坂下郁様ありがとナス!
「のぉ提督よ」
「何だ利根」
「お主は一体何をしておるのじゃ?」
「あ? 見て分かんねーか? ゲームだよ」
「こんな真昼間から提督ともあろう者が鎮守府(ログハウス)でゲームとな、一体何をしておるのじゃ、て言うか何のゲームをしておるのじゃ」
「お前は小言を言いたいのかゲームを見たいのかどっちなんだよ、ほら、コレ」
「うわ……ファミコンじゃと、えらく懐かしいモンをプレイしておるの、で、刺さっておるカセットはスペラ○カーとはまた……」
「まぁ実際プレイしてんのはダーク○ウル3だけどな」
「待て、待つのじゃ今何と?」
「ダ○ソ3」
「いやお主コレファミコンじゃろ? 刺さっとるソフトはスペラ……うーわ、何で侵入プレイしとるのじゃ!? おかしかろ!?」
「いやお前これにはちょっとした訳が……ってクッソ!? ちっと目ぇ離してた隙に消えやがった!? 幻い○枝でも使いやがったか!?」
「いやうんそのプレイ中すまんの、むしろ満足したらで良いからその事情とやらを聞かせて貰えんかの」
「あーチキンとガチっても仕方ねーからもーいいわ、んでコレな? えっと例の宝の山から色々発掘してたんだけどよ」
「うむ」
「そこにガワが無傷で中身がオシャカのファミコンとな、ガワがバッキバキで中身が無事のPS4が出てきてだな」
「ちょっと待つのじゃ、幾らお主が謎技術の習得者であってもファミコンにPS4の中身をぶち込むとかスペース的に無理があろ!?」
「いやそこは創意工夫で何とかだな」
「一体どんな創意工夫をすれば物理的法則を凌駕するというのじゃ!?」
「何だよ一々うっせーな、出来たんだからしょーがねぇだろ」
「本当に何者なのじゃお主は!? ……いやしかし、ファミコン本体にPS4のコントローラーが接続されているのは中々シュールな
「まぁコレばっかりは仕方ねーな、なんせファミコンのコントローラーじゃ二つ足してもボタンが足りねーし、っとそろそろ時間だな」
「む、何がじゃ?」
「後5分で雨が降ってくるからお前も洗濯物取り込むの手伝え」
「うむ? お主何を言っておるのじゃ? 空はこんなに晴れておるというに」
「いやマジで降ってくるんだって、ほらグズグスすんな」
「一体お主は何を言って……ってうーわ!? 何じゃこれは、さっきまで燦々としてた空が雨雲だらけに!?」
「ほら言った通りだろ、さっさと手伝えって」
「う……うむ、了解じゃ、と言うか提督よ」
「何だよ」
「お主さっき雨が降るまでの時間を正確に言い当てておったの」
「おう、それがどうした」
「いやどうしたじゃなくて、何でそんな正確に天気を言い当てられたのじゃ?」
「あ? ああそれな、えっとここの向こうに灯台があるだろ」
「うむ」
「そこに灯台守のシゲさんっつージイさんが居てだな」
「……何だかこのパターンはまた人外なニューカマーが登場しそうで我輩嫌な予感がするのじゃが」
「そこのシゲさんってな、天気の変化とか潮の流れとか、後イーとかローとかの出現予報とか出来たりするんだが」
「待つのじゃ、今天気とか海の様子とかに混じってとんでもない単語が混じって無かったか?」
「何がだ?」
「何がだ? じゃないわっ!? 何で深海棲艦の出現が天気予報とかと同列で予報されとるんじゃ!? 一体どんな原理でそんな予報をしとると言うのじゃ!?」
「ん? 何でもシゲさんって風が友達とかつってな、その風が色々と教えてくれるらしいんだが」
「何じゃその限りなく胡散臭いファジーな情報源は!?」
「いやまぁ実際的中率100%だからな、ほら、町内新聞にもシゲさんの予報コーナーってあるだろ?」
「何じゃと? ってうーわ!? マジで天気予報と深海棲艦の予報が並んでおる!?」
「聞く所によると気象庁とか大本営辺りはシゲさん予報を頼りにしてるって話を小耳に挟んだんだけどよ」
「何で気象庁と大本営が同列で扱われておるのか……むしろここの集落の者達は色々おかしいじゃろ、何なのじゃマジで」
「まぁ色々便利だし、深く考えなくてもいいんじゃねぇの?」
「いやそこは考えよ!? 常識という物をちゃんと考えんか!」
「つーか海の上を不思議ギミックでスイスイするお前らが言うなって俺は思うんだけどな」
「海軍提督のお主が我輩らの存在意義を疑問視するとかどうなのじゃそれは!?」
「いやまぁ素直に疑問をぶつけただけなんだけどな」
「ほんにお主はどんな精神構造をしとるのじゃ、と言うか提督よ」
「何だ?」
「ちっと聞きたい事があるのじゃが、裏の道路なんじゃがアレはどこに通じておるんじゃ?」
「あ? あれか、確か片側は村で終端になってて、反対側は山四つ程向こうの町に繋がってたと思うが、何かあったのか?」
「ああうん……そうか、だからか……」
「ん? どうした、ゲップが途中で止まっちまってモヤモヤしてるみてーな微妙な顔してよ」
「凄く限定的かつ微妙な表現をするでないわ、いやそれよりもじゃな、今朝なのじゃがあの道路をコンテナトラックが通ってるのを目撃したのじゃが」
「おう、それで?」
「いや……その運転席と助手席にの、騎士が乗っておっての……」
「あーそれゲンさん達が町へ魚卸に行く最中だったんじゃね? あそこのトラックってキャビンがハイルーフだからプレートメイル着たまんまでも運転余裕だし」
「やはりか……て言うかプレートメイルを着たまま市場へ魚を配送しておるのかあやつらは……」
「まぁな」
「朝一番ブリを卸しに市場へトラックで乗り付ける黒騎士とか、異常を通り越してシュールなイメージしか沸いてこんぞ」
「いやまぁそんなハレンチな格好でのじゃのじゃ言ってるお前の方が色んな意味でシュールだと俺は思うんだけどな」
「妙な風評被害を垂れ流すでないわっ! そもそもこの制服は改二になった熟練の者しか着れん特別な物なのじゃぞ!」
「あ、改二で思い出したわ、お前に渡すモンがあったんだった、ほらこれ」
「ん? 何じゃコレは……っておいお主、これは飛行甲板ではないか」
「いやほらお前、ズイウンとかいうヒコーキ飛ばすのにそれ必要なんだろ? 前からずっと装備が調子悪いつってたし」
「はぁ? いや確かにカタパルトの調子が悪いとは言うておったが、これは航空戦艦が使う装備で航空巡洋艦である我輩が使う物ではないぞ?」
「マジで? いやほら先輩のトコに利根の改二用装備送ってくれっつったらそれが送られてきたんだが、後前張り用テープも」
「サブロオオォォォォォ!」