ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

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第64話 ホシゾラ

 ~天体観測当日~

 

 俺と春ちゃん、小咲、羽姉はいつものように学校に向かっていた。まあ、羽姉は教師ということもあり途中で別れるのだが、今日はその心配もいらない。てか、姉貴と橘、楽の集合時間早くね。ちなみに、集合時間は18:00である。……まあ、俺も人のことを言えないんだが。

 

「何か、時間前に集合しそうだね」

 

 小咲が俺を見ながらそう言い、俺は頷いた。

 

「かもな。しっかし、今回の天体観測で色々動くと俺の予想」

 

「一条先輩、橘先輩、千棘先輩のことだよね」

 

「でも楽ちゃんだし。まだ決まらないかもよ」

 

 ……うーむ。春ちゃんは兎も角、羽姉ちゃんは辛口意見である。でもまあ、傍から見てるともどかしく見えるのは事実だけど。

 ともあれ、こうして早く集まったので合流してから校舎下に集合するが、唐突に雨が降り出した。

 スマホで調べて見ると、台風が進路を変え、凡矢理市周辺に暴風警報が発令されてるらしい。……今回の天体観測は中止だろうなぁ。夜の屋上で仰向けになって、皆と星を見ることがしたかった……。

 

「てことはなんだ。この学校には、オレたち七人だけってことか?」

 

「そうなるなぁ。ま、いいじゃんか」

 

 俺の返しに、楽は肩を落とす。

 

「……蓮さんや、楽観的だな」

 

「そうか?夜の学校に俺たち七人とか、楽しそうだし」

 

 ちなみに台風は、凡矢理に直撃コースらしい。

 

「まあいいや。とりあえず、教室に行こうぜ」

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 教室に向かう俺と春ちゃん、小咲、羽姉だったが、天帝望遠鏡が屋上に出しっぱなしだということに気づき、俺たち四人は屋上に向かい、入口のドアを開けていた。……うん、予想通り土砂降りである。ちなみに、楽たちは先に教室に向かった。

 ともあれ、天体望遠鏡はシートにかけられ固定されているから無事である。てか、壊して賠償金を取られるとか洒落にならん。

 

「蓮ちゃん、私たちも手伝うよ。あの大きさを一人では辛いだろうし」

 

「わ、私も手伝う。タオル持ってきたし、大丈夫」

 

「むー、私だけ仲間外れは嫌だよ」

 

「……手伝ってくれるのは嬉しいんだが――……」

 

 そう、女子が私服で雨に打たれると色々拙い状況になるのである。……まあ、俺はそこら辺はヘタレだから心配いらないと思うが。

 俺は溜息を吐き、

 

「了解。手伝ってくれ」

 

 三人は、りょうかい。と頷いた。

 それから俺たちは、雨に打たれながら走り出す。

 

「地面が滑るから気をつけろよ!」

 

 ともあれ、天体望遠鏡を仕舞うことに成功しました、はい。んで、何とか理性が勝ち、この場は何とかなりそう。……まあ、かなり際どい線だけど。

 すると突然停電が起こり、雨が急に止み、風の音も聞こえなくなった。

 

「わあ、綺麗……」

 

 小咲に続く形で俺たちが外を見ると、暗闇に星が流れていた。

 

「……確かに、幻想的な景色だなぁ」

 

「星、なのかなぁ?」

 

「台風の目に入ったことで、星が見えるようになったとか?」

 

「そこら辺は解らんが、来てよかったな」

 

 この景色が見れたということで、雨に打たれて濡れたことはチャラだろう。

 だが、この景色もつかの間であり、また雲に隠れ雨が降り出したんだけど。たぶん、一時的に台風の目に入ったということにしておこう。そうしよう。

 

「保健室の暖房って借りても大丈夫かな?羽姉」

 

 今の気温で、少しの暖房で服は乾くだろう。

 

「問題ないよ。何かあれば、教師権限を使っちゃうしね」

 

 おいこら、舌をぺろって出すな羽姉ちゃんや。つか、それって職権乱用だよね?……まあいいか。

 

「んじゃ、保健室に行こうぜ」

 

 保健室に向かっている途中、春ちゃんが、

 

「一条先輩たちはどうなったのかな?」

 

「私の予想だと、今の停電でなにかあったと思われる」

 

「「私も同感!」」

 

 怖ぇな女の勘……。てか、何かあったのは確実なのね。

 

「その話は、俺が居ない所で頼むわ。まずは、保健室で服を乾かしてから楽たちと合流して飯でも食おうぜ」

 

「「「はーい」」」

 

 まあうん、声が揃うとか仲良いなお前ら。ともあれ、俺たち四人はいつも通り平常運転である。

 それからは、服を乾かして全員が集まって飯を食べたが、橘と姉貴の様子がいつもとは違った。このことから察するに、何かあったのだろう。それがプラスに働くのかマイナスに働くのかは俺には解らんが、今後の学園生活に響かないこと祈ろう。




文字数少な!……久しぶりの投稿って怖いですね(-_-;)
ニセコイも、そろそろラストに向かってる感じですね。

ではでは、また会いましょう!

追記。
集は、集合時間に台風で来れなくなった設定です。

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