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ご指摘頂きました雀怜様、有難う御座います、大変助かりました。
「のぉ提督よ」
「何だ利根」
「お主は何をしとるのじゃ?」
「ん? 見て分かんねーか? チャリ作ってんだよ」
「自転車? 車もあるのに何で今更そんな物を作っておるのじゃ?」
「あ? いやお前、折角車作ってやったのに全然乗ってねーじゃねーか、だからチャリだったら乗るかなって思ってよ」
「……提督よ、我輩も車乗って買い物とか色々したいのは山々なのじゃがな」
「あん? 何かあんのか?」
「何かあんのかじゃないわっ! あんなポンヨポンヨする丸っこい椅子に座って運転なんぞしたら車がぶっ倒れるじゃろーが! それでのうても元からオート三輪は不安定なのにどーすんのじゃアレ!」
「いやその不安定さも含めた上でダイエット効果をだな」
「だから何で車を運転しつつダイエットをせんとならんのじゃ!?」
「あーあー分かった分かった、またその辺り直しておいてやっから、その間はこのチャリに乗っとけ、な?」
「……いや提督よ、ちとその自転車の事も聞きたいのじゃが」
「何だよ?」
「普通自転車という物はペダルを漕ぐと後ろのタイヤが回る物ではないのか?」
「まぁそうだな」
「では今お主がこさえておる自転車は何故チェーンが後ろのタイヤにでは無く、自転車の前に向かっておるのかの」
「あん? いやお前チェーン繋げねーとプロペラが回んねーじゃねーか」
「何で自転車を動かす動力がタイヤでは無くハンドルの前に付いておるでっかいプロペラなのじゃ?」
「いやそりゃお前、普通じゃ面白くねーだろ?」
「何で実用品の機構を面白いか面白く無いかで決定しとるのじゃ! そう言えばお主昨日魔女の宅○便のDVDを見ておったな? それはアレか? 例の自転車か? トンボの乗ってたアレなのか!?」
「おう、カッコいいだろ?」
「良くないわっ! 何で買い物とかへ行くのに全力でシャカシャカやって行かんとならんのじゃ! 他人から見られたら『あいつバカじゃね?』とか思われたらどうするつもりじゃ! むしろシャカシャカの時制服がヒラヒラして色々見せ放題になってしまうわっ!」
「いや何でそんなにカリカリしてんだよお前、て言うかその辺りはほら、ダクトテープで前張りをしてだな」
「何でいつもいつもお主は思い付きだけでそんな物をこさえるのじゃ! て言うか股間にあんなモノ張っ付けたら剥がす時全部抜けてしまうじゃろうが! それに良く見たらこれブレーキも付いておらんし危なかろ!」
「それは大丈夫だ、一定以上の速度に達するとプロペラがパージされて速度調整がされる仕組みになっている、だから安心しろ」
「安心できんわっ! 何じゃそのパージて! 変なトコで原作を再現せんでも良いわっ!」
「んだよわーわー言いやがって、んじゃちゃんとチェーンを後ろ向きに直して組み替えとくから、それでいいだろ?」
「……提督よ」
「あん?」
「まさかとは思うがそのプロペラを後方配置して、震電みたいなブツをこさえようなんて思ってはおらんじゃろうの……」
「……お前はエスパーか」
「やっぱりか! どうしてそこでプロペラに拘るんじゃお主は! バカか! バカなのか!? いい加減にせんか!」
「ちっ……勘のいい子供は嫌いだよ」
「誰が子供じゃ! ったく……ああそうじゃ提督よ、何ぞ大本営から伝達が来ておったぞ、ほら郵送で」
「大本営? 何だそりゃ、また無茶振りとかしてきやがったのか?」
「さぁ? 内容は中身を確かめたら分かるじゃろ、と言うか何で軍事伝達が普通郵便で郵送されて来るのじゃ、FAXや電話もあるじゃろうに」
「いやそれだと機密性を損なうからじゃねーの?」
「いやいやいや、普通郵便の方がよっぽど機密性が低いからな? 無茶苦茶ひっくいからな?」
「まぁ何だっていいけどよ……何々、ん? おい利根よ、朗報だぜ」
「ん? どうしたのじゃ?」
