成人式当日、俺は『凡矢理市民会館』へ向かっていた。理由は、羽姉の迎えである。つか、『付添い』ではなく『送迎』にお願いしました。まあうん、かなり目立っちゃうしね。
ともあれ、市民会館入口に到着すると、そこには晴れ着姿の羽姉と同級生が何かを話していた。
俺は、マジかぁ、あの輪の中に入るのか……。と思いながら歩を進める。
「羽姉、迎えに来たぞ」
「あ、蓮ちゃん。お迎え御苦労さま」
羽姉は、俺の右腕をギュっと抱きしめる。
「おう。……つか、皆の前で腕を組むな。目立つだろうが」
「こ、こんにちは。小学校で羽ちゃんと同じクラスだった、白野あきらって言います。お名前を窺っても?」
「ご、ご丁寧にありがとうございます。桐崎蓮です。羽姉がお世話になってました」
俺は、ぺこりと頭を下げる。
羽姉は頬を膨らませ、
「蓮ちゃん。子供扱いしないでよっ。これでも私、成人して大人なんだからねっ」
「……いや、ならいつもの言動を振り返ってみろよ。まあ、切り替えが上手いのは凄ぇけどさ」
羽姉は、甘える時はとことん甘えるし、きっちりする所はきっちりしてる。まあ、ON、OFFが上手いって事だ。……てか、針の莚状態なんですが、俺。
「あの~。桐崎蓮くんと、羽ちゃんの関係って?」
「蓮ちゃんと私は、婚約者だよ。将来を誓った仲だよね。ね、蓮ちゃん?」
「まあそうだけど。でも、結婚とかは俺が成人してからだぞ」
「うん、わかってるよ」
「つか、羽姉。オープンで話しすぎだ。俺、羞恥に駆られてるからね」
これが、穴があったら入りたい気分ってやつか……。てか、そこらに溜まってる男子、俺に嫉妬の眼差しを向けるな。まあ成人式を気に、羽姉に告白を!って奴が居たんだと思うけど。
すると、あきらと自己紹介してくれて女の子が、
「羽ちゃんたち、夜の同窓会とかどうかな?色々聞きたいし」
「すんません。俺はパスで。羽姉は旧友との再会なんだ。行ってあげてもいいんじゃないか?」
「ん~……ん、そうだね。あきらちゃん、何時から開始なの?」
「えっと。今日の夜7時、『凡矢理ロイヤルホテル』のロビーに集合ってなってる」
「ん、りょうかい」
「それじゃあ、時間までに羽姉を送ります」
とまあ、一連のやり取りをした後、俺と羽姉は『凡矢理市民会館』を後にした。
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~公園~
今、俺と羽姉はある公園のベンチに座っていた。
ちなみに羽姉は、俺の右肩にこてんと頭を乗せている。
「……考え深いな、この公園は」
「……そうだね。私たちが結ばれた場所だから」
「そだな。てか、いつまで頭を乗せてるの?」
「んー、私が満足するまでかな?」
……うん、何で疑問形なの?羽姉ちゃんや。まあいいけどさ。
「でだ、どうだった?成人式」
「うん、楽しかったよ。昔の友達とも会えたしね」
羽姉ちゃんは笑みを浮かべる。
「そういえば蓮ちゃん。
「本当だな。結婚について試されてな。ま、合格をもらったけど」
「さすが蓮ちゃんっ。大好きっ」
俺に抱き付く羽姉。
「満面の笑みで抱き付くなって。まあいいけどさ」
……心臓鼓動がヤバイ。てか、羽姉。R-18展開望んでんの?でもまあ、俺の理性の化け物を舐めてもらっちゃ困る。
羽姉は満足したのか、俺から離れる。
「うーん、蓮ちゃんの理性は鋼並みだよ」
「それなりに理性には自信があるが、一度タガが外れそうになった時もあった」
「あ、それ知ってる。小咲ちゃんを襲いそうになったんでしょ?」
「……そうだけど。何で知ってんの?」
話を聞くと、羽姉、小咲、春ちゃんは、グループLINEで連絡と取り合ってるらしい。その時、この話題が出たとか。俺の私生活がダダ漏れになってるのは気のせいか?
「……ねぇ蓮ちゃん。キスして」
……いきなり大人びるのは反則だろ。てか、今の会話の流れから何故そうなった……。
「……お、おう」
俺は羽姉の唇に、自身の唇を重ね、舌を入れお互いの舌を絡める。
そっと離れると、お互いの唾液が、つーと伸びた。
「……蓮ちゃん。深いキス、上手くなってるね」
「……まあ、な。てか、羽姉が舌を入れてくるからな」
「ちょ、それって私のせいなのっ?」
「うん、そうだな」
「……蓮ちゃん。断言しすぎだよ」
羽姉ちゃんは、しゅんとする。
とまあ、これが成人式の帰りにあった出来事であった。
うーむ、甘く書けたかなぁ。最近、書く機会がなかったので……。
ちなみに作者は、R-18を書くのは無理です。てか、書く技量がないですね。スンマセン(-_-;)
ではでは、次回もよろしくです!!