ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

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お久しぶりです。


三年生
第63話 テンタイカンソク


 季節7月。俺と小咲は三年に、春ちゃんは二年生になった。そして今、俺たちは通学路を三人で登校している。ちなみに、羽姉は先生という事もあり、登校時では別登校である。

 

「もう7月か。早いものだな」

 

「だね。私たちが一年だった頃が、つい最近のようだよ」

 

「私も月日が流れるのは早く感じるなぁ。それもこれも、蓮さんのお陰だけどね」

 

 俺と小咲、春ちゃんはいつものように話をしながら登校し、学校の校門前に到着し、昇降口を入って上履きに履き替え教室へ向かう。

 とまあ、このようにして、俺たちは一日一日を過ごしていく。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~昼休み、屋上~

 

「さて、明日は天体観測である」

 

 そして、集が布を取り払った場所には天体望遠鏡があった。……まあ、何処から借りたきたのはいいとして、相変わらず集の交友関係は選手層が厚い。

 そんな時、小声で春ちゃんが、

 

「れ、蓮さん蓮さん。私二年なのに、天体観測に参加していいの?」

 

「ん、ああ。構わない。てか、羽姉も参加するらしいし。俺たちは三人、皆一緒だからな」

 

「そ、そっか」

 

 春ちゃん、頬を朱色に染めないでくれ。何か、俺も恥ずかしくなるから。

 すると小咲が、

 

「蓮君蓮君。私、お弁当持ってくるね」

 

 春ちゃんも一緒に作ってくれるらしい。

 

「お、いいな。休みの学校で弁当か」

 

 羽姉も弁当を作るって言ってたし、俺たち全部食えるかな?まあ、残すことは絶対しないけど。

 てか、噂によると、五十年に一度しか見ることができない大規模なものらしい。この流星群を男女が一緒に見て告白すると、その恋が成就するとか。……まあ俺は噂とか信じないが。

 

「蓮君と春はどう思うかな?この噂?」

 

「んー、私は信じないかなぁ。自分の行動が全てだって思ってるし」

 

「俺もそうだな。ヘタレな部分もあるけど」

 

 ……まあうん。俺っていつも重要な所でヘタレるんだよね……。マジでこれは治したいわ。

 ともあれ、明日の天体観測では橘も参加するらしいし、姉貴たちはこれを使って、橘は再び楽に告白、姉貴も楽に告白をしようって考えてるのかもなぁ。

 

「この話はまた放課後にでもしよう。俺は、ちょっと楽と集の所に行ってくるわ」

 

「うん、りょうかいだよ」

 

「りょうかいしました、蓮さん」

 

 ともあれ、楽と集がいる手摺前に移動する俺。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 手摺に両手を組んで体重を預ける。並びは右から、俺、集、楽である。

 

「んで、何の話をしてたんだ?」

 

「おう、蓮か。いやな、楽の恋についてな。そういえば蓮は、学校を卒業したらアメリカに戻るのか?」

 

 これは集の質問だ。

 

「いや、俺は日本に残るぞ。色々と仕事を片付けないといけないし」

 

 集はニヤニヤし、

 

「それって、小野寺たちのことか?」

 

「俺の場合は全員を選んだから、そのことでな色々な。まあ、俺の家柄上心配いらない事だと思うけど」

 

「なるほどねぇ。蓮の職業上、愛人や複数の恋人がいても問題なさそうだしなぁ。それにしても、姉妹と先生とは驚いたけど」

 

「あー、そのことに突っ込むのは止してくれ」

 

 いや別にいいんだが、世間で見ると色々とやばいかもだし。先生と禁断の恋とか、姉妹を恋に落とした変態野郎とかのレッテルがね……。

 

「で、俺のことはいいとして、楽はどうすんだ?二人の好意には気づいてるんだろ?」

 

「……まあそうなんだけど」

 

 おそらく、楽の中では葛藤があるのだろう。

 二人を一緒に選ぶか、どちらか一人を選ぶか、と。

 ともあれ、それぞれの想いを胸に、天体観測の日がやってくる。




投稿が久しぶりすぎで不安です、色々と……。
さて、この小説も完結までもう少しですね。

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