~天体観測当日~
俺と春ちゃん、小咲、羽姉はいつものように学校に向かっていた。まあ、羽姉は教師ということもあり途中で別れるのだが、今日はその心配もいらない。てか、姉貴と橘、楽の集合時間早くね。ちなみに、集合時間は18:00である。……まあ、俺も人のことを言えないんだが。
「何か、時間前に集合しそうだね」
小咲が俺を見ながらそう言い、俺は頷いた。
「かもな。しっかし、今回の天体観測で色々動くと俺の予想」
「一条先輩、橘先輩、千棘先輩のことだよね」
「でも楽ちゃんだし。まだ決まらないかもよ」
……うーむ。春ちゃんは兎も角、羽姉ちゃんは辛口意見である。でもまあ、傍から見てるともどかしく見えるのは事実だけど。
ともあれ、こうして早く集まったので合流してから校舎下に集合するが、唐突に雨が降り出した。
スマホで調べて見ると、台風が進路を変え、凡矢理市周辺に暴風警報が発令されてるらしい。……今回の天体観測は中止だろうなぁ。夜の屋上で仰向けになって、皆と星を見ることがしたかった……。
「てことはなんだ。この学校には、オレたち七人だけってことか?」
「そうなるなぁ。ま、いいじゃんか」
俺の返しに、楽は肩を落とす。
「……蓮さんや、楽観的だな」
「そうか?夜の学校に俺たち七人とか、楽しそうだし」
ちなみに台風は、凡矢理に直撃コースらしい。
「まあいいや。とりあえず、教室に行こうぜ」
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
教室に向かう俺と春ちゃん、小咲、羽姉だったが、天帝望遠鏡が屋上に出しっぱなしだということに気づき、俺たち四人は屋上に向かい、入口のドアを開けていた。……うん、予想通り土砂降りである。ちなみに、楽たちは先に教室に向かった。
ともあれ、天体望遠鏡はシートにかけられ固定されているから無事である。てか、壊して賠償金を取られるとか洒落にならん。
「蓮ちゃん、私たちも手伝うよ。あの大きさを一人では辛いだろうし」
「わ、私も手伝う。タオル持ってきたし、大丈夫」
「むー、私だけ仲間外れは嫌だよ」
「……手伝ってくれるのは嬉しいんだが――……」
そう、女子が私服で雨に打たれると色々拙い状況になるのである。……まあ、俺はそこら辺はヘタレだから心配いらないと思うが。
俺は溜息を吐き、
「了解。手伝ってくれ」
三人は、りょうかい。と頷いた。
それから俺たちは、雨に打たれながら走り出す。
「地面が滑るから気をつけろよ!」
ともあれ、天体望遠鏡を仕舞うことに成功しました、はい。んで、何とか理性が勝ち、この場は何とかなりそう。……まあ、かなり際どい線だけど。
すると突然停電が起こり、雨が急に止み、風の音も聞こえなくなった。
「わあ、綺麗……」
小咲に続く形で俺たちが外を見ると、暗闇に星が流れていた。
「……確かに、幻想的な景色だなぁ」
「星、なのかなぁ?」
「台風の目に入ったことで、星が見えるようになったとか?」
「そこら辺は解らんが、来てよかったな」
この景色が見れたということで、雨に打たれて濡れたことはチャラだろう。
だが、この景色もつかの間であり、また雲に隠れ雨が降り出したんだけど。たぶん、一時的に台風の目に入ったということにしておこう。そうしよう。
「保健室の暖房って借りても大丈夫かな?羽姉」
今の気温で、少しの暖房で服は乾くだろう。
「問題ないよ。何かあれば、教師権限を使っちゃうしね」
おいこら、舌をぺろって出すな羽姉ちゃんや。つか、それって職権乱用だよね?……まあいいか。
「んじゃ、保健室に行こうぜ」
保健室に向かっている途中、春ちゃんが、
「一条先輩たちはどうなったのかな?」
「私の予想だと、今の停電でなにかあったと思われる」
「「私も同感!」」
怖ぇな女の勘……。てか、何かあったのは確実なのね。
「その話は、俺が居ない所で頼むわ。まずは、保健室で服を乾かしてから楽たちと合流して飯でも食おうぜ」
「「「はーい」」」
まあうん、声が揃うとか仲良いなお前ら。ともあれ、俺たち四人はいつも通り平常運転である。
それからは、服を乾かして全員が集まって飯を食べたが、橘と姉貴の様子がいつもとは違った。このことから察するに、何かあったのだろう。それがプラスに働くのかマイナスに働くのかは俺には解らんが、今後の学園生活に響かないこと祈ろう。
文字数少な!……久しぶりの投稿って怖いですね(-_-;)
ニセコイも、そろそろラストに向かってる感じですね。
ではでは、また会いましょう!
追記。
集は、集合時間に台風で来れなくなった設定です。