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一七日目 一七:〇〇 とある鎮守府 司令室
司令室には艦娘として旗艦を経験したことがある赤城、蒼龍、山城、金剛、榛名、川内、神通、長良、暁、叢雲が招集され、執務机の前に並んでいた。
「えーっと、旗艦経験者に集まってもらったわけだけども、これは明日からの艦隊運用についての相談をしたかったからなんだ」
「相談ですか?」
「うん。上条さんは新米提督なんで、艦隊運用について間違えることがあると思うんだ。だからもし間違えていたら指摘してくれると助かる」
「了解しました」
「今のところ哨戒任務をしてくれている第一艦隊は旗艦が神通で、長良、皐月、白雪、電、雷と、水雷戦隊になっているよね?これは潜水艦対策も兼ねてるのかな?」
「そうですね、水雷戦隊ですと対艦能力も高く、潜水艦対策も出来ます。また燃費もいいので哨戒任務には最適な編成であると思います」
第一艦隊旗艦の神通が上条の質問に対して淀みなく回答していく。
「じゃあとりあえず第一艦隊はそのまま、哨戒任務を継続して行ってもらいたい。それで、ここからが本題なんだけど、とりあえず俺の考えを聞いてもらって、何か問題があったら指摘してくれると助かる」
「了解しました」
「とりあえず明日から新しく第二から第七艦隊を編成して、対抗演習を行って練度を上げてもらおうと思っている。第二艦隊は旗艦赤城、現在建造中の鳳翔、那珂、皐月、第三艦隊は旗艦蒼龍、現在建造中の龍驤、同じく建造中の千歳型、吹雪、第四艦隊は旗艦山城、摩耶、現在建造中の軽巡か重巡、響、第五艦隊は旗艦金剛、妙高、五十鈴、敷波、第六艦隊は旗艦榛名、鬼怒、夕張、文月、子日、第七艦隊は旗艦叢雲、比叡、青葉、暁、島風。第二艦隊と第三艦隊、第四艦隊と第五艦隊、第六艦隊と第七艦隊で対抗演習を行う。欠員があるところは明日も建造をして埋めようと思っている」
上条が新設艦隊の編成と演習についての説明を終えて艦娘たちを見回す。彼女たちは特に異を唱えることもなく真っ直ぐに上条を見ていた。
「………あれ、何かない?」
「理にかなっていますので」
「そうか。では説明を続けるけど、対抗演習で練度を上げ、改装が可能になった時点でそれぞれ改装を行い、改装が済んだ者を第一艦隊のメンバーと入れ替え、最終的には全員が改装を済ませるところまで持っていきたい。そして全員の改装が終わったら、艦隊を再編して次の段階へ入ろうと思っている」
「次の段階とは?」
「海域開放だな。まずは鎮守府海域を制圧して、海上護衛艦隊を編成して哨戒任務は海上護衛艦隊に引き継ぐ。そうしたら次は南方連絡海域の制圧を目標にする」
上条はそう言うと、少しだけ考えるような仕草をしてから話を続けた。
「鎮守府海域を制圧した段階で、鎮守府に艦載機用の航空基地を整備したいと考えている。具体的に言うと工廠のグラウンド側に艦載機用のハンガーを作って、その横に滑走路を新設したい。航空基地を新設することで、艦載機の練度向上に役立つし、鎮守府周辺の警備能力も向上させることが出来る」
「艦載機を開発して余剰戦力を基地航空隊にするということでしょうか?」
「余剰戦力とまではいかないだろうけど、ある程度のストックが出来るようにしたいと思ってる。そういえば、艦載機の妖精さんってひとりひとり違うの?艦載機ってスロットに装備すると数が増えるじゃん?」
「妖精さんはひとりひとり違いますよ。機体を失うと艤装に戻ってきますから、死ぬことはありません」
「赤城、妖精さん出せる?」
「艦載機の子ですか?はい、呼びますね」
「呼ばれて参上です?」ポン
「大和魂です?」ポン
「妖精さんたちって、撃墜されても死んじゃったりすることはないのかな」
「基本的に私たちは死なないのです?」
「落とされても紐付けされた艤装に戻るのです?」
「艦娘さんが轟沈しても、私たちは妖精界へ還るだけなのです?」
「そして妖精界で再び艤装に呼ばれるのを待つのです?」
「そ、そうなんだ」
「驚きました。妖精さんって不死の存在だったんですね」
衝撃の事実に赤城たち艦娘も上条も驚いた。
「そういうことなら航空基地もスロットにしておけばいいのかな」
「そうですね、スロットにしておけば妖精さんも着任しやすいと思います」
「では当面はそんな感じでいきたいのだけれど、何かある?」
「テイトクの計画はパーフェクトデース。ただ、妖精さんの話の方がインパクトがあったのデース」
「改装を視野に入れた艦隊運営計画。榛名、感激です!」
「夜戦訓練も計画してくれると嬉しいかな」
「レディーに相応しい扱いをしてよね!」
最後の方は計画に関係ないことを言っているような気がしたが、これといった反対意見がないことに上条は胸をなでおろすのであった。
上条さんが意外なほど提督しています。
まあ軍令部(元帥&大淀)の教育が良かったということで…。