やはり俺がフェンリル極東支部にいるのは間違っている。 作:水無月ゲンシュウ
『悪鬼の尾』それが俺が受ける初任務だ。目標はオウガテイル一体の討伐。アラガミの中でも雑魚に分類されるが、大抵それなりにできるやつが死ぬ場合はこういう雑魚に対する警戒をしないせいで死ぬ。相手が強かろうが弱かろうが、急所に攻撃を受ければ待っているのは同じ死だ。確か今回は誰かと一緒に行くはずなのだが相手が見つからない。
「あ、リンドウさん支部長が見かけたら顔を見せに来いと言ってましたよ?」
「オーケー、見かけなかったことにしといてくれ」
……なんか変な人キター、しかもこっちに近づいてくるし、えっもしかしてこの人が今回の同行者?……マジで?
「よう、新入り。俺は雨宮リンドウ、形式上お前の上官にあたる・・・が、まあめんどくさい話は省略する。とりあえず、とっとと背中預けられるぐらいに育ってくれ、な?」
本当にこんないい加減な人が上官なのか?これだからブラック企業フェンリルは。
「あ、もしかして新しい人?」
「あー、今厳しい規律を叩き込んでるんだからあっち行ってなさいサクヤ君」
「了解です、上官殿」
今の人すげー美人だったなぁ、手振ってくれたし。どうせならあの人とミッション行きたかったまでである。まぁ行ったところでろくにしゃべれないのだが。
「とまあ、そういうワケで・・・だ、さっそくお前には実践に出てもらうが、今回の緒戦の任務は俺が同行する・・・っと、時間だそろそろ出発するぞ」
「うす」
今回の任務地である贖罪の街へとやってきた。外部居住区に住み始めてから久しぶりの外出である。まぁ死と隣り合わせだが。
「ここもずいぶん、あれちまったな。おい新入り、実地演習を始めるぞ、命令は3つ。死ぬな、死にそうになったら逃げろ、そんで、隠れろ、運が良ければ不意をついてぶっ殺せ・・・あ、これじゃ4つか?」
自分最初の3つなら完璧にこなせる自身あります。特に3つ目なんて何もしてなくても隠れてるくらいの隠密性です。あと数え間違えないでください。
「ま、とにかく生きのびろ、それさえ守ればあとは万事どうにでもなる。さーて、おっぱじめるか!」
その言葉をきっかけに作戦エリアにはいる。俺の神機は『ナイフ』『50式機関砲』『対突撃バックラー』というザ手数意識の構成であるである。
下りたところを右に曲がるとターゲットのオウガテイルがいた。さてと前衛はリンドウさんにまかせて、俺は新型の特権をつかいますか。神機を銃形態にし、リンドウさんの邪魔にならないところからちまちまと狙う。最初のうちはただ当てていただけだが慣れてくるとどこに当てるとダメージが多いかを考えながら狙っていく。そうしているうちにリンドウさんが放った一撃で仕留めた。そしたら帰りにリンドウさんに質問された。
「・・・おい新入り、なぜ前に出ない?」
「普通神機使いは近距離型と遠距離型がツーマンセルで戦うんですよね。俺はそのセオリーに従ったまでです。それに下手に前に出すぎるとリンドウさん、フォローしづらいでしょ?」
「ほう、つまり俺が変に気を張らないように気配りしたってか?」
「まぁそういう言い方もできますかね。ただ俺は自分のせいで誰かが死ぬのはゴメンなだけっす」
「新入り、いいかそんなことを気にするのは一人前になってからするもんだ。今は仲間を頼れ」
「・・・うす」
この後なぜか報告書を俺が書き、ようやく終わりかと思ったらサカキ博士の講義になった。改めて思った。神機使いって・・・ブラックじゃね?
「来たね」
「さて、いきなりだけど・・・キミはアラガミってどんな存在だと思う?」
いや本当に突然だな・・・
「地球の新たな支配者」
「・・・『人類の敵』『絶対の捕食者』『世界を破壊するもの』まぁこんな所かな」
・・・人の渾身の回答をスルーしやがった。いやだって実際そうでしょ、あいつらに勝てる存在なんて神機使いくらいだし。あ、自分がそうでしたテヘッ・・・きもいな
「これらは認識としては間違っていない、むしろ、目の前にある事象を素直に捉えられていると言えるだろうね。じゃあ、何故どうやってアラガミは発生したのか?って考えたことはあるかい?」
「どっかの研究者が実験でもしたんだろ」
「・・・キミたちも知っての通り、アラガミはある日突然現れて、爆発的に増殖した。そう、まるで進化の過程をすっ飛ばしたようにね」
「ふあああああ・・・なあなあ、この講義なんか意味あんのかな?アラガミの存在意義なんかどうでもよくね?」
まあ確かに意味なさそうに見えるが知識は必要だろ
「そうかね?アラガミには脳がない、心臓も、脊髄すらもありはしない。私たち人間は頭や胸を吹き飛ばせば死んじゃうけどアラガミはそんなことでは倒れない。アラガミは考え、捕食を行う一個の単細胞生物--『オラクル細胞』の集まり・・・そう、アラガミは群体であってそれ自体が数万、数十万の生物の集まりなのさ。そしてその強固でしなやかな細胞結合は既存の通常兵器では、まったく破壊できないんだ。じゃあキミたちはアラガミとどう戦えばいいんだろうね?」
「そう結論から言えば同じオラクル細胞が埋め込まれた生体武器『神機』を使ってアラガミのオラクル細胞結合を断ち切るしかない。だがそれによって霧散した細胞群もやがては再集合してあらたな個体を形成するだろう。彼らの行動を司る司令細胞群・・・『コア』を摘出するのが最善だけど、これはなかなか困難な作業なんだ。神機をもってしても、我々には決定打がない。いつのまにか人々はこの絶対の存在をここ極東地域に伝わる八百万の神に喩えて『アラガミ』と呼ぶようになったのさ。さて今日の講義はここまでとしよう。アラガミについてはターミナルにあるノルンのデータベースを参照しておくこと、いいね?」
こうして俺の長い一日は終わりを・・・迎えるはずだった。ツバキさんに挨拶をしてなかったことがばれ、ツバキさん監視のもと一人一人に挨拶をする羽目になった。中には挨拶した人に温かい目で見られたりもした・・・恥ずかしくて死にそう。終わるとようやく寝ることができた。マジでやめたいこの仕事。
サカキ博士の会話すごく疲れる・・・