提督と利根さん、とか。   作:zero-45

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じゅうさんにちめ

 

 

 

「のぉ提督よ」

 

「何だ利根」

 

「お主の足元でヒャンヒャン吠えておる犬はどうしたのじゃ? て言うかそのフザケタ格好は何じゃ?」

 

「あ? これはお前狩りをする時寒いからイノシシの毛皮で作った防寒着、そんでコイツは狩りのパートナー、ラッシーだ」

 

「何で海軍の提督がマタギスタイルなのかは後でじっくり聞くとしてじゃ、そのラッシーと言うのは足元の小型犬の事かの?」

 

「あ? お前はラッシー以外に何か見えんのか?」

 

「いやラッシーはいいのじゃが、何で狩猟のお供にポメラニアンなんじゃ、お座敷犬を連れて狩りとかお主何を考えておるんじゃ」

 

「バッカお前ポメラニアンってのはな、元々狩猟犬とか犬そり引いてた犬なんだぞ?」

 

「バカはお主じゃ! 元々そんな犬じゃったかも知れんがそれを愛玩動物として品種改良したのがポメラニアンじゃぞ! そんな小型犬イノシシとか相手にさせたら一瞬でお陀仏じゃろうがっ!」

 

「いや、それが中々コイツ根性があってな、獲物が突進してきても逃げずにじっと相手を睨んでんのな? スゲーと思ったわ」

 

「いやいやいや良く見てみよ! それは睨んどるんじゃなくてビビって動けなくなってるだけじゃろうが、ほれ!」

 

「いやお前これ武者震いじゃね?」

 

「ガチ奮えじゃバカモンが! 第一根性があったとしてもこんな小型犬ではイノシシ相手に攻撃を食らったら即昇天してしまうじゃろうが!」

 

「ああそれなら大丈夫」

 

「何がじゃ」

 

「ちゃんと備えはしてある」

 

「備えって何を……ってうーわ! それ例のイ級アーマーか!? 犬用の鎧か!?」

 

「それに相手はイノシシじゃないから速さでは負けんと思うぞ」

 

「いやそもそもこんな鎧装着させたら素早さを殺してしまうと思うのじゃが……して、今回は何を狩ってきたのじゃ」

 

「熊」

 

「……は?」

 

「いやゲンさん達が魚を市場に運ぶ途中ウチの敷地辺りで熊を目撃したらしくてな、そろそろ備蓄してる肉も心許なくなってきたし食料調達の為に……」

 

「いや、いやいやいやちょっと待て、熊? 球磨じゃのーて?」

 

「お前幾らなんでも陸で軽巡洋艦が野良でうろうろしてる訳ねーだろ、ほら既に色々処理して皮は剥いで干してるし」

 

「何じゃと? ってマジで熊の毛皮が物干し竿のトコでフワフワしとる!? なんで我輩のパンツに混じって熊の毛皮がフワフワしておるのじゃ!?」

 

「肝は薬になるし、肉は塩漬けにして保存、後はチプタプしてヒンナヒンナだぜ?」

 

「……そう言えばお主昨日ゴー○デンカムイを読んでおったな? あれか? また何も考えずにノリだけで行動しおったのか?」

 

「脳みそはお前にやろう、目玉も食っていいぞ」

 

「いらんわバカモンがっ! いつも言うおろ? 何でもかんでも思い付きで行動するなと……、第一ウチに熊を撃つ様な銃は無かった筈じゃがどうやってあんな大物を仕留めたのじゃ」

 

「ん? ああコレで」

 

「それ物見台に据えておったクロスボウではないか、そんな物で熊を良く仕留めたの」

 

「あーそれが結局殆ど効き目がなくてなぁ、最後は丸太でシバいてトドメを刺した」

 

「マタギスタイルの意味が無いじゃろ!? むしろポメラニアンどこで活躍したんじゃ!?」

 

「いやお前ソロで狩りとか寂しいじゃねーか」

 

「結局ラッシー愛玩ポジではないか!? て言うかそもそもどこからラッシー連れて来たんじゃ」

 

「駄菓子屋のお春ばーちゃんに散歩頼まれてな、そのついでに」

 

「我輩は散歩のついでに熊狩りに同行させられるお座敷犬に同情の念が堪えんぞ……」

 

「まぁそんな訳で今日は熊カレーな、お前のはオカシラ付きで」

 

「鯛の煮付けみたいな感じでサラっとおぞましい事を言うで無いわっ! どこの世界に熊の頭を添えるでんじゃらすなライスカレーがあると言うのじゃ!」

 

「好き嫌いしてると乳が育たんぞ」

 

「我輩の乳は熊の脳みそを食わんとサイズアップせんなどという特殊な事情は抱えておらんわっ!」

 

