ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

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この話、書くの難いかも……。


第60話 キュウシュツ#1

「「「「「でかッ!!」」」」」

 

 羽姉が用意してくれた車から降り、橘の実家を見た俺たちの第一声だ。……つーか、完全に城だ。俺の家の100倍以上はある。でもまあ、城は城でも、近代化された城って所か。

 

「着いたのはいいが、これからのプランはあんのか、楽?」

 

「ああ。取り敢えず、インターフォンを鳴らして話してみる」

 

 ……俺が思うに、一方的に切られるだけだと思う。

 とまあ、楽がインターフォン越しに容件を伝えるが、一方的に切られてしまってた。予想通りの反応である。……やっぱり、強行突破しかないのかなぁ……。

 すると、姉貴が息を吸い込み、

 

 

「万里花――――!いる――――!!??いるなら返事しなさい――い!!」

 

 

 やっぱりこうなったか……。と思い溜息を吐く俺。楽と姉貴は、『どうすんだよ、お前!』とか話し合ってたけど。

 すると、ドドドッ!と音がし、正面扉が開かれ、棒を持った門番?が多数(10人くらい)出現。……これはもうあれだ。強行突破しかねぇわ。

 

「……ったく。――鶫。一旦、皆が逃げるまで時間稼ぎするぞ」

 

「――了解しました、若」

 

「ってことだ。俺と鶫が正面の道を開くから、皆はその内に内部に走ってくれ。姉貴はもしもの場合、頼んだぞ」

 

 頷く楽たち。その時、小咲から『無理はしないでね』ってアイコンタクトをもらった。俺も『ああ。小咲も気をつけろよ』と返した。まあ姉貴がいるから心配いらないと思うが。

 俺と鶫は走り出し、男たちの意識を刈り取っていく。その隙に、楽たちは内部に突入。

 楽たちが逃げ切ったのを確認してから、俺と鶫はこの場から離れた。……まあ全員気絶させたんだが。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 皆が逃げた場所へ向かうと、姉貴が黒髪の美人さんに抱きつかれていた。……てか、髪をハスハスは止め。とまあ、鶫の拳骨で事は済んだけど。

 話を戻すと、この近場に城へと続く隠し通路があるらしい。案内の元そこへ向かい、鎖を引っ張り上げると地下通路が姿を現した。どうやら、この通路を辿れば、城へ入る事ができるらしい。でもなあ、無事に到着できるかは神のみが知るって所である。

 

「んで、人選はどうすんだ?あんまり多すぎると、見つかる危険が増えるけど」

 

 人選は、俺、楽、姉貴、鶫という感じだ。

 小咲とるり、集は、違う方面から内部に侵入するらしい。まあ、九州の友達(御影さん)が如何にかして侵入ルートを作るのだろう。

 ともあれ、楽が天守閣までの地図を受け取り、人選組は地下通路へ入って行った。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「しかしまあ、これって不法侵入だよなぁ……」

 

「バレなきゃ問題ない。バレたらバレたで何とかすればいいだろ」

 

 俺の言葉に、楽の口角が引き攣る。

 

「な、なんとも心強い言葉で……」

 

 進んで行く内に、楽が呟く。

 

「てかさ、橘の母親って徹底してるよな……。橘を連れ戻して、たった二日で結婚式だなんて、それにオレたちと会わせないようにしたりとか……。オレ、そんな人を説得できんのかな……」

 

 楽の言葉を聞き、姉貴のチョップが楽の頭に落ちる。

 

「なぁに弱気になってんのよ。あんたの気持ち、素直に伝えればいいじゃない。その後は成り行きよ、何とかなるって。鶫と蓮もいることだし」

 

「そ、そうだな!行こう!」

 

 通路を走り広間に出るが――、俺と鶫が待ったをかける。

 

「……待て、誰かいる」

 

「……ええ、若の言う通り誰かいますね。気配からして、かなりの実力者と」

 

 柱の陰から姿を現したのは、橘の護衛である本田さんだ。

 

「お待ちしておりました。篠原様が手引きなさってる以上、浸入するのはこの通路しかないと思っていました。――誠に申し訳ないのですが、ここを通すわけには参りません。どうぞお引き取りを、抵抗するなら捕縛せよの御達しです」

 

 楽は、本田さんに抗議するが、本田さんは聞く耳持たずだ。てか、話によると、本田さんは生まれながらに橘家に仕えてるらしい。……つまり、橘家に仕える忍者。だという事だ。

 

「できれば、怪我はさせたくありません。速やかに、ここからお引き取りを願います」

 

「……若、お嬢、一条楽。ここは私に任せて、先に進んでください」

 

「だが、鶫。俺も参加した方が勝率はぐっと上がるぞ」

 

「ダメです、若。ここから先なにがあるか解りません。お嬢もお強いですが、若のように裏の適用はあまりないのです」

 

 確かに、姉貴には暗部系が来ると分が悪すぎる。

 もし遭遇したら、その場で捕縛される確率は高い。

 

「……解ったよ。俺たちは先に行くが、お前も勝って追いかけろよ」

 

「ええ、わかりました」

 

 俺は、楽と姉貴に『行くぞ』と言い、この場から走り出した。

 まあ出口に出たのはいいが、姉貴……小枝を踏み付けて、音を出してから猫真似で誤魔化すのは無理がありすぎるだろ。それに追いかけてくる人数が50人以上とか、俺一人じゃ捌けないからね。姉貴と太刀打ちすれば何とかなると思うが(半分以上の確率で捕まる)。それに、天守閣まで距離があるのに、楽を一人にするのは不安すぎる……。だからまあ、取るべき手段は逃げるである。

 

「ま、マジかよ!前からも来た!これじゃあ挟み打ちになる!」

 

 楽が声を上げる。

 そして、俺はその場で停止。

 

「……姉貴」

 

「わかってるわ。もやしをどうにかしてくるから、蓮は先にやっててちょうだい。囮は二人いた方がいいしね!」

 

「ああ、早めに頼むぞ」

 

 姉貴と楽は、窓を開け外に出て行った。

 おそらくだが、姉貴は楽を上へ投げ飛ばすつもりなのだろう。……まあ楽。頑張れ。

 

「……前後で50で、100人ってとこか。……つーかこれ、無理ゲーだよなぁ……」

 

 てか、姉貴と捕まるのが目に見えてる気がするんだが……。そして俺は溜息を吐くのだった。




さて、次回は結婚式破壊か!?漫画では、ここのシーン最悪だったからなぁ。(漫画は16巻からレンタルで見た)

戦闘に関しては、ラブコメだし許してm(__)mまあ現実ではありえないからなぁ(遠い目)

つ、鶫の言葉は無駄に終わったのか!?まあその辺はご都合主義ですね(笑)

追記。
蓮君の活躍は、もうちょい先になりそう。(多分)

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