ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

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投稿が遅れてすいません(^_^;)
失踪はしないのでお許しを……。


第69話 遊園地#2

 俺はいつもの真っ黒服装で、遊園地前で春ちゃんを待っていた。ちなみに、遊園地デートは2回目だ。

 ぱたぱたとやって来た春ちゃんは、黒を基調にしたワンピースに大きめの麦わら帽子に、茶色の大き目のバックの紐を肩から下げていた。流石姉妹、小咲とほぼ瓜二つである。

 

「お、お待たせ。蓮さん」

 

「おう、全然待ってないから心配するな」

 

「ふふ、いつもの『待ちくたびれた』じゃないんだね」

 

「まあな。んじゃ、行くか」

 

 俺たちは受付で入場券を購入し、受付係に入場券を見せて遊園地内に入った。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~遊園地、内部~

 

 俺たちが遊園地に入ると、回りにはお子さん連れの家族、学生、カップルが賑わっていた。

 と、その時、俺と春ちゃんの手が触れ合う。

 

「れ、蓮さん。人多い、ね」

 

「だなぁ。手を繋いでおくか」

 

 春ちゃんは、「はい!」と元気良く頷く。

 春ちゃんの手は暖かくて、優しさに包まれるような感覚である。

 それから俺たちは、様々なアトラクションに乗った。ジェットコースターにコーヒーカップ、お化け屋敷と。

 

「蓮さん蓮さん。あれ食べよう」

 

 春ちゃんが指差したあれとは、遊園地の定番?であるチュロスである。あれだ、遊園地に来たら食べて於かないといけない代物である。……いや、たぶん、知らんけど。

 

「いいぞ」

 

 という事で、店へ向かう俺たち。

 

「すいません、チュロスを2本ください」

 

 それからお姉さんが「お待たせしました」といって、代金と引き換えにチェロスを受け取った。ちなみに、通常版とマキアート風の種類があったので、それぞれ1本ずつである。

 

「蓮さんのも一口ちょうだい」

 

「ん、ほれ」

 

 ベンチに座りながら、俺は隣に座る春ちゃんの口許にチュロスを持っていくと、春ちゃんは小さな口を開けて一口。それから、口をもごもごさせ飲み込んでから、

 

「ん、美味しいね。――じゃあ、蓮さんもどうぞ」

 

 春ちゃんが口許に持ってきたチュロスを、一口してから咀嚼して飲み込んでから口を開く。

 

「うむ。美味いな」

 

「ふふ、そっか」

 

 ともあれ、チュロス食べたからベンチから腰を上げ、

 

「それじゃあ、アトラクションの制覇に行こう!」

 

「いや、制覇すんの?まあいいけど」

 

 という事なので、俺たちはアトラクションに乗る為に歩き出したのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 そして日が沈み、もうすぐ閉園時間。

 

「楽しかった」

 

「まあ、制覇はできなかったけどな」

 

 と、俺は苦笑する。

 そう、この遊園地には最近できた絶叫ジェットコースターもあったのだ。それを見て、春ちゃん「あ、無理だ」と悟ったらしい。

 ともあれ、最後に遊園地の名物?観覧車に乗ることになった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「わぁ。……すごい綺麗だね」

 

「まあ確かに。ザ・夕焼けって感じだな」

 

 春ちゃんと対面に座り、俺たちは綺麗な夕焼けを眺める。

 そして頂上に到着した所で、俺は春ちゃんを手招きし、隣に座ってもらい向き合う形になる。

 

「ん、どうしたの蓮さん?」

 

「いや、ちょっとこれを渡したくてな」

 

 俺は懐に手を入れ、小さな箱を取り出し箱を開ける。

 

「ごめんな。まだ本物が用意できなくて」

 

「う、ううん。あ、ありがとう。とっても嬉しいよ」

 

 俺は箱から銀色の指輪を取り出し、春ちゃんの左手薬指に嵌める。

 ともあれ、俺は真剣な顔で、

 

「小野寺春さん、俺と結婚して下さい」

 

「ふ、不束者ですが、よろしくお願いします」

 

 それから、ぷっ。と笑う俺たち。

 

「お、俺たちには似合わないな」

 

「だ、だね。いつも気楽な感じだもん」

 

 春ちゃんは「そういえば」と言って、

 

「蓮さんは、お姉ちゃんと羽さんにもプロポーズを?」

 

「それっぽい事はしたと思うんだが、正式にちゃんとした方がいいのかなぁ」

 

「うーん。私の場合は、今ので十分なんだけど」

 

 春ちゃんは「私の物差しで見ちゃダメだよね」と、悪戯っ子のように舌を出す。

 

「まあ、その時が来たら考えればいいか」

 

「うん、それでいいと思うよ」

 

 それからは、学園のことや最近の事ことを話し、観覧車から降りた。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 遊園地も閉園になり、外に出た俺たちは伸びをした。

 

「それ、学園には嵌めてくるなよ。色々な意味でやばいと思うから」

 

「だいじょうぶ。学園では、ネックレス状にしていくから」

 

 ……うん、学園には持ってくるのね。まあ、バレなければ良いと思うけど。

 それから俺たちは手を繋ぎ、遊園地を後にした。こうして、俺と春ちゃんのデートは終わりを告げたのだった。




指輪は、小咲と羽姉はすでに持ってます。
春ちゃんにも渡したので、全員、結婚指輪(仮)を持ってることになりましたね。

ではでは、次回もよろしくですm(__)m

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