やはり俺がフェンリル極東支部にいるのは間違っている。   作:水無月ゲンシュウ

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第十話 帰還

 前回辛くも敵の追撃を振り切った八幡一同はアナグラへの帰投をはたした。しかしそこにリンドウの姿はなくアナグラ全員の心に深い傷を作った。

 

 医務室のベッドの上で八幡は目を覚ました。

 

「……ん、こ、ここは……そうか……」

 

 先の戦闘で傷ついた体は神機使い特有の再生能力であらかた治っているようだ。一通り体を調べてから先日の戦闘について思い出した。リンドウという、アナグラ最大の戦力を失うこととなった戦闘であった。鮮明に思い出せば思い出すほどに自分のふがいなさに腹が立ってくる。

 

「……」

 

 こうして休んでいてもしょうがないのでラウンジへ向かう。ラウンジへ着くといつもより騒がしい様子だった。どうやらリンドウさんの捜索うんぬんみたいだ。

 

「おっ、比企谷おきたか」

 

「あ、どうも大森さん……どうしたんです。皆さん」

 

「リンドウさんの件でな……そんなことよりもう一人の新型の様子見に行ったか?なんか精神的にまいっちゃってるみたいだから同じ新型のよしみでいってやんな」

 

「はぁ……」

 

 言われた通りアリサのいる病室まで来たのだが中からはヒステリック気味のアリサの声が聞こえてくる。入りたくねぇ……

 

「ああ、君か。今は会わないほうがいいだろうな。薬が切れるとあの調子だ、日を改めたほうがいいぞ」

 

 アリサの主治医だとか言っている大車か……

 

「そうみたいっすね」

 

「彼女だって、今の様子はあまり見られたくないだろうしな」

 

「ではまた」

 

 そう言って俺はその場を立ち去る。お見舞いの品を買ってないことに気が付き買っていると面会ができると伝えられた。病室に入り二、三言声をかけてみるが返事がない。

 

「話しても無駄だよ、効果の高い鎮静薬が届いたんでね当分意識は戻らないはずだ」

 

「そっすか……」

 

 話を何気なく聞きながらお見舞いの品を置いていたら椅子に座ろうとしたときにうっかりアリサの手に触れてしまった。その途端脳裏に見慣れない光景が一瞬だが鮮明によぎる。

 

「あれ……ここは……私どうして……」

 

 目をしばらく覚まさないといわれていたアリサが突然目を覚ました。

 

「い、意識が……回復しただと?……まさか……し、失礼する!」

 

 ……いやあんた動揺しすぎでしょ。そんなに薬が効かなかったのがまずかったんでしょうかねぇ。あとさっきから気になってたんだけど病室でタバコって……

 

「今、あな…た……の……」

 

 なんだ?俺の?疑問を感じながらもアリサの手に触れたままのことに今更ながら気づき高速土下座をかましていた。

 

「…はい、ええまさか意識を取り戻すとは…詳しくはわかりませんが、ええ…例の…はい新型同士の感応現象が起きたのではないかと…はい、どうしましょう隔離しますか?…そうですか、ではしばらくこのまま……はいでは、私はこれで」

 

 面会後の任務前のブリーフィングでリンドウのKIAが決定した。第一部隊隊長雨宮リンドウの死は第一部隊のメンバー全員に深い傷を作ることとなった。




投稿するの遅くなってすみませんでした。
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