提督と利根さん、とか。   作:zero-45

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とおかめ

「のぉ提督よ、ちょっと良いかの」

 

「なんだ利根」

 

「何か朝起きて窓を開けたらその……ログハウス周りの地面が石畳張りになっておったのじゃが」

 

「ああ、アレなぁ、ちょっとした事情で整備しねーといけなくなったから取り敢えず舗装してみた」

 

「いやその事情が何だかは知らんのじゃが、このクソだだっ広い範囲をたった一晩で舗装するとか、普通あり得んのと思うのは我輩だけじゃろうかの……」

 

「ん? そうか? 俺としちゃほら、やる事放置してたらすぐ忘れちまうから必要な事はすぐやろうってスタンスなだけなんだが」

 

「いやだからって毎回それをする規模とかペースが物理的におかしかろ? て言うか何故毎回それを夜中にやってしまうんじゃ」

 

「ん? まぁ寝る時布団に入ったらだな、フと思い出して、それに気付くとなんだか居ても立ってもいられなくなっちまうっつーか……」

 

「なんじゃその病的な思考は……で、提督よ」

 

「何だよ」

 

「今回の事情というのは何なのじゃ」

 

「あーそれな、いやほら、ココのちょい先に村から伸びてる道路あるだろ」

 

「うむ、確か裏の雑木林の先にあったの、それがどうしたのじゃ?」

 

「その雑木林ってウチの敷地なんだけどよ、木材の伐採も兼ねてこの前開墾したんだけど、折角整備したんなら道路に繋いで利便性を確保しようと思ってだな」

 

「あそこもウチの土地じゃったのか、土地だけは無駄に広いのここは、しかし提督よ」

 

「ん?」

 

「確かに道路に繋げるのは利便性が上がるとは言えなくも無いがの、我々は基本徒歩じゃから道路へのアプローチを確保しても結局回り道になるから無駄になるのでは無いのか?」

 

「あーそれなんだけどな、ほら村へ行くのにいつも出撃ドックからトボトボ歩いて行くのもアレだし、思い切ってウチも車を導入する事にした」

 

「車ぁ? 良くそんな物買う予算があったの……ってお主まさか」

 

「例の資源の山から部品を調達して作ってみた」

 

「またか!? また自作したのか!?」

 

「おう、これで買い物とか出撃とか色々捗るぜ、どうよ」

 

「いやどうよとか、どこに車なんぞ駐車してって……うーわ! また断崖に扉が張り付いとる!? しかも今度はやけに横幅が……」

 

「青空駐車ってのは余計な手入れが必要になっちまうからな、ちょっとガレージを作ってみた、んで中には車をだな、ほら」

 

「おい待て! コレはトラ○ドロンではないのか!? 何でいきなり仮面ライダード○イブしとるのじゃ!? ベースのNSXはどうしたのじゃ!?」

 

「あーそれな、ゲンさんもう乗らないからって放置してたから譲り受けた」

 

「NSXを乗り回す漁師とか色々突っ込みが追いつかんわ! て言うかそれ貰って魔改造する鎮守府司令長官ってどうなのじゃ……」

 

「そしてちゃんと内部ギミックも仕込んであるぞ、ほら」

 

『初めましてマイケル、私の名前はKnight Industries Two Thousand、愛称はK.I.T.T、キットと呼んで貰っても結構』

 

「マイケルって誰じゃ!? てか何でガワがト○イドロンなのに中身がナ○ト2000なのじゃ!? 色々とおかしかろ!?」

 

「いや流石に投棄されてる電化製品で再現するのはこれが限界だった」

 

「どうしていつもそんなどうでもいい所に力を入れるんじゃお主は!」

 

「いやほら、ドライブしてて暇になったら話し相手とか欲しくなんねーか? なぁ?」

 

『はいマイケル』

 

「だからマイケルって誰なんじゃ!? てかお主は寂しがり屋さんなのか? 音楽を聴くとかじゃダメなのか!?」

 

「そして必要物資をトランポしたり、対空兵装をキャリアする為に2t車を改造したブツがこれ」

 

「我輩の突っ込みをスルーするでないわっ、てか妙にゴテゴテしたダンプじゃが……待て、今対空兵装が何とか言うたか?」

 

「おう、コイツの荷台にはバリスタとかカタパルトが搭載可能な様に土台を仕込んである、これで民家や周りを気にせずに対空戦が可能だぜ」

 

「待て、待て待て、コレ運転はお主がするのじゃろ? ていう事はその兵装って……」

 

「あ? んなもんカタパルト職人って言われてるお前の仕事じゃねーか」

 

「だから我輩の使うカタパルトはあんな原始兵器では無いと何度も言うておろ! てかどこの世界に丸太とか岩石使かって深海棲艦とドンパチする海軍拠点があるというのじゃ!」

 

「仕方ねーだろ! あるモン有効活用しねーとウチじゃどうにもなんねーんだからよ!」

 

「だからってこんなモン深海棲艦相手に効く訳がなかろ!」

 

「いや、パラオとかブルネイ戦線辺りじゃこれで防衛してたが」

 

「……ああ、お主はそうじゃったな、懲罰部隊はそれがデフォじゃったか……」

 

「懲罰部隊言うな、ていうか利根よ」

 

「……何じゃ、もう我輩そろそろ突っ込み疲れてきたんじゃが」

 

「お前って確か運転免許持ってたよな?」

 

「うむ、ペーパードライバーじゃが一応MT免許は持っておるぞ」

 

「そうか、ならお前専用にって作ったコレは無駄にはなんねーな」

 

「我輩専用?」

 

「ほら、2tトラックの横にあるソレ」

 

「何じゃ? トラックの横にって……うーわ! 何ぞピンクに塗られた……これは何じゃ?」

 

「漁協で使わなくなってたオート三輪を再生してみた、ほらハンドルがカブ仕様のレアもんだぞ、喜べ」

 

「いやそれはレアというか凄まじく古い車と言うのではないか、て言うか何でピンクなんじゃ」

 

「あ? そりゃお前、なあ? 婦女子が使うアイテムってほら、何と言うかピンクじゃね?」

 

「……お主の偏った感性に最早突っ込みを入れる気は無いが、まぁ我輩の為に気遣ってくれた事には礼を言っておくぞ、して提督よ」

 

「何だ?」

 

「どうしてこのオート三輪の座席は不自然に丸っこくなっておるのじゃ?」

 

「ああ、ほら初期のオート三輪てカブの操作系がベースになってるから、跨いで座るタイプの座席になってるだろ?」

 

「うむそうじゃな」

 

「で、足りないパーツを先輩のとこに発注したら『お利根さんの専用機なら下半身ダイエットを兼ねたブツを装備してはどうだろうか』ってバランスボールが送られてきてな、ほら、それを組み込んでみたんだが」

 

「サブロオオォォォォォォォォ!」

 

 

 


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