「いや前から出してた工廠の予算が通ったらしい、これでウチも装備や建造が解禁になるぞ!」
「何? それは真か? ついにウチも
「おお! じゃ早速工廠を建てねーとな!」
「いやいやいや、予算が降りるならちゃんと業者に言うて建築して貰わんか、いや? 工廠が出来るなら妖精さんも来るじゃろうからあやつらに任せれば手間は無いの」
「……は? 何言ってんのお前?」
「うん? 何がじゃ?」
「いや何だその……うん、お前が夢見るアリスちゃんみたいなめでたい感性をしてんのはまぁアレだとしとてだ、妖精さん?」
「何じゃ? 我輩何かおかしな事を言うたかの?」
「いやお前、妖精さんって……ふへっ、うんまぁ、いいんじゃねーの? うん、夢があって」
「いやちょっと待て、お主それ本気で言うておるのか? まさか妖精さんを知らんとか言うのでは無かろうな?」
「はぁ? 妖精さん? 例の毒リンゴ食ったら7人沸いてくるアレとか、寝てたら勝手に靴作ってくれるアイツらだろ?」
「いや確かにそれも妖精さんじゃが……マジか!? 提督ともあろう者が妖精さんを知らんのか!?」
「分かった分かった、その辺帰ってきたらちゃーんと話し相手になってやっから、な? 色々そっち系のDVDもあった筈だしそれも見せてやっから」
「ちょっと待て! マジで言っておるのか!? いやいやいやほら我輩の艤装にも妖精さんは乗っておるし! ほらコレを見てみるのじゃ……っておい、お主なんでいきなりニッカポッカに着替えてツルハシを担いでおるのじゃ……」
「あ? いやほら、工廠が出来るなら資材は必要だろ?」
「……うん? ま……まぁ、それは確かにそうじゃが」
「だから鉄取ってくる」
「どこで?」
「ブランチマイニングしてくる」
「だーかーらー、リアルじゃ幾ら掘っても鉱石なんぞ出んといつも言うておろーが!」
「え? いや掘る場所y11からy30辺りに変更したら結構掘れたんだが、ほら」
「だからお主は何を言って……ってうーわ! マジじゃ! これ鉄か? 鉄インゴットなのか!?」
「ああ、幾らか精錬はしたけどよ、ほら建造に使うにゃもうちと足りねぇから、その分掘ってくるわ」
「待て待て待て! 今何と言うた?」
「あ? 建造?」
「それじゃ! お主妖精さんも知らんのに一体どうやって建造なんぞするつもりなのじゃ?」
「あ? いやお前そりゃ先ず鉄インゴットを用意するだろ?」
「うむ」
「んでそれを九つクラフトして鉄ブロックにするだろ?」
「……うむ?」
「そんでそれを縦に三つ左右に一つづつくっ付けて、カボチャを乗せてだな」
「それはアイアンゴーレムじゃ! 最近やっとマ○クラネタも尽きたかと安心しておったらこれじゃ! 何で建造でアイアンゴーレムを作ろうとするのじゃ! リアルじゃインゴット九つ程度じゃ1m×1mのブロックにはならんからの! 雪ブロックの上にカボチャを置いてもスノーゴーレムにはならんからの!」
「え……じゃ村の人口が50人くれーだから、どこかに3体はゴーレム居る筈だし防犯はバッチリだと思ってたのは……」
「いやだからアイアンゴーレムなんぞリアルじゃ存在せんのじゃ! 村人が15人になったらアイアンゴーレムが沸いてくるとかいう現象は絶対起こらんからな! て言うかあの村は人が50人程しか居らんかったのか……」
「まぁ色々とな、過疎化が進んでてな」
「そうか……まさか少子化の弊害がこんな近くで起こっていたとは……」
「因みにこの周辺で一番若いのは俺らしい」
「は? お主何歳なのじゃ?」
「26歳」
「いや待て、我輩はまだ21じゃぞ?」
「……うそやん」
「何で嘘なんぞつかねばならんのじゃ、ほら免許証を見てみい、ちゃんと21歳じゃろうが」
「……マジだ、どうしよう、俺町内会名簿にお前の歳30って書いちまったわ」
「はぁ? 何でまたそんな事になっとるのじゃ?」
「いやほらその辺り分かんねーからさ、ちっと先輩とこに確認してみたら『確か大本営の吹雪と同じ歳だった筈』って返事が」
「サブロオオォォォォォォォ!」