「まぁお前の色気部分は全部妹に吸われちまったよーなもんだしなぁ、仕方ねーか」

 

「我輩を筑摩のダシガラみたく言うでないわっ……ったく、ああそれと提督よ」

 

「何だ」

 

「この前完成した工廠建屋に見慣れんバスが入っておったのじゃが、アレは何なのじゃ?」

 

「ああアレな、村の老人会で所有してるバスなんだけどよ、もう古くて色々ガタがきちまってたから修理してくんねーかって頼まれたんだ」

 

「何で海軍の工廠で自動車整備工場染みた事を引き受けねばならんのじゃ」

 

「いやお前ウチは地域密着型の鎮守府を目指してるし、その辺り実績上げときゃ次年度の予算査定に色々と有利になるしな」

 

「て言うか既に新年度に入ってる訳じゃが、予算は去年と変わっておらんぞ」

 

「……マジ?」

 

「マジじゃ、て言うか光熱費以外は新卒のサラリーマンが貰う初任給辺りの額が年間予算って、マジでどうなっとるのじゃ」

 

「まぁ現金が無くても何とかなってるしその辺りは今まで通りやってくしかないな……で、利根よ」

 

「何じゃ」

 

「どうも村にリターン就職ってヤツで何組かの世帯が引っ越してくるらしいぜ」

 

「ほう? 漁業とか畜産とかしか産業が無いのに良く戻ってこようと思ったのう」

 

「何でも都会じゃ就職難らしくてな、家賃とか色々考えたら田舎に帰って家業継ぐ方が安定するからって理由らしい」

 

「なる程のう、しかしそうなると住民が増えるからウチも防衛に力を入れんといかんな」

 

「まぁな、でも先ずそれよりバスの修理と改修急がねーと間に合わねぇな」

 

「何がじゃ?」

 

「あのバスな、ほら村に学校とか幼稚園が無いだろ? その送迎用に使うからって修理する事にしたそうでな」

 

「ふむ、なる程のぉ、色々あの村は不便じゃからのぉ」

 

「んで子供が乗降し易いように踏み台付けたり、見た目をファンシーに改装したり、後は武装を装備させたり」

 

「ふむふむ……って待て、今何と?」

 

「いや送迎用の改修をだな」

 

「いやいや……今お主武装とか言わんかったか?」

 

「ああそれな、まぁほぼ完成して後はタイヤとか装備させるだけなんだが」

 

「うーわ!? 何じゃこの豹柄? の珍妙なバスは!?」

 

「最近の流行を取り入れてみた、因みに外装にはイ級アーマーを使っているから熊が衝突しようが百人乗ろうが大丈夫」

 

「いや確かに頑丈に越した事は無かろうが、イ級の装甲万能過ぎじゃろ……」

 

「天井のドアをパカンとすれば上から周りが見渡せるギミックがあったり」

 

「……ほう?」

 

「エンジンも古くて修理部品がもう欠品状態だったから電気自動車へ作り直した、ほらフロントのここからバッテリーをINしてだな……」

 

「のぉ提督よ」

 

「何だ?」

 

「お主け○のフレンズというワードに何か心当たりは無いかの?」

 

「サーバルちゃんよりアルパカちゃんのが至高だと俺は思う」

 

「やっぱりか! このバスやっぱり例のジャパ○バスなのか!?」

 

「後は対熊用に対物バンパーを付けたり、もしもの時用にバルカンファランクスとか装備したり」

 

「まてまてまてまて! バルカンファランクスじゃと!? ってこの不自然にシッポに偽装してあるコレか!?」

 

「おう、ほら街中とかでもしテロリストとかの襲撃に遭遇したらよ、丸腰だとどうにもならんだろ?」

 

「お主は妄想癖持ちの夢見る中学生か!? 日本の片田舎で普通テロリストがバスジャックする事なんぞないからな!? むしろこんなの街中でぶっぱしたらテロリストだけじゃなく他の一般市民も命がデンジャーじゃからなっ!」

 

「いや弾頭ゴム弾だから大丈夫じゃね?」

 

「幾らゴム弾でも毎分4000発もビシビシと浴びたら死ぬわバカもんがっ!」

 

「そん時ゃエリクサー飲ませりゃなんとかなるだろ」

 

「○露丸で重症から高速修復するのはお主だけじゃ! 一般人とお主を一緒にするでないわっ!」

 

「大丈夫だ」

 

「……何がじゃ」

 

「ほらコレ、エリクサーを改良した新たなエリクサー、ネオエリクサーがある、これで何も心配いらんぞ」

 

「……お主この「正○丸糖衣A」という字は読めんのか?」

 

「え? それって軍用じゃなくて一般人用に調整されたエリクサーって先輩とこから送られてきたんだが……」

 

「サブロオオオオォォォォォォォ!!」

 

 

 


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