいじゃないですか」
「全く、フェリックさんヒールかけときますよ」
リョーヘイが回復魔法を使い、フェリックの傷を癒す。
「んじゃあのゴブリンは任せてください!はあああ!」
マリーが魔力を集中させる。
「行きます!『ストームマジック・ファイア』!」
先とは違い、炎の玉が5発同時に飛んでいく。
どんなに強力にしても5発連続で魔法を打つのは難しいのだが、マリーはやすやすとこなすのだ。
炎の玉がゴブリンを焼き付くし、モンスター達は全滅した。
「やった!倒しました!」
「倒したはいいんだがやり過ぎじゃねーのかぁ?」
「別にいいんです!フェリックさん!プウッ」
「んじゃ、先にいくか」
一行はこの調子で森の中まで入っていった。「いやー森のなかは落ち着きますね!」
「いやーモンスター出るから落ち着けないなあ…」
マリーにリョーヘイが突っ込む。
今は森の探索中。老人や子供達をさらっていったゼロブラスフェイムのアジトがあるとかないとかいう洞窟を探している。
「しっかし洞窟ってどうやって探したらいいんかい?」
「そんなこと私にはわかりませんねぇ。リョーヘイわかります?」
「いや、俺も知らん」
「あ!」
ソンチョが何かを思い出したかのようにさけんだ。
「そういえばここら一帯の地図持ってたんでしたーアハハ」
「おお!じゃねーよ!さっさと言えよ!」
「まあまあ、いいじゃないですか。んじゃ、広げてみますね。」
そう言って、ソンチョはモンスターを警戒しつつ、地図を広げる。そこには森の中までもがこと細かに描かれていた。
「うわー!すっごいですね!」
「確かに細かいとこまで描いてありますね。しかし、なぜここまで細かく書く必要があるのでしょうか。」
「あっとそれはッスねぇ、この森、結構みんな使うからなんスよ」
「ほうほう、興味深いですね。軽く魔物が出るこの森にみんながやって来る理由、もっと詳しくお聞かせ下さい。」
「実はこの森、モンスターが出るとは言っても、ナワバリがわかりやすいんスよ。だから子供達は林を駆け抜けて遊んだり、おじいさん達はのんびり散歩したりできるんスよ。」
「うわー!楽しそう!」
「だから安全に遊んでいられるのも…?」
「そう、この地図を共有しているお陰ッスね。」
「便利ですね〜」
「そうそう。俺の妻をはじめとした町のご婦人達が山の幸を採りに来ることだってあるんスよ!」
「平和ですね〜」
「いやゼロブラスフェイムいる時点で平和じゃないから」
「テヘッ」
「そして洞窟といったら多分ここでしょう。運が悪いと言っていいのか、当たり前といったら当たり前なのか、当然のごとくモンスターが出てくるので十分気をつけましょう。」
地図をしまい、一行は洞窟へと歩き出す。
しかし洞窟へ向かう途中、運悪くゴブリンが現れた。しかも平原で出会った個体の数倍大きい個体である。
「んじゃ、今回は俺とソンチョさんとテッド、あとフェリックで戦いましょう!マリー、ジョーさんは例によって荷物頼みます!」
「わかりました!」
「承知しました!」
「んじゃ、いくぜ!」
リョーヘイが駆け出す。
しかしゴブリンは紙一重でかわし、逆に一撃を与える。
「ぐっ…!」
「大丈夫ッスか!ヒール!」
「ありがとうテッド!いや、俺防御薄いし攻撃もしないといけないから、やっぱ専属の回復役がいると助かる!攻撃に集中できる!」
「ありがとうございます!お役に立てて光栄です!」
「おいテッド!後ろ!」
フェリックが呼び掛ける。
ゴブリンは棍棒をテッドに向かって降り下ろしていた。しかし、
ガギーン
「危ないところだったねテッド!」
「ソンチョさん!」
「守りは任せなさい!」
「…普通に守りは固いですねソンチョさん」
「どうやらそのようですね…」
荷物を守りながらマリーとジョーがソンチョについて話している。
「しっかし少し骨があるねぇこのゴブリン。どうするリョーヘー?」
「うーん、よし!アレをやる!引き付けといてくださいフェリックさん!」
「わかった!」
リョーヘイは決めの一撃の準備をしているようだ。
これを初めて見るレーシアの二人はリョーヘイがしようとしていることについて尋ねた。フェリックは言う。
「ああ、アレだよ。勇者が使う必殺技、みたいなもんだよ」
「凄そうッスね…」
「これは見物ですね」
「あーんじゃ、ちょっくら気ぃ引いてくるわ!」
そう言ってフェリックはゴブリンに近づく。
「へいへいへーい!こっちだ!」
フェリックはゴブリンを挑発しつつ、敵の攻撃を集めている。
「よし、いくぞ!」
「決めろリョーヘー!」
リョーヘイはゴブリンに向かって飛びかかる。
その剣は聖なる力を宿す雷を纏っている。
リョーヘイは決め台詞を放つ。
「食らえ!『勇者の一撃』!!!」
雷を纏った剣をゴブリンに向かって叩きつける。
ゴブリンは断末魔の叫びを上げ倒れる。
「やりましたね!」
「てか技名安直過ぎないすか…フェリックさんが勇者が放つ必殺技のようなものと言ってましたがまさかホントに『勇者の一撃』が名前だとは…」
初めてリョーヘイの必殺技を見た二人が武器を納め近づいてくる。
テッドがネーミングセンスに文句を言ってるようだがリョーヘイは気にしない。
「よし、切り替えて洞窟へ向かおう!」
一行は再び洞窟へと向かう。モンスターのナワバリ圏内ともあり、ちょくちょくモンスターに襲われたりしたが、危なげなく蹴散らしていく。
そうしてるうちに洞窟付近についた。しかし、入口周辺には見張りがいるようだ。
夕方も近かったので、
「今日は町に戻って、明日体制を立て直してからもう一度向かおう。」
「まあ道順もだいたい覚えていますし、目印もつけるので、明日はよりすらすら行けるでしょう。」
「そうですね。久々に長く戦ったので疲れました…ゼロブラスフェイムもこちらに何か圧力をかけるなら人質を生かした方が都合がいいはず。きっと殺しはしないでしょう。それよりも万全じゃない状態で行って皆殺しにされる方がこれから厳しくなるでしょう。」
「大丈夫かこれで…祭が近日中にあるとか言ってなかったか…」
「あ、大丈夫です。」
確かに、ソンチョの発言ば少し問題となる点もあるが、実際の状況をよくも悪くも言い当てていた。
そして一行は町に戻った。
「では、宿屋でしっかり休むとしようか。」
「明日こそは子供達を救いましょう!」
そして、4人は眠りについた。
その晩も、リョーヘイは不思議な夢を見た。
そしてそれが彼の運命の歯車を動かす、全ての始まりであった…
如何だったでしょうか。
こんな文字数毎日書いてたらハゲます。
なので更新ペースは遅くなるかと思いますが、気長にお待ちください。
せっかちな方は小説家になろうのほうも読んで見てください!
次回、編第一話です。
お楽しみに!
[感想、質問、アドバイス、文句は気軽にどうぞ!]
[本人確認証明:カレーカルピスくそまじー]
↑この単語を同じようにルイージ大佐のTwitter垢と小説家になろうの次話 #9 『旅立ち』part5に打ち込むので、それをもって証明とさせてください。