やはり俺がフェンリル極東支部にいるのは間違っている。   作:水無月ゲンシュウ

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第五話 二人目の新型

「聞いた?『新型』がまた配属されるって」

 

「あ、それ初耳だよ。ここへきて『新型』ラッシュだね」

 

「ロシア支部から支部長が連れてきたらしいよ……」

 

「あ、噂をすれば、かな」

 

 新しい新型、この噂は俺もちょくちょく聞いていた。別にこっそり人の話を聞いてではなく、コウタあたりや、リンドウさんからも聞いていた。正直俺は新しい新型が来るのを結構楽しみにしている。俺と同じ新型ということはこれまで俺が『新型』だからという理由で連れてかれたミッションをそいつに押し付けられる。そうすると俺は最低限仕事をすればいいだけになる。

 

「紹介するぞ今日から、おまえたちの仲間になる新型の適合者だ」

 

「はじめまして、アリサ・イリーニチア・アミエーラと申します。本日一二○○付で、ロシア支部から、こちらの支部に配属になりました。よろしくお願いします」

 

 女か……なおさら俺よりもみんなに任務に誘われるだろう。誰だって俺みたいなボッチより目の保養になる奴のほうがいいだろう。特にどこがとは言わないが。特にコウタなんて喜ぶだろう。

 

「女の子ならいつでも大歓迎だよ!」

 

「よく、そんな浮ついた考えでここまで生きながらえてきましたね……」

 

「……へ?」

 

 うん?なんか雲行きが……

 

「彼女は実戦経験こそ少ないが、演習では抜群の成績を残している……追い抜かれないよう精進するんだな」

 

「……了解です」

 

 ここはあいつの印象アップとついでにコウタのフォローでもするか。でないと俺の計画がっ!

 

「まぁ、優秀な新型のこいつの胸を借りるつもりでいけよコウタ」

 

「……セクハラ発言ですか?ドン引きです。それに何なんですかその腐ったような眼は、本当に神機使いとしての自覚あるんですか?」

 

 ……なんでフォローした俺がドン引きされてんの?あと目はもともとです。つか態度でかいな

 

「アリサは以後リンドウについて行動するように、いいな」

 

「了解しました」

 

「リンドウ、資料等の引継ぎをするので私と来るように、その他のものは持ち場に戻れ以上だ」

 

 その後コウタが積極的に声をかけていたが成果はあまりよくはなかった。ミッション後恒例のサカキ博士による講義で寝ていたコウタはアリサに「自覚ないですね」とまで言われていた。かくいう俺も初対面での印象が悪いはずなのだが……

 

「ロシアと極東では習慣や考え方がまるで違います。そこからくる認識違いの防止のために、情報交換させてください」

 

 ……どうしてこうなった。何故か知らんが俺が日本の文化についてアリサに教える羽目になった。この際なので基本的な文化からマニアックなものまでをアリサに教えたんだが、アニメの話などになると若干ひかれて心に傷を負った。

 

「情報のやり取りのミスを軽減するのが目的でしたが……お互いの文化を知るのは予想以上に面白いですね」

 

 コイツの意外な一面も見ることができた。ただの高慢なやつかと思ったが意外とまめな性格だと少し評価を改めたが、彼女の部屋を見てその考えを改める日が来るのはまた別の話。

 

 




今回はアリサ回・・・とはいっても任務は行きません。次回行かせる予定です。八幡が八幡らしくないことをしているかもしれませんが勘弁ねがいます。